2019/6/11

訃報: Dr. John 1941-2019  ニューオーリンズ

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Dr. John at New Orleans Jazz & Heritage Festival, 2006
Photo by Masahiro Sumori. All rights reserved.

ニューオーリンズ・ピアノの第一人者として半世紀以上にわたって活躍を続けたドクター・ジョン(本名:マルコム・レベナック)が6月6日早朝、亡くなったそうです。1941年11月20日生まれなので、77歳だったということになります。ここ1年半以上公の場に姿を現さず、ほぼ毎年参加していたニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバル(ジャズフェス)にも、去年と今年は出演していませんでした。来日も2013年を最後になかったので、心配しておりましたが、残念でなりません。

1972年のアルバム「Dr. John’s Gumbo」を聴いてニューオーリンズの音楽に興味を持ったという人が多いのではないかと思います。僕もそうでした。あの作品はプロフェッサー・ロングヘアやヒューイ・スミス、アール・キングなど、ニューオーリンズR&Bのおいしいところを紹介するバイブルのような作品としてファンに愛されています。その続編的な内容の「Goin’ Back To New Orleans」(1992年)では更にニューオーリンズ音楽を広く深く掘り、描きだしてくれました。

若い頃から麻薬に手を出していたこともあり、健康的なイメージはありませんでしたが、特に90年代以降は2年に一度くらいのペースで新譜も出し、来日も度々するなど精力的な活動を続けていました。近年のアルバムでもザ・ブラック・キーズのダン・オーバックをプロデューサーに迎え新たなサウンドを展開した「Locked Down」(2012年)、大胆な解釈でルイ・アームストロングの楽曲を演奏した「Ske-Dat-De-Dat: The Spirit of Satch」(2014年)など、創作意欲が衰えなかったのはすごいことだと思います。ライヴでも毎回セットリストを変えてくるなど、何が出てくるかわからないワクワク感がありました。毎回ベスト・ヒット的な同じ内容を繰り返した方が楽だっただろうと思いますが、そうはしない拘りを感じさせてくれました。

ドクター・ジョンは1950年代後半、まだ10代の頃からプロデューサー、セッション・ギタリストと働き始め、またマック・レベナック名義で自分のシングルもリリースするようになりました。しかし、1960年代に入ってから銃撃事故により左手薬指を負傷し、ピアノに転向したのでした。しかし、元々ギタリストだったこともあり、ライヴでは近年も時々味のあるギターも披露していました。プロフェッサー・ロングヘアのラスト作「Crawfish Fiesta」ではギタリストとして全面参加しています。

1968年、芸名Dr. Johnを名乗り、ヴードゥー教の色彩を押し出したアルバム「Gris-Gris」でアルバム・デビューを果たします。1972年には前述の「Dr. John’s Gumbo」をリリース、ついで「In the Right Place」(1973年)、「Desitively Bonnaroo」(1974年)と名作を相次いでリリースしました。

1984年には初来日。以後は数年に一度のペースで来日を重ねています。後年はビルボードライブでのクラブギグで2010年、2012年、2013年と続けて来日していましたが、2013年が最後となってしまいました。

アルバムも5年ほど出していなかったのですが、どうやら生前新作のレコーディングを進めていた様です。恐らく、近いうちにリリースとなるのでしょう。期待したいですね。

ドクター・ジョンが亡くなったというニュースは、すごくショッキングなことでした。ある程度想定できたことではありますが、彼の存在はあまりにも大きく、心にぽっかり穴があいてしまった様な喪失感を味わっています。そう感じているのは僕だけではないでしょう。

ニューオーリンズでは彼が亡くなった翌日に、セカンドライン・パレードが盛大に行われています。また、WWOZ-FMでは、ずっと彼の音源を流し続けました。



きっと、来年のジャズフェスはドクター・ジョン祭りになるのでしょうね。マック、素晴らしい音楽を本当にありがとう!安らかにお眠りください。

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過去の来日レポート
【2012年来日時】
Dr. John @ Billboard Live東京セットリスト (2012/2/16)
http://black.ap.teacup.com/sumori/990.html

