たまたまチャンネルを回したら、NHKにカメラマン石川文洋が出てた。
俺はベトナム戦争を写した写真の中では、石川文洋の写真が一番好きだ。
誰の写真より生々しい。淀んだ空気と死臭が漂ってくる。
彼は一枚の写真を前にして語っていた。バラバラになったベトコンの死体を米兵が持ち上げてる写真。(写真参照)
世界で最もグロテスクでありながら、評価された報道写真だろう。
この写真をノーカットで放送したのは、当たり前の事だが評価したい。
ベトナム戦争真っ只中の1968年の雑誌『週刊読売 石川文洋写真集 従軍3年の記録 これがベトナム戦争だ!』では写真が下半分カットされている。
石川文洋のこんな言葉が印象的だった。
「残酷な写真ばかり撮ってと非難される事もあるが、戦争でそれを伝えないで、何を伝えるんだ。」と。
勿論、我々は一枚の写真や映像で世論操作されてはいけ無い。
それでも、CBSイブニングニュースは、ベトコンを処刑する映像で全米の世論を変えたんだ。
今、同じような写真が見たいなら、ネットで山ほど見られる。
が、悪趣味なグロ写真と報道写真の境界線は、はっきりと有るはずだ。


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