2013/5/28

ベティ・ラヴェット来日公演レポート  R&B/ソウル

圧巻。あの場にいた人は皆そう思ったのではないでしょうか。渾身の歌声とはこういうものを言うんたなと思わせるライブでした。

思えば2008年、来日が決まったものの苗場のフジロックで一夜限りの公演。非常に残念に思ったものでした。あれから5年、遂に実現した大阪と東京公演。最終公演となる5月25日の2部を見ました。

実は、僕は2008年にニューオーリンズのジャズフェスで彼女のライブを見ているのですが、そのときは他のステージと見たいものが重なっていたため、少ししか見ることができませんでした。しかし、それでもインパクトは充分。いつかじっくりフルで見たいと思っていたのでした。

どの曲をやっても自分の個性で染める。聴いていても、それがソウルなのか、ロックなのか、そんなことはどうでもいい。あえて言うなら全てベティ・ラヴェットと言うひとつのジャンルのように聞こえました。

この日はフリーの"The Stealer "からスタート。ハードにロックしつつ、歌声はとてもソウルフル。2010年にブリティッシュ・ロックのソングブックを発表した彼女ですが、この曲をレコーディングしたのは1972年。ロックへのクロスオーバーは、にわかな思いつきではないのですよね。

3曲目ではジョージ・ハリソンの"Isn't It A Pity"を熱唱。このときのバックの演奏はとても抑え気味でシンプル。全体的に見てもその傾向が強く、とても印象に残りました。ベティの歌を聴かせるための演奏ということなのでしょう。音量も小さめでベティの歌を際立たせているので、彼女の歌が途切れると一瞬、しーんとなるほどでした。

新しめな選曲が多い中、珍しいところでは1962年のデビュー曲"My Man - He's A Lovin' Man"をやりました。ベティも「これはあまりやらない曲」と言っていましたよ。

この日のハイライトは、床に座禅を組むように座って歌った"Souvenirs"でした。人生の中で時とともに失われて行く思い出をお土産にみたてたこの曲。ベティはしっとりと、かつ力強く歌い上げました。これをレコーディングした40年前では表現出来なかった「今だから」の重みがあったように思います。

"Close As I'll Get To Heaven"の途中、開演から1時間が経った頃、歌いながらステージを降り楽屋に消えたベティ。もう、これで終わりか?そう思いましたが、曲が終わる前に再び登場。観客が立ち上がり拍手で彼女を迎える中、曲を締めると、間髪入れず"Sleep To Dream"へ。曲の途中で、バンド・メンバーが一人一人ステージを降り、終わったときにはベティ一人だけに。

そのような演出も手伝い、客席は大歓声に包まれました。鳴り止まない拍手に感極まった表情で応えるベティ。おもむろにアカペラで"I Do Not Want I Haven't Got"を歌い、さっとマイクを床に置きステージを降り、約75分のライブは終了。長くはなかったけど、充分満足感のある内容でした。

1部は随分曲目が違ったようです。ベティは「全ての時代から少しずつやる」言ってましたが、今を除けば一番充実していたシルバーフォックス・レーベルの曲はなし。でも、やる曲は何でもいいんです。何をやっても、ベティ印なんですから。

いずれにせよ、こんな力の入ったライブを1日2セットもやるなんて、それだけですげーなと正直言って思いましたよ。

今回は日本での日程はかなり駆け足だったようですが、次回もっとゆっくり来てくれたらななんて思います。

最後に興味深かったベティの発言を。レイ・チャールズの"They Call It Love"をやる前にこう言ったのです。「私は、シンガーというよりはどちらかと言うと解釈者(interpreter)。シンガーとしては誰が好きなのか?とよく訊かれる」と。その答えは「レイ・チャールズ」だそうです。確かに彼女のカバー曲の解釈は秀逸だとは思うけど、シンガーというよりは…には、正直驚きました。これだけの歌を聴かせて…ねぇ。

Bettye LaVette
Billboard Live Tokyo
May 25, 2013
2nd Set
19:10 - 20:25

[Setlist]
1. The Stealer
2. I Still Want To Be Your Baby (Take Me Like I Am)
3. Isn't It A Pity
4. They Call It Love
5. Nights In White Satin
6. Yesterday Is Here
7. My Man - He's A Lovin' Man
8. Souvenirs
9. I'm Tired
10. Love Reign O'er Me
11. Close As I'll Get To Heaven
12. Sleep To Dream
13. I Do Not Want I Haven't Got

[Personnel]
Bettye LaVette - vocals
Alan Hill - keyboards, musical director
Brett Lucas - guitar
James Simonson - bass
Darryl Pierce - drums

【参考】1部のセットリスト(情報提供:吉岡正晴さん
Bettye LaVette Setlist @ Billboard Live Tokyo, May 25, 2013 – first set

Show started 18:11
01. The Word
02. Take Me Like I Am (Still Want to Be Your Baby)
03. Choices
04. Everybody Knows This Is Nowhere
05. Heart Of Gold [Neil Young]
06. The Last Time
07. Everything Is Broken [Bob Dylan]
08. Love Reign O'er Me
09. I’m Tired
10. Heaven
11. Sleep To Dreams
Enc. (A capella) I Do Not Want What I Have Not Got [Sinead O’Conor]
Show ended 19:11
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ベティ・ラヴェット来日公演日程
2013年5月24日(金) ビルボードライブ大阪 18:30/21:30
2013年5月25日(土) ビルボードライブ東京 18:00/21:00
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=8456&shop=2
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=8455&shop=1
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