Dr.ジョン2012年来日公演セットリストまとめ (2012/2/17)
http://black.ap.teacup.com/sumori/993.html

【2010年来日時】
Dr. John@Billboard Live Tokyoライブ・レポート (2010/10/21)
http://black.ap.teacup.com/sumori/488.html

ドクター・ジョン来日公演セットリストまとめ (2010/10/25)
http://black.ap.teacup.com/sumori/494.html

【2005年来日時】
ドクタージョン@ブルーノート東京 (2005/9/17)
http://black.ap.teacup.com/sumori/10.html

ドクタージョンも出席したハリケーン・エイド・ジャパン記者会見の様子 (2005/9/21)
http://black.ap.teacup.com/sumori/13.html

その他ドクター・ジョンに関する書き込み
おさるのジョージ (2008/11/2)
https://black.ap.teacup.com/sumori/188.html

ドクター・ジョンはどうしているんでしょう? (2018/12/28)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1815.html
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2019/6/6

ジャズフェス50周年CDセット  ニューオーリンズ

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今年はニューオーリンズのジャズ&ヘリテッジ・フェスティバル(通称:ジャズフェス)が50周年を迎えました。ヘッドライナーとして満を持してブッキングしたローリングストーンズがドタキャンするという事件もありましたが、盛大に開催されたようです。

この50周年の記念すべき年に合わせて、すごいCDが出ました。5枚組の豪華セットその名も「Jazz Fest: The New Orleans Jazz & Heritage Festival」です。リリース元は数多くの歴史的音源を記録し、リリースし続けている名門スミソニアン・フォークウェイズ。音源はジャズフェス主催者の秘蔵音源を始め、地元ラジオ局WWOZが放送用に記録した音源、ジャズフェスにプロデューサーとして関わってきたマイケル・マーフィー氏のコレクションなどから選曲されています。

基本的にどれも正式にCDとしてリリースとなるのは初となる音源です。(Munckmix販売のCD-R、ダウンロード販売音源を除く。またディーコン・ジョンのトラックは彼のライヴ・アルバム「Live At The 1994 New Orleans Jazz Fest」の音源と同じものです。)

収録は53トラックで時間にして5時間以上というボリューム。まあ、毎年7〜8日間に渡り10以上のステージでライヴが同時進行するフェスですから、それでもほんの一部ではありますが、あのフェス会場の雰囲気がムンムン伝わってきます。古いものでは1974年から最近では2016年まで、その長い歴史を俯瞰する内容です。

「ジャズフェス」と言いながらもありとあるゆる音楽が繰り広げられるフェスですが、このCDの特色の一つは、まず収録されているのが原則的に地元ニューオーリンズ、ルイジアナのアーティストに限定されていること。毎年、世界的な大物がメインステージに登場しますが、そういう人たちは収録されていません。もともとルイジアナの文化のショーケース的なお祭りなので、それは自然なことだろうと思います。大物たちの多くは他でも聴く機会は多いですし。

例外として、アラン・トゥーサンとの共演が収録されているボニー・レイットと、テキサスのマーシャ・ボールが収録されてはいますが、どちらもジャズフェスではお馴染みの人たち。マーシャは毎年ジャズフェスに必ず出演している定番ですし、音楽的にもルイジアナの人と言っても全くおかしくはないので違和感はありません。

ルイジアナのアーティストに限定してもサウンドは様々なのですが、ディスク4にザディコ、ケイジャン系の人がまとめられているなど、ある程度ジャンル別に分けられた編集となっているので、散漫な感じはしません。

パッケージはLPサイズのハードカバー本のような体裁で、すごく豪華。大きさがわかりやすいように1976年のジャズフェスCDと並べて写真を撮ってみました。ブックレットが別になってはいないので、ページが重くてめくりにくいのが難ですが、写真も満載で見ごたえがありますよ。

