此れは「未完成交響曲」の番外編です。
今日はヒロインの誕生日なので誕生日編です。
ギャグ使用です。
*注意*
・ヒロインが黒いです。(特に後半部分)
・ラビがヒロインの薬の被害にあいます。(何の薬かは秘密です。)
以上の事に注意してお楽しみ下さい。
・・・宜しいですね?
其れでは良い夢を・・・。
ガチャ!!
と勢い良くフィノラの部屋(研究所)に飛び込んで来たのは・・・?
* * * * * *
未完成交響曲 (ミカンセイコウキョウキョク)
番外編 「誕生日大作戦?!」
* * * * * *
「フィノラ!!はぁ〜〜〜・・・。此処に居たんか・・・。」
赤い髪に右目に眼帯をした男―――もといラビがフィノラの研究室に息を切らしながら飛び込んできた。
しかし彼女に反応は無い。
「ちょっ・・・おいっ!フィノラ!!」
隣まで行って大声で呼んでみる。
「ん?わっ!ラビ!!何時の間に入ってきたの?」
―――研究に夢中で気付かなかったらしい。
「はぁ、好い加減研究に夢中になると周りが見えなくなる癖なおすさ・・・。」
呆れ顔で呟くラビ。
「ゴメン、ゴメン!もうちょっとで完成しそうだったから・・・。」
「まぁ、いいさ。其れより・・・。」
一旦言葉を切るラビ。
「?どうしたの???」
「その様子じゃぁ気付いて無いさね・・・。」
ぼそり、と呟くラビ。
「ラビ?聞こえないよ。ハッキリ言って。」
「あぁ、ゴメンさ。コムイから連絡。」
「何?任務?」
又任務なのか、と溜め息を吐くフィノラ。
「いや、違うさ。今日一日呼びに来るまで部屋から出るなってさ。」
「はぁ?!またコムイさんもヘンなこと言うわね・・・。まぁ、良いわ。どうせ薬の研究をもう少ししたかったしね。」
そう言ってくるりと机に向かってしまった。
「まだ研究する気なんさ?!」
「ん?なんか文句有るの、ラビ?・・・そうだ!!この前作った新しい薬の実験台になって・・・「すみません!!オレが悪かったです!!謹んでご遠慮します!!」そう?」
そう言うとラビは大慌てでフィノラの研究所を出て行った。
「ありゃ、逃げられたか。ま、後で無理矢理にでも飲ませるけどね♪」
ラビが出て行った後、フィノラの楽しそうな笑い声が聞こえたとか・・・。
* * * * * *
「はぁ、危なかったさ・・・。」
「あ!!ラビ!フィノラに言ってきてくれた?」
ラビの前に現れたのはリナリー。
「言ってきたけど、危うく実験台にされそうになったさ・・・。」
「何か余計な事言ったんじゃない?ラビはいつも一言多いのよ。」
ズバッと切り捨てるリナリー。
「おぉう、直球さね。ま、そんなトコロさぁ。」
「そんなだから何時もアレン君に馬鹿にされるのよ。ほら、まだ準備が残ってるんだから早く行くわよ!」
「え?!ちょっとひど!!」
ラビの叫びも虚しく、リナリーはさっさと食堂へ向かってしまった。
* * * * * *
一時間後
* * * * * *
「・・・い・・・おい!・・・起きろってば!!」
「ふへ??」
突然揺さぶられて目が覚めたフィノラ。
「あぁ〜〜〜もう!!その調子じゃぁ忘れてるさね??」
「?何の事よ。」
眠たい目を無理矢理起こそうと、目を擦るフィノラ。
「(ぶはっ!可愛い///ってそうじゃなくて!!)コムイが呼んでるさ。」
「あぁ、そっか。何処に行けば良いの?」
「ま、兎に角着いて来るさ。」
そう言ったラビに手を引かれて無理矢理立たされた。
「わ!!ちょっと待って!!」
どんどん廊下を進んで行くラビ。
と、此処でフィノラが可笑しな事に気付く。
「ねぇ、ラビ?他の皆は?」
「ん?食堂に着けば分かるさ。」
そう言って再び歩き始めた。
* * * * * *
食堂
* * * * * *
ドアの前で立ち止まるラビ。
「ラビ?入らないの?」
「・・・用意は良いさね?んじゃ!」
バン!!
