「Compliance Hazard on the Top of JAPAN」
時事ネタ
珍しい横文字的タイトルに、さほど深い意味はない。
日本語で「日本社会の上層における法遵守精神の崩壊」と書くのとどちらが冗長か、という判断のもと、特に理由無く選択したものに過ぎない。
日本語訳として「法遵守」という単語に当てはめられる「コンプライアンス」という言葉につき、その持つ意味をうまく伝達できない事から来る迷い、かもしれない。余談。
さて、すでにネット上では一大ニュースとしてその続報が注目されている「朝鮮総連本部・不正売買/登記変更問題」であるが、すでに地裁レベルでは負債による差し押さえ仮執行までもが担保される状況となった。
今後「差別だ」だの「民族弾圧だ」だの「右傾化だ」だのの非難が出てくる事とは思うが、なに、日本人を当事者とする取引であっても同じ事をすれば同じく不正を指摘され処分されるだけのことである。むしろここまで見逃され続けて来た事こそ温情であり、感謝してもらうべき筋ではあろう。
そちらはともかくとして……この事件に深く関わっていた二人の日本人が、題名の通りの懸念を日本国民に深く抱かせることとなったにつき、少し語ってみたい。
緒方重威・元公安調査庁長官。
土屋公献・元日本弁護士連合会会長。
そもそもの発端は、朝鮮総連が整理回収機構から求められていた657億円もの負債返済の不能という事態に対する強制執行、その実行を防ぐために総連サイドが仲介役の人物を通じて緒方元長官に「差し押さえを免れるための対策」として売買契約を持ちかけたという。
(アイディア自体が総連から出たのか仲介役から出たのかは不明)
また、その法的手続きの代理人として総連側に立つ人物が、土屋元日弁連会長である。
当初会見で、緒方元長官は「朝鮮総連側からの依頼で購入を引き受けた。一点の違法もない」と述べていたそうだが、売買が記録された日(5/31)を過ぎても支払能力があるかどうか、本当に資金が用意できるはずだったのかさえも判然としていなかった実態を考えれば、「結果として違法になる可能性が極めて高い」取引であった事は明らかである。
何より、真に正当な売買であるのならば「代金の受け渡しが確認されてから登記を変更」すれば済んだ話で、まず「強制執行逃れのための登記変更ありき」だった事もほぼ間違いないだろう。
(仲介人は「後からだとまともな登記が取れないかもしれなかったから」などと意味不明な釈明をしているらしいが、それこそ脱法意志の明確な証左である)
そして、総連代理人の土屋弁護士(元日弁連会長)も、仲介役を通してではあるにせよこの取引の法的手続きの一切を取り仕切っているわけで、「全く違法なことはしていない」などと語ってはいるものの、前述の理由により非常に疑わしい。
そもそも「あとで取引実態が作られればいいや」とばかりにさっさと登記を変更して、金が集まらぬと見るや元に戻す……このような行為をもし通常の不動産取引で行なえば、詐欺的行為として糾弾されても文句は言えまい。それとも、そのような不誠実な取引を日弁連は推奨していたりするのだろうか。
この両者に共通しているのは(土屋氏は過去にも「北朝鮮の拉致はなかった」と放言してきた人物であるが、それはここでは置いて)、何よりも、
「法の趣旨を理解し、これを遵守する」
という意識の限りなき欠如である。
「罪に問われる要件を満たさなければ何でもいいんだ」「ばれなければどんな脱法行為をしてもいいんだ」という意識が如実に見える。元・公安調査庁長官、元・日本弁護士連合会会長という社会的立場にあった人間をしてこのザマなのである。
昨今、子供を虐待する親やら級友を殺すまで追い詰める子供やらが多くなっているが、責任ある社会的上位者のモラルをしてこの体たらくでは、その下の規範が乱れるのは必然でもあろう。親は子の鏡であり、組織は上から腐るものである。
それに加えて許し難いのは、彼らが自らを「正義」「弱者の味方」と位置付けて恥じない所である。
緒方元長官曰く「在日朝鮮人はよりどころがなくなってしまう。だれかがやらなければならない」との事だが、彼らに拠り所を失わせたのは北朝鮮の愚かな指導者達であり、そもそも在日朝鮮人の99%は「朝鮮人富裕層の弾圧から逃れて」日本に豊かさを求めやってきた人々の子孫である。
総連が在日朝鮮人の権益を保護するどころか、テロに荷担したり税金逃れをしたりで朝鮮人の印象を悪く悪くしている自業自得でもある。それに、日本は在日朝鮮人に対して、民族保護としては世界でも例を見ない超特権を継続的に付与し続けている。
付与していないのは国籍に関するいくらかの権利だけであり、それは朝鮮人のルーツをそのままに「日本国民」になることをあくまで拒む以上、当然の事である。
緒方氏はいったい、何をどう勘違いして白馬の騎士を気取ろうとしたのだろうか。
一方で、土屋元日弁連会長などはオウム真理教への破防法適用に強硬に反対したり、今回に限らず北朝鮮に恒常的に協力的姿勢を貫いていたりと、「お前の良心はどの方向を向いているのだ」的な要素には事欠かない。
仮にも法曹組織のひとつ、その長を務めた経験さえある者が、国家的問題に際しては常に加害者=強者の側に立って被害者=弱者に立ち向かっている光景は、何とも気味の悪さを感じさせずにおかない。
彼らの「正義と良心」は、常に金正日と共にあるとでも言うのだろうか……
73歳に84歳、もはや「事の分別」どころか、職業を問わず人生そのものの「先達」たるべき存在であろう。
それをして「法律を守る」という意識がこれ程にまで薄い、その事は日本の中核にあるであろう同世代の人々の質を類推するにつけ、暗澹たる思いを抱かせる。
かつての敗戦から62年。緒方氏は当時11歳、土屋氏は22歳だった事になる。
緒方氏はまだしも、土屋氏は戦中すでに一定の分別を備えた「大人」だったはずである。それが、己の盲信する「正義」のためならば法律を掻い潜って利益を求める事さえ躊躇しないような人間へと歪んでしまったのは、一体何故なのか。
そういう「歪んだ」人間に限って、特定アジアの悪い面を見て見ぬ振りし、ひたすら日本を悪者に仕立て上げようとする(要するにサヨクな)思想の持ち主ばかりなのは何故なのか。
そこに因果関係があるのかはわからない。
偶然、社会的に高い立場にあった人間のうち立て続けに二人の「本性」が暴露された、というだけの事なのかもしれない。
だが、日本を蝕んでいる「害毒」の正体、その一端が少し明るみに出た事件なのではないか……私は、そう思わずにはおれない。

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