それぞれのトラックが何年のフェスのレコーディングなのか、ブックレットには詳細な記載があるのですが、一覧にはなっておらずわかりにくいので、以下書き出してみました。更なら詳細はPDFも作りましたので、よかったらご活用くださいね。

個々のトラックについてはあれこれここで言い出したらきりがないですが、ワイルドマグノリアスの初期の音源やダニー・バーカーの晩年の音源など、聴きごたえのある貴重音源満載です。ひとつだけ残念なことがあると言えば、エディ・ボーが収録されていないことでしょうか。定番アーティストだけでも相当たくさんいるので全てを収録するのは無理なのはわかっていますが、それでもエディ・ボーはジャズフェスを彩ってきたキーとなる人なので、他を押しのけてでも入れるべきだったと思うのです。ネヴィル・ブラザーズやアラン・トゥーサンなどが複数収録されているのを見ると一層そう思います。音源は多々あるはず。

でも、このCDは十分入手する価値ありです。いやニューオーリンズ、ルイジアナ好きは入手しなければならないものだと思います。ぜひぜひぜひ!としつこいくらいプッシュしたいと思います。

かつてNHKのBSによるジャズフェスの放送を通じてフェスに興味を持つ人が多かったのと同様に、このCDを聴いてフェスやルイジアナの音楽に興味を持つ人が出てくれば嬉しいことです。また、既にフェスに行ったことがある人は、自分が見ていたライヴが収録されているか、チェックして楽しむもよしです。

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JAZZ FEST: THE NEW ORLEANS JAZZ & HERITAGE FESTIVAL
(Smithonian Folkways SFW40250)
Release date: May 10, 2019
Track listing with recorded years

Disc 1 (length - 01:01:29)
1. The Golden Eagles - Indian Red (1994)
2. Larry McKinley - Welcome to the New Orleans Jazz and Heritage Festival
3. Trombone Shorty - One Night Only (The March) (2010)
4. Donald Harrison, Jr. - Free to Be (1999)
5. Danny Barker - Basin Street Blues (1992)
6. Terence Blanchard - A Streetcar Named Desire (2000)
7. Kermit Ruffins Big Band - Royal Garden Blues (1993)
8, Champion Jack Dupree featuring Allen Toussaint - Bring Me Flowers While I’m Living / Rub a Little Boogie (1990)
9 . George Wein and the Newport All-Stars - Back Home Again in Indiana (2003)
10. John Boutte - Louisiana 1927 (2006)

Disc 2 (length - 00:59:19)
1. Allen Toussaint - Yes We Can Can (2009)
2. Earl King - Trick Bag (1974)
3. Irma Thomas - Ruler of My Heart (1974)
4. Snooks Eaglin - Dizzy Miss Lizzy (1994)
5. Clarence "Frogman" Henry - Ain’t Got No Home (1998)
6. The White Eagles - Big Chief Got the Golden Crown (1988)
7. Professor Longhair - Big Chief (1974)
8. Dixie Cups - Iko Iko / Brother John / Saints Go Marching In (2010)
9. Marcia Ball - Red Beans (2007)
10. Dr. John - Litanie des Saints / Gris-Gris Gumbo Ya Ya / I Walk on Gilded Splinters (2001)

Disc 3 (length - 01:09:27)
1. Ray Hackett - How Ya Gonna Clap?
2. The Dirty Dozen Brass Band - Blackbird Special (2004)
3. Henry Butler Group - Hey Now Baby (1976)
4. Germaine Bazzle and Red Tyler Quintet - Secret Love (1993)
5. Al Belletto Big Band - Jazznocracy (2000)
6. Original Liberty Jazz Band featuring Dr. Michael White - Summertime (2002)
7. Preservation Hall Jazz Band - My Bucket’s Got a Hole in It (2015)
8. The Zion Harmonizers - I Want to Be at That Meeting / Golden Gate Gospel Train (1976)
9. Irma Thomas - Old Rugged Cross (2007)
10. Raymond Myles and The Gospel Soul Children - Can’t Nobody Do Me Like Jesus (1994)
11,. Johnson Extension - I Can Go to God in Prayers (2001)