とラビが勢い良く扉を開けると
パーン!パーン!!
というクラッカーの音が鳴り響いた。
「へ?ナニナニ?何なの??」
其処へアレン、コムイ、リナリーの三人が声を揃えて
「「「誕生日オメデトウ、フィノラ!!」」」
「へ?」
当の本人はまだ気付いていないらしい。
「今日お前、誕生日なんだろ?ま、オレもついさっき知ったんだけどな。」
ラビに言われて漸く気付いたフィノラ。
「あれ?今日って二月二十九日だっけ?」
「そうよ。はい、これ。」
リナリーがフィノラに差し出したのは掌サイズの小箱。
「え?何?」
「誕生日プレゼント。気に入るかどうかは分からないけど・・・。」
リナリーに渡された箱を開くフィノラ。
箱の中にはペンダントトップが羽の形のネックレスが入っていた。
「・・・カワイイ。有り難う、リナリー!」
「気に入ってもらえて良かったわ。」
「今度は僕からです。」
アレンが渡したのは巨大なバースデーチョコレートケーキ。
「わぁ!有り難う、アレン。」
「僕からはこれぇ〜〜〜!」
コムイが渡したのはさまざまな薬草が入った籠。
「有り難う御座います、コムイ室長!」
薬剤師でもあるフィノラは大喜びだった。
「オレは今日聞いたばっかだからなんも用意出来てねぇんさ・・・。ゴメンな;その代わり何でもするからさ。」
「何でも良いのね?ラビ、ちょっと来てくれる?」
「へ?良いけど・・・。」
ラビの腕を掴み引っ張っていくフィノラ。
着いた場所は
――――研究所。
「あの、フィノラ?なぁーんかオレ、嫌な予感がするんだけど・・・。」
「気にしない、気にしない!」
そういって笑顔のまま取り出したのは手錠。
――――しかも警察とかが持っている本物の。
そして
ガチャン。
とラビの腕と柱とを固定した。
「え?!ちょ、ウソ??!」
「ラビ、さっき何でもしてくれるって言ったよね?」
「言ったけど・・・まさか??!」
「そのまさか。」
笑顔でフィノラが取り出したのは妖しく光る液体。
「さぁ、飲んで!!」
「いっ!!むぐぅ・・・!」
あっという間に口に押し込まれてしまい、逃げられなくなったラビ。
「・・・げほっ!!一体何飲ませたんさ??!」
「ま、イズレ分かるわよ♪」
フィノラは楽しそうに微笑んだ。
* * * * * *
「・・・フィノラ?ホントに何飲ませたんさ・・・?」
其処には相変わらず手錠をつけられ、目に涙を浮かべたラビが居た。
――――しかし今のラビには兎の耳と尻尾が生えていた。
「ん?実験途中だった獣化剤。その様子だと、実験は成功みたいね。」
「な!!獣化剤?!一体何作ってるんさ、フィノラは!!」
答えを聞いたラビは驚いて暴れ始めた。
「・・・言っとくけど、其の手錠本物だから簡単には外れないわよ。」
「早く元に戻すさ!」
そう言われて困った顔をするフィノラ。
「実は此れ、中和剤作ってないんだよね。三日間経てば元に戻るから。」
「はぁ??!嘘だろ??」
慌て始めるラビ。
「ホントよ。良いじゃない。そんなに似合ってるんだから。」
「よかないさ!!オレ、このままじゃ、食堂とか行けないさ!」
「そのまま行けばいいじゃない。」
「絶対嫌だ!」
暫くの間、ラビとフィノラの言い争いが研究室から、聞こえていたのを何人もの人が聞いたらしい。
* * * * * *
その後三日間教団内でラビを見た人は居なかったとか・・・。
・・・如何でしたか?
ヒロインはラビに文句を言われた事を根に持っていたようですね。
其れではまた・・・。

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