およそ1年弱ぶりの記事アップとなるので、一応読者の皆様に年変わりのご挨拶を。
今後も当分はこんな調子の半凍結状態が続くと思われますが、とりあえず今年もどうぞよろしくお願い致します。
そんな限定復活記事は、前回に引き続き、過去の時事話題について一言二言コメントしていくリハビリ企画の第二段。
話題チョイスも前回同様、共同通信社ウェブサイトより各年10大ニュースの特集記事を引用してのお送りとなる。
それにしても、「もう3年も経ったのか」と感じる出来事ばかり。時の経つのは早いものだというのは定型文に過ぎるが、いやはや……
◆2010年・国内10大ニュース
【1位】尖閣諸島で中国漁船が巡視船に衝突。ビデオ流出騒ぎも
ある意味で民主党政権と日本マスメディア界の“本質”を過不足なくクローズアップさせた事件。
前年度に日米『密約』の暴露をちまちま小出しにして胸を張っていた連中が、この事件直後から一気に『情報統制』を徹底的に行なうようになったのは失笑ものであった。また、マスメディアの対中国における報道姿勢への痛烈な問題提起ともなった感はある。
これに関連して中国でレアアースの輸出操作や日本企業の社員逮捕などが“偶然”立て続けに起こったこと等も含めて、中国の薄汚い正体を日本国民に周知する大きなきっかけにはなったものであろうか。
【2位】参院選挙で民主党が大敗。ねじれ国会に
そりゃあれだけ口だけ番長・自己保身・嘘つき・八方美人を体現し続けていればこうなるよな、としか。
別に他党が躍進したわけでなく、純粋なまでに民主党の低評価があらわになっただけのことである。この時点でもまだ「小沢一郎待望論」が根強く上がっていたのには首を傾げるばかりだが……政権取っていの一番にやった仕事が『自身の統括する幹事長室に陳情管理権限を一極化』だった銭ゲバ男──悪しき『角栄の(資金調達部門だけ)直弟子』に、みな何を期待していた(いる)のやら。
【3位】厚労省元局長に無罪判決。特捜検事らを証拠偽造で逮捕
いわゆる「郵便料金割引制度悪用事件」であるが、当初の事件の広がりからは「不正な金儲けをしてる官僚を叩け!」的な雰囲気が滲んでいたものの、最終的には検察サイドの組織的な証拠操作などが明らかとなり、犯罪チェック機能として重要な位置にある検察への不信が強まる一端となった。
【4位】普天間移設で日米合意。迷走の鳩山内閣は辞職し菅内閣誕生
悪い意味で一世を風靡した『トラスト・ミー』をはじめとして、国家を預かる重職とは到底思えぬ八方美人ぶりを遺憾なく発揮した鳩山氏。
ネット上では「民主政権総理vs野党時代の本人」の大自爆ブーメランバトルMAD動画などが次々に作られていく端緒となり、まさに民主党という政党自身、「お前が言うな」を体現し続ける稀有な自縄自縛集団と言えよう。
なお恐るべきは、当人達が2013年現在においてもそれを自覚さえしていないことである。羞恥心以前に身を律する想像力すら欠如しているとあっては、もはや自浄作用も期待などできないということだろうか。
【5位】宮崎県で口蹄疫の被害が拡大。全国を震撼
あわや日本の食用牛産業が崩壊する寸前まで行った大事件。
当時の農水大臣のあまりの無能・有害・独善ぶりを評して『赤松口蹄(皇帝)疫』とも称されたが、一時はまったく収束の気配がなく、国民・国家レベルの緊急時への想定とその対処ノウハウが不十分であることの警鐘として、重要な事件だったのかもしれない。
もちろん、この時点では翌年の『さらに大きな緊急事態』を予測さえできなかったわけであるが……
【6位】観測史上最高の猛暑。熱中症多発で死者も
この年の異様な暑さは今でも鮮明に覚えている。日常生活で日差しを物理的に「痛い」と感じたのは初めてだったし、水道の水も最初からお湯で出てくる始末。
暑さピークの時期に、予定を変えることなく運動会などやって生徒が続々倒れた学校もあったと記憶しているが、こういう異常気象にはきちんと優先順位をつけ、臨機応変に対処してもらいたいところである。すべては人類の武器たる「想像力」と「リスク管理意識の徹底」を磨くことから。