Disc 4 (length - 01:08:27)
1. Buckwheat Zydeco - Hard to Stop (2003)
2. Boozoo Chavis - Paper in My Shoe (2000)
3. The Savoy Family Cajun Band - Midland Two-Step (2013)
4. Bruce Daigrepont - Disco et Fais Do-Do (2000)
5. Beausoleil - Recherche d’Acadie (1999)
6. The Neville Brothers - Yellow Moon (2001)
7. John Campbell - When the Levee Breaks (1993)
8. John Mooney - It Don’t Mean a Doggone Thing (1998)
9. Kenny Neal - Starlight Diamond / Jimmy Reed Medley: You Don’t Have to Go / Baby, What You Want Me to Do / Going to New York / Honest I Do (2013)
10. Allen Toussaint and Bonnie Raitt - What Is Success (2000)
11. Tommy Ridgley - Double-Eyed Whammy (1998)

Disc 5 (length - 01:00:46)
1. funky Meters - Fire on the Bayou (2010)
2. Clarence “Gatemouth” Brown - Take the "A" Train (2000)
3. Walter “Wolfman” Washington - Blue Moon Rising (1994)
4. Deacon John - Happy Home (1994)
5. Larry McKinley - Rain alert
6. Sonny Landreth - Blue Tarp Blues (2009)
7. Anders Osborne - Back on Dumaine (2007)
8. The Subdudes - Thorn in Her Side (2008)
9. Big Freedia - N.O. Bounce (2016)
10. Wild Magnolias - Smoke My Peace Pipe (1974)
11. The Neville Brothers - Amazing Grace / One Love (2001)

詳細なトラックリスティング (PDF)
2

2019/6/5

Wild Chillun、レコ発ライヴ@高円寺JIROKICHI  ロック

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富山の木こりブルースマンとして人気を博すW.C.カラスが、2016年にギタリスト/シンガーのChihanaと結成したロック・バンド、Wild Chillun (通称ワイチル)。これまでも、両者のソロ公演と並行してライヴ活動を行っていましたが、2019年に入ってファースト・アルバム「Rock And Roll Fantasy」(P-ヴァイン)をリリース。春先からリリースに合わせたツアーを開始しました。東京では5月17日(金)、高円寺のJIROKICHIでゲストにKOTEZを入れて、レコ発ライヴを敢行しました。

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僕はこれまで両者を個別に見たことはありましたが、実はワイチルを見るのはこのときが初めて。ショーマンシップ溢れる、ギンギンのロックンロール・ショーでした。レコ発ライヴだけあって、新譜の曲は全曲披露。それに加え、カラス、Chihanaのソロ・レパートリーもやりました。”軍手の煮びたし”、”うどん屋で泣いた”など、カラスのレパートリーも、このバンドでやると新しい息吹が込められ、はち切れんばかりのパワーで溢れていました。ワイチルの新譜にもカラスのソロ・ナンバーのリメイクが4曲入っていますが、それらと同様に生まれ変わっていたと思います。

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豹柄の衣装に身を包んだカラスはピコ太郎かと見間違いましたが(あっ、そんなことはない?w)、ギターを置きスタンドアップ・シンガー的に歌い出すと、まるでソウル・ショー。先にカラスがTwitterにカラオケで狂ったように熱唱する”Piece of My Heart”の動画をあげていて、ただのおふざけかと思っていましたが、この日しっかり熱唱していましたw。

先日亡くなった遠藤ミチロウの"Just Like A Boy"を歌った際は、生前カラスが何度もミチロウさんに会っていたのに全然覚えてもらえなかったという逸話も披露。ミチロウさんの共演者でもあった岡本雅彦さんが「今度カラスとバンドを始めたんですよ」と言ったら、ミチロウさんは「???」だったとかw。「CDも渡したんだけど、聴いてもらえてないでしょうね」とお客さんの笑いを取っていました。

