2017/11/20

シャーマン・ホームズ・プロジェクト  ブルース

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ホームズ・ブラザーズのベーシスト、シャーマン・ホームズ、78歳にして今年、初の自己名義の作品をリリースしました。これが期待以上のいい内容だったので、紹介したいと思います。

ホームズ・ブラザーズと言えばゴスペルを基調としながらもブルースはもちろん、ロック、カントリー、ソウルなど、様々な音楽の要素を盛り込み、力強いサウンドを築き上げて来たベテランのトリオ。シャーマンは本作で、その精神を引き継ぎつつも、アコースティックをベースにしたよりトラディショナルなサウンドを展開しています。

1970年代に兄シャーマンと弟でギター/ピアノのウェンデルのホームズ兄弟がドラマーのポプシーと結成したホームズ・ブラザーズ。1990年、ラウンダーよりアルバム「In The Spirit」でデビュー。以後11枚にのぼるアルバムをリリースし、2002年には来日公演も行いました。

しかし、2015年にポプシーとウェンデルが相次いで亡くなり、残るは最年長のシャーマンのみとなってしまいました。ホームズ・ブラザーズとしての活動には終止符を打たざるを得なかった訳ですが、シャーマンはグループの精神を引き継ぎ、「シャーマン・ホームズ・プロジェクト」として活動を続行することを表明しました。

ホームズ・ブラザーズではフロントを務めていたのはウェンデルで、どちらかというと縁の下の力持ち的な役回りだったシャーマン。どんな作品ができるのか興味津々でしたが、落ち着いた雰囲気ながら味わい深い作品となっています。

ブラザーズでは、シャーマンはヴォーカルもリードは少なく、主に3人のハーモニーの中で低音を担当していましたが、今回はリード・ヴォーカルなので、また違ったおもむきです。

冒頭を飾るのはホームズ・ブラザーズでも取り上げていたスピリチュアル、"Rock of Ages"。フィドルも入れた演奏はホームズ・ブラザーズ以上に生き生きとしています。本作ではフィドルに加え、マンドリンやバンジョー、ドブロ・ギターなども入れたサウンドを展開していて、これがブルーグラスやカントリーのフレーバーを添え、サウンドに深みを与えています。ザ・バンドにも通ずるアメリカーナ・サウンドなのです。

しかしそれだけでは終わりません。トラディショナル的なものだけではなく、"Don't Do It" ("Baby Don't You Do It")、"Breaking Up Somebody's Home"といったR&Bの名曲や、CCRの"Green River"まで飛び出すあたりはホームズ・ブラザーズに通ずるものを感じます。かの有名なソウル・バラード”Dark End of the Street”ではゲストにジョーン・オズボーンが参加。渋いデュエットで聴かせます。ジョーンはホームズ・ブラザーズがレコード・デビューする前からの旧知の仲で息もぴったり。沁みます。最高です。

ぐっとモダンなゴスペル”Wide River”は、朗々と歌い上げるシャーマンのヴォーカルが力強く響きます。一方、”White Dove”(スタンリー・ブラザーズのカヴァー)はカントリー・ワルツ。故郷ヴァージニアを歌った内容に哀愁を感じさせます。

聴き込むほどに馴染んでくる名作だと思います。シャーマンにはこれからも元気でいてもらって、ウェンデルとポプシーの分も頑張ってもらいたいです。

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SHERMAN HOLMES PROJECT
The Richmond Sessions
(M.C. Records MC-0082)

1. Rock Of Ages (Traditional)
2. Liza Jane (Vince Gill)
3. Don't Do It (Holland, Dozier, Holland)
4. I Want Jesus (Traditional)
5. Breaking Up Somebody's Home (Al Jackson Jr., Timothy Matthews)
6. Dark End Of The Street (Chips Moman, Dan Penn)
7. Lonesome Pines (Jim Lauderdale)
8. Green River (John Fogerty)
9. Wide River (Traditional)
10. White Dove (Carter Stanley)
11. Homeless Child (Ben Harper)

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レコーディングの様子を記録した動画


Breaking Up Somebody's Home
(Music City Roots Live From the Factory on 8.02.2017)

アコースティック弦楽器(スライド、マンドリン、アコギ)のプレイが素晴らしいです。
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