ポスト小泉の第2位につける、福田康夫元官房長官。
最近、今までになく政治的な活動を活発化させてきた彼の動きに、「いよいよ始動か」という見方が永田町で流れているようだ。
産経Web
「
“2代目福田首相”始動? 10日から訪米」
この記事の中で興味深い文節があったので、それの紹介を通して「父・福田赳夫元首相(故人)」との見比べを敢行してみたい。
というか、よくぞここまで「似た主張で正反対」な政治的立ち位置に立てるなと感心しきりなのだが。(苦笑)
「福田ドクトリン」。
かつて福田赳夫・元首相が対アジア外交において打ち出した原則であるが、その中身はこうである。
1.軍事大国とならず
東南アジアひいては世界の平和と繁栄に貢献
2.心と心の触れあう信頼関係の構築
3.ASEANの連帯と強靱性強化に協力し、
インドシナ諸国との相互理解の醸成により
東南アジア全域の平和と繁栄に寄与
そして、今や息子の福田康夫は「アジア重視」として中国・韓国などに「配慮」や「協調」の姿勢を強く推し進めている。
「さすが親子」……と言えぬ決定的な差が、実はここにある。
「軍事大国とならず」:
人件費が世界最高水準なため防衛費こそ高額に達するが、純粋な戦力量や対人口比率では中国や韓国にまったく及ばない。
また、国民の意識も「戦争なんてとんでもない」という意識が圧倒多数を占めており、まさに軍事大国とは対極の国家となった、と言えよう。
「東南アジアひいては世界の平和と繁栄に貢献」:
日本については上の通り。
しかし、中国はチベットや東トルキスタンを現在進行形で侵略・同化中であり、北朝鮮は現状まさに軍事独裁の犯罪国家、韓国も過去に無用なベトナム出兵で狼藉を働いたり、日本領土の軍事占領を現在も継続しているという点であまり平和的とは言えない。(竹島については、国際司法裁判所に持ち込めば済む話である)
日本がこれらの国々と「協調」するより、他のアジア諸国と「協調」してこれらの蛮行を「抑止」する方がよほど「平和と繁栄に貢献」すると思うが、福田(康)氏はそのあたりどう考えているのだろう。
「心と心の触れあう信頼関係の構築」:
日本の伝統的宗教形態のひとつである「神社への参拝」及び「戦没者への慰霊」について、何ら信仰を一にしていないにも関わらず「感情を害される」と反発する特定アジアの狭量性。
他の(日本侵攻を受けた経験のある)アジア諸国も軒並み過去の日本に対して「総合的には」好意的(こちらは「信頼関係」が構築されている)なのに対して、この精神的落差はいかなるものなのだろう。
いくら手を差し伸べても振り払われ、謝罪すれば下げた頭を足蹴にされ、ありもしない被害を次々と捏造したあげくに国際法すら無視する……困ったものである。
「ASEANの連帯と強靱性強化に協力」:
ASEAN諸国が中国の台頭を恐れて、日本に対抗馬としての役割を求めているのは有名な話である。(日本では報道されないが……)
この意味で、まさに「特定アジアに対して毅然たる態度を取り、五分に伍す」ことこそ、アジアの安定と関係強化に最善であると言えないだろうか?
「インドシナ諸国との相互理解の醸成」:
上に同じ。
というより、こちらの「アジアの国々」とは日本は極めて良好な関係を保っている。
「アジア外交の冷え込み」という単語が朝日新聞を始めとしたメディアに並ぶにつけ、「あなたのおっしゃるアジアってどの国のことかしら?」という櫻井よし子氏の名台詞がリフレインせずにおれない。
「東南アジア全域の平和と繁栄に寄与」:
これまた上に同じ。
むしろ特定アジアは「侵略」「民族浄化」「核兵器武装・軍事力強化」の三本柱を強力に推し進めており、日本を含む他の「アジア諸国」とは完全に一線を画していると言えよう。
福田赳夫元首相の慧眼と分析、今の時代にもまったく通用するところがすばらしい。
さあ、もう一度福田康夫氏に申し上げておこう。
「あなたのおっしゃるアジアって
どの国のことかしら?」
今回は手抜きながら、ここまで。

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