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ゲスト扱いのKotezも3曲目から早々に登場し、最後まで一緒に演奏していました。もはやゲストというより、レギュラー・メンバーのようでしたが、それは彼がワイチルが繰り出す曲に違和感なく溶け込んだプレイを展開していたからこそ。”うどん屋で泣いた”で梅津和時(sax)がプレイしていた旋律をハーモニカでやったのもよかったです。登場して最初の2曲は、Kotezがヴォーカルを取るリトル・ウォルター、スリム・ハーポのブルースで、ゲストとしての存在感もばっちり。

またこの数日後が誕生日だったカラスのために、ケーキを用意してみんなでハッピー・バースデイを歌う一幕も。

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賑やかにパワフルな演奏を展開したワイチルでしたが、決して奇をてらったことはやっていない。根底にあるのはシンプルで踊れるロックンロールです。これまでカラス、Chihanaを聴いてきたファンならば、違和感なく受け入れられるのではないでしょうか。

この日のJIROKICHI超満員で、レコ発ライヴだけあって終演後もサイン会で大賑わいでした。

今後、ワイチルはJIROKICHIでのライヴをゲストを入れた形で定例化するそうです。今後の予定は、6月15日(土)、ゲスト:リクオ(pf.)、7月26日(金)はゲストにうつみようこ(vo, g)を迎えて行うそうです。これも面白そうな取り合わせですね。

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Wild Chillun
Rock And Roll Fantasyレコ発ライヴ
高円寺Jirokichi
Friday, May 17, 2019

1st set (19:35-20:18)
1. 獄つなぎのアニマル
2. Miles Away
3. I Just Keep Lovin’ Her (Kotez-vocals)
4. Raining In My Heart (Kotez-vocals)
5. ビターな気分で踊ろうぜ
6. 不眠の犬
7. Ace
8. 逆説のBlues

2nd set (20:43-21:50)
9. うどん屋で泣いた
10. バナナ
(Happy Birthday)
11. What Is Heaven?
12. Piece of My Heart
13. Just Like A Boy
14. Asphalt
15. 軍手の煮びたし
16. Rock & Roll Fantasy
-encore-
17. 今日も何とか切り抜けられた
18. Marvelous

[Personnel]
W.C.カラス - vocals, guitars
Chihana - guitars, vocals
岡本雅彦 - bass
宮坂哲生 - drums
with special guest:
Kotez - harmonica, vocals

【公式サイト】
WILD CHILLUN https://www.facebook.com/wildchillun/
W.C.カラス https://www.wckarasu.com/
Chihana http://www.chihana.org/

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𝐖𝐈𝐋𝐃 𝐂𝐇𝐈𝐋𝐋𝐔𝐍 𝐃𝐞𝐛𝐮𝐭 𝐚𝐥𝐛𝐮𝐦 "𝐑𝐨𝐜𝐤&𝐑𝐨𝐥𝐥 𝐅𝐚𝐧𝐭𝐚𝐬𝐲"
𝟐𝟎𝟏𝟗.𝟎𝟒.𝟐𝟒 𝐎𝐔𝐓

1.Rock&Roll Fantasy
2.獄つなぎのアニマル
3.Miles Away
4.What Is Heaven?
5.不眠の犬
6.ビターな気分で踊ろうぜ
7.Asphalt
8.逆説のBlues
9.今日も何とか切り抜けられた
10.Marvelous

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2019/5/29

Sugar Brown荻窪ルースター公演レポート(2019.5.19)  ブルース

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ちょっと時間が空いてしまいましたが、シュガーブラウン(ケン・カワシマ)の来日公演は西日本を巡ったあと、東京に戻り5月19日(日)の荻窪ルースターでフィナーレとなりました。

