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野球の5人、丸刈り青々…似合う?似合わない
8月20日1時3分配信 読売新聞
【北京=佐藤毅】星野ジャパン一丸−−。野球の日本代表は19日、1次リーグの中国戦に大勝、準決勝進出を決めた。
キューバ、韓国に敗れ、苦境に立った日本。エースのダルビッシュ有投手(22)(日本ハム)らは、ライバルに負けた悔しさや五輪への思いを形にするため丸刈りにしてゲームに臨んだ。チームには金メダルにかける気迫が満ちている。
1次リーグ初戦のキューバに敗れた翌々日の15日、宿舎でのミーティングに、ダルビッシュ投手が青々とした丸刈りで現れた。星野仙一監督(61)がわけを尋ねると、神妙な面持ちで答えた。「(キューバ戦の投球が)ふがいなかったので、切りました」
先発したものの、五回途中でKOされて4失点。ふだんはクールな若者が感情をあらわにした。「今までで一番悔しい思いをした。絶対、取り返す」。星野監督の胸に響いた。「アイツは長い髪が似合っていたのになあ。それを切るのは、相当なものだ」
ダルビッシュ投手は、これまで五輪について、「日の丸は僕にとっては、絵でしかない」「五輪は目標でも何でもない」と発言、周囲を戸惑わせた。しかし、星野監督は「皆の必死な姿を見て、意識しないわけはない。だから髪を切ったんや」とエースの思いをきっちり受け止めた。
左足甲に故障を抱える川崎宗則内野手(27)(ソフトバンク)も頭を丸めた。北京入り前日の9日、星野監督から状態を聞かれた川崎選手は「(辞退は)嫌です。五輪に行かせてください」と訴えた。
その晩、星野監督はソフトバンクの王貞治監督(68)に電話、「無理させると、帰国後、ペナントレースに影響するかも知れません」と伝えた。川崎選手の胸中を知る王監督は「構わない。好きなようにやらせてやってくれ」と答えた。足の状態はキューバ戦で悪化、第2戦からは欠場が続くが、仲間の打撃練習のトスを上げ、試合中は大きな声でチームを鼓舞している。
ダルビッシュ投手に「道連れにされた」と言う田中将大投手(19)(楽天)、阿部慎之助捕手(29)(巨人)、G・G・佐藤外野手(30)(西武)も丸刈り組。高校時代には丸刈りを“強制”され、抵抗感がある選手もいるはずだ。それでも1次リーグで2敗を喫し、必死の思いがプロのスター選手たちを丸刈りにさせた。
髪を切って勝てるわけではないが、星野監督は言う。「勝負で、一番大事なのは気持ちや」

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