2020/2/12

「ストーンズ」呼称問題に思う  

先月CDデビューをしたジャニーズのアイドル・グループ、SixTONESについて、その読み方が「ストーンズ」であることから、ローリングストーンズ・ファンを中心に物議を醸しています。

まず、これまでネット上で見た範囲で、双方ファンの主張をざっくり整理するとこんな感じでしょうか?

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ローリングストーンズ・ファンの主張
・「ストーンズ(Stones)」はローリングストーンズの略称、愛称として長年定着
・「SixTONES」は元々結成時は「シックストーンズ」だったのに変更した
・「SixTONES」と書いて「ストーンズ」と読むのは無理がある
・ジャニーズ事務所がわざわざぶつけた乱暴な商法ではないか?
・メディアでは既に「ストーンズ」の呼称でローリングストーンズとSixTONESが混在してしまっている
・紛らわしいからやめてほしい

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SixTONESファンの主張
・SixTONESファンとローリングストーンズファンは全く別
・綴りも違う
・だから紛らわしくない
・ローリングストーンズの「ストーンズ」は略称に過ぎない
・ローリングストーンズが正式名称を使えば済む話ではないか
・名前が同じになったのは単なる偶然

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僕はストーンズの大ファンというほどでもないですが、立場としてはストーンズ側です。

今回の件について僕が思うに、「ストーンズ」は例え正式名称ではないにせよ、ローリングストーンズの略称として広く定着しており、それをあえて新グループの名称にしたジャニーズ事務所は非常識としか言いようがないと思います。

ローリングストーンズ・ファンとしては、言ってみれば、長年住み慣れた家に突如土足で入り込まれたような気持ちになる出来事です。

一方、ローリングストーンズなんて知らない多くのSixTONESファンは、変なロック・ファンが騒いだ挙句、自分の好きなグループが攻撃され不快、そういうことでしょう。この不幸なボタンの掛け違いを引き起こしたのは他でもないジャニーズ事務所だと思います。

これに限らず、既に使用されているバンド名をあえて使う行為は、紛らわしいし、気持ちのいいものではないのでやめてほしいと僕は思います。

この問題が話題になって真っ先に思い浮かんだのが斉藤和義と中村達也のユニット「MANNISH BOYS」でした。彼らのデビューは2011年ですが、それを遡ること7年、2004年から西海岸で全く同じ名前のブルース・バンドが活動しています。しかし、日本のMANNISH BOYSがデビューして以来、ネット検索をするとそちらばかりヒットするようになったので、非常に面倒なのです。西海岸のバンドの方に注目してきた僕としては、解せないものがありました。

今回の件は、ローリングストーンズの世界的な知名度から考えれば「知らなかった」「単なる偶然」はあり得ません。「シックストーンズ」を「ストーンズ」に変えようと言い出したのは、メンバーのインタビューによると、故ジャニー喜多川氏だったそうです。彼の真意はいまやわかりませんが、ローリングストーンズの知名度に便乗してSixTONESを売り出そうと考えたのでしょうか。やり方がせこいなという印象です。当初通り「シックストーンズ」にしておけば、こんな騒ぎにはなっていないのに。

一方、「stones」は英語で「石」を意味する一般名詞であり、ローリングストーンズの呼称として商標登録されているわけでもありません。カタカナ表記の「ストーンズ」が両者一致してしまうという問題はあるにせよ、法的に問題があるわけはなく、「感心しない」という以上のことは言えないのではないでしょうか。

更に言えば、「ローリングストーンズ」という名前もマディ・ウォーターズの曲名から拝借したものであることは周知の事実です。SixTONESとジャニーズ事務所ばかり泥棒扱いするのも僕は公平とは思えません。

ローリングストーンズ・ファンにとっては気持ちよくない状況ですが、この一件によってローリングストーンズの功績が否定されるものでもないですし、この問題は、結局ジャニーズ事務所の良識に任せるしかないだろうと僕は思います。

本件についてジャニーズ事務所は知らんぷりな状況ですが、一度率直な見解を発表して、ローリングストーンズへの敬意を示したらすっきり収まると思うのですが、どうでしょうか。

少なくともローリングストーンズは、デビュー以来マディ・ウォーターズに対し敬意を表し続けて来ています。ジャニーズ事務所もそれくらいして当然だろうと思いますが、違いますか?それとも「知らなかった」とでも言うのでしょうか?


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[2020/2/17追記]
若干の補足です。「『stones』はローリングストーンズの呼称として商標登録されていない」と書きましたが、「Rolling Stones」としてはオランダのMusidor B.V.によって国際的な商標登録が複数されており、そのうちの一つの中に「称呼」として「ストーンズ」と記載されています。
国際登録1478291
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-1478291-20181130/76F2949E187CCC3B366C50317A9023C17B0DFB183883CA1488248E59809AA8E7/49/ja
ただ「stones」あるいは「ストーンズ」はあくまでも略称、愛称であって、この形ではバンド側から正式に商標登録されていないというのは事実のようです。


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[2020/2/26追記]
「Rolling Stones(ローリングストーンズ)」という名称が商標登録されている場合、その略称である「Stones(ストーンズ)」は権利の対象になるのか?

対象になるだろうという意見もあるようですが、僕は対象にはならないと思っています。

「Rolling Stones(ローリングストーンズ)」については、審査中のものも含め現在4件の商標登録がありますが、「ストーンズ」が含まれているのは現在審査中の国際登録14782911件のみであり、それも「称呼(参考情報)」の中に記されているにすぎません。「称呼(参考情報)」は記載通りあくまでも参考情報であり、権利の対象ではありません。(参考ページ 商標の読み方は指定はできない https://hatsumei-plus.jp/column/5672/

「Stones(ストーンズ)」に商標としての権利を発生させるためには別個「Stones(ストーンズ)」で商標登録する必要があります。しかし、僕が調べる限りそのような登録はありません。(見落としているようでしたらご指摘ください。)

「Stones(ストーンズ)」という言葉を含む商標登録はローリングストーンズ以外にも多々あり、僕が思うに「Stones(ストーンズ)」だけで商標登録するのは難しいでしょう。(恐らく出願しても認められない)

なのでこの問題を法的措置に持ち込むのは現実的ではなく、僕の当初の結論「結局ジャニーズ事務所の良識に任せるしかない」は間違っていないと思います。

もう一つ、略称の商標登録について参考となるページを貼っておきます。
略称の商標登録(NNRニューズレター)
https://namae.co.jp/news/news_149.htm

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