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Kotez(左)とシュガーブラウン

ツアー初日のブライトブラウンとは、バンド編成が変わり、同じ曲をやってもこうも変わるのか!と唸らされました。

この日は新作収録のアップテンポのオリジナル"Hummingbird"から勢い良くスタートし、1時間超えのセットをたっぷり二つやりました。

ファーストセットは、シュガーブラウンは全曲ギターを弾き、ブライトブラウンではジミー・リードばりのナチュラル・トーンのハープを聴かせていた"Burn It Down"もここではギター。

やっぱりKotezが入ったので今日はハープは吹かないんだな、なんて思っていたのですが、セカンドでは冒頭で"My Babe"をKotezとのダブルハープで披露。また終盤になってブライトブラウンでもやっていたオリジナル"Not on the Telephone”をLeeちゃんとピアノに並んで連弾するという見せ場も作りました。しかもそれだけでなく、この曲の途中からシュガーブラウンは、ピアノに向かったままハープも吹くという…。ちょっと欲張りすぎじゃないですか(笑)。

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Leeちゃんとのピアノ連弾


力強く躍動感あふれるサウンドを全編にわたり展開してくれて、満足でした。満席だったお客さんも大いに沸いていましたよ。根底にあるのはシカゴ・ブルースですが、彼の世界はR.L.バーンサイドのようなミシシッピのドロドロしたサウンドや戦前のシティ・ブルースまで、独自の視点で音の広がりを感じさせてくれました。

ブライトブラウンでは以前のレコーディングメンバーが久々に揃いましたが、このルースター公演では、25年前からの旧友Kotezとの再会に二人とも嬉しそうでした。

シュガーブラウンは来年も来日を考えているようで、ぜひそれも実現させて欲しいですね。今回シュガーブラウンにとって多くの旧友との再会と同時に新しいつながりも構築できたようです。次回のツアーが実現したら、それをいかした展開になるといいですね。

なお、僕は、ツアー開始前にシュガーブラウンにインタビューをさせてもらいました。6月25日発売のブルース&ソウル・レコーズ誌に掲載予定ですので、よかったら読んでくださいね。生まれ育った家庭環境のこと、シカゴでほんまもんのブルースに出会った際のこと、オリジナルブルースを歌うことへのこだわりなど、色々語ってくれて、彼のブルースに向き合う真剣な姿勢が伝わってきました。

以下ルースターのセットリストです。

Sugar Brown
Ogikubo Rooster
Sun., May 19, 2019

1st set (20:05-21:10)
1. Hummingbird
2. Howlin’ for My Baby (Howlin’ Wolf)
3. Tide Blues
4. Looking for 2 O’clock
5. Sad Day
6. Sure As the Stars
7. Hook-a-Boogie
8. Burn It Down

2nd set (21:30-22:35)
9. My Babe ※harp
10. Got to Move (Elmore James)
11. Wakin’ with Frankie (Frankie Lee Sims)
12. Meet Me in the Country
13. Maggie Campbell Blues (Tommy Johnson)
14. Get Behind the Mule
15. Blue And Lonesome ※harp & guitar
16. Not on the Telephone ※piano & harp
-encore-
17. Brothers

Sugar Brown (Ken Kawashima) - guitar, harp, piano, vocals
Kotez - harp
Rie “Lee” Kanehira - piano
加藤つよし - guitar
野間一郎 - bass
渡辺さとし - drums


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Sugar Brown来日ツアー情報
https://black.ap.teacup.com/sumori/1826.html

Sugar Brownブライトブラウン公演(2019.5.11)レポート
https://black.ap.teacup.com/sumori/1838.html

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終演後にこの日のメンバー全員で記念写真を
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2019/5/18

Sugar Brownブライトブラウン公演レポート(2019.5.11)  ブルース

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トロント在住のブルースマン、シュガーブラウンことケン・カワシマが9年ぶりの来日を果たしました。来日ツアーの初日に選んだのが、中野のブライトブラウン。ここの店主、Sueさんはケンが「今回Sueさんに会いに日本に来た」とまで言うほど慕う旧知の仲。このお店で2004年、Sueさんも参加して「Lowside Blues」というCDもレコーディングしています。