【7位】小惑星イトカワから「はやぶさ」が帰還
2003年5月に打ち上げられていた宇宙探査機「はやぶさ」が、多くの困難やトラブルを乗り越えて無事に地球へと帰還した。
暗いニュースばかりが目立っていた当時、「技術立国ニッポン」としての存在感も含めて久々の「無条件で喝采できる明るい話題」だったことも合わせ、メディアでも多く取り上げられたりエピソードが映画化されるなど、たくさんの注目を浴びる出来事となった。
宇宙開発については世界的に予算面で縮小傾向にあっただけに、これをきっかけに世界で宇宙科学への興味が再燃して将来へと繋がるようなら、かつて宇宙科学好き少年だった私個人としても嬉しいところ。
【8位】所在不明の高齢者が続々と判明。「無縁社会」も深刻に
きっかけは確か、年金受給対象者の所在不明が発覚したことによる詐欺としての案件だったと記憶しているが……事はそれだけに留まらず、日本各地で同様の「所在不明の高齢者」のケースが発見され、そのほとんどがすでに亡くなっている等、悲惨な現状が続々明らかになった。
年金不正受給という問題もさることながら、同時にこれは、地域共同体レベルでの関係希薄化──「無縁社会」の深刻化もまた示しているように思う。かつて核家族化やジェンダーフリー教育などにより進んでいた「家族単位というものの崩壊」が、社会弱者たる高齢者へのひずみとして現れたものなのではないだろうか。
【9位】ノーベル化学賞に根岸英一、鈴木章両氏
最近は1〜2年ごとに日本人受賞者が出ているような気がするくらいに、光景としては見慣れたものになってしまっているが……勿論、日本人としてに留まらず世界的にも偉業たる実績を残した方々への栄誉。ただただ尊敬と賞賛を送るばかりである。
受賞した化学技術は『有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング』というもので、文系だった私にはあまり馴染みのない知識方面ではあるが、この技術は(特許を取っていないこともあり)様々な分野で応用され、社会の役に立っているという。
古来より、政治・軍事・経済・科学、いずれについても「上は三流、中間は二流、末端は一流」と評される日本人であるが、両名もまた日本の公的機関からの支援は決して多くなく、自身の才覚と努力によって到達した栄誉といえる。「日本人の美点」であるとともに「日本の欠陥」と言われるこの状況にも、いずれよい意味での変化が成ることを願わずにはおれぬ。
【10位】15年ぶりの円高水準。政府は市場介入
この後、政権が再度交代するまで延々と日本を苦しめ続けた円高推移。
円高そのものには様々な思惑や要因があったためそれ自体を非難するものではないが、結局最後まで民主党政権はこの円高についてろくな対策も打たず、定見を持った意思表示も行なわなかった。
末期には首相やその近辺筋が堂々と「円高・デフレは庶民生活にプラスだ」と言い放って自己正当化する始末であった。つくづく悪夢のような政権であったが、高価極まる授業料ということで心を慰め、ただ思うのみである。
──過ち(政策を吟味せず、情報を捻じ曲げた形での政権交代)は、繰り返してはならぬと。
◆2010年・国際10大ニュース
本来は国際ニュースにも言及すべきところだが、諸事情により以下略とする。
一応、ニュース項目だけは列挙しておく(備忘含)。
【1位】北朝鮮の韓国砲撃などで朝鮮半島緊迫
【2位】チリ鉱山落盤事故。69日ぶり作業員33人全員を救助
【3位】北朝鮮の指導者金正日総書記の後継者に三男、金正恩氏
【4位】中国の国内総生産(GDP)、日本を抜き世界2位の経済大国に
【5位】欧州の財政危機。ギリシャからアイルランドに波及
【6位】中国の民主活動家、劉暁波氏にノーベル平和賞
【7位】米中間選挙で与党、民主党が敗北
【8位】通貨安競争が激化。先進国と新興国が対立
【9位】メキシコ湾の油井事故で原油が大量流出
【10位】中国の次期最高指導者に習近平氏

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