この日のライヴは、「Lowside Blues」参加のメンバーが久しぶりに揃う同窓会のような場となりました。Sueさんは体調の問題から、ここ最近はライヴで演奏することは殆どありませんでしたが、この特別なセットで久しぶりにお客さんの前でギターを弾きました。しかし、フルに参加するのは厳しいということで、「Lowside Blues」でエンジニアを担当したヤス飯村さんをメインのギタリストとし、数曲で参加する形となりました。

今回のツアーを取り仕切ったドラムスの渡辺さとしさんがメンバーを紹介し、ケンが愛してやまないリトル・ウォルターのインスト・ナンバー”Off the Wall”から演奏はスタートしました。軽快なハープを聴かせるケン。バンドもリラックスした雰囲気で気持ちのよいスウィング感を醸し出します。

次の曲からは、ケンは殆どの曲でハープではなくギターを弾き、新譜「It’s A Blues World (Calling All Blues​!​)」の曲などオリジナルのブルースを中心とした展開となりました。ファースト・セット中盤で早くもSueさんが呼ばれ、3曲ほど共演。観客をかき分けてステージまで行くのも時間がかかるSueさんでしたが、お客さんの声援の暖かいこと!皆んなSueさんのことがだいすきなんですよね。かつてのような勢いでプレイすることは難しいものの、味のあるプレイを披露してくれました。

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ケン本人も心待ちにしていたSueさん(左)との共演

ファースト終盤には、ケンはお店備え付けの古いアップライトピアノでスロー・ブルースを1曲披露。このピアノ自体の味のある音色もあり、戦前のブルースバーにでもいるようないいムードでした。

セカンド・セットもノリノリでした。ケンは気合いは入っていましたが、変に力んでいない。ほどよく肩の力が抜けていたのは、やはり旧知のミュージシャンたちとのセッションだからでしょうか。本当にみんな楽しそうでした。

アンコールでは、ケンが弾き語りで2曲披露。新譜収録のオリジナル”Brothers”は、戦前ブルースっぽい牧歌的な雰囲気がいい感じ。続いて演奏したのは、なんと日本語の”東京流れ者”。途中ハーモニカホルダーにつけたハーモニカでソロを取ろうとしたら、キーが違っているというハプニングで、かえって盛り上がるという意外な展開に(笑)。

最後にもう一度バンドのメンバーが戻り、Sueさんも再度入って、リトル・ウォルターの名曲”My Babe”で賑やかに幕を閉じました。ウォルターではじまり、ウォルターで終わったブライトブラウン公演。お客さんも満員で、盛り上がっていました。久しぶりに来日したケンですが、この日のバンド・メンバー同様、彼と旧知の人もかなり客席にもいたようで、みんな心待ちにしていたんでしょうね。

ケンは、この後渡辺氏と西日本にツアーに出かけ、5月19日の荻窪Rooster公演で来日フィナーレを迎えます。Roosterでは、ピアノにLee、ハープにKotezが入り、また違った一面を見せてくれことでしょう。

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Sugar Brown来日ツアー情報
https://black.ap.teacup.com/sumori/1826.html

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Sugar Brown
Bright Brown, Nakano
Saturday, May 11, 2019

1st set (20:00-21:00)
1. Off the Wall (Little Walter) *SB on harp
2. Howlin’ for My Baby *guitar (Howlin’ Wolf)
3. Sure As The Stars *guitar ※1
4. Sad Day *harp (with Sue) ※3
5. Burn It Down *harp (with Sue) ※2
6. Trouble No More *guitar (Muddy Waters) (with Sue)
7. Not on the Telephone *piano
8. Walkin’ with Frankie *guitar ※2

2nd set (21:15-22:20)
9. Looking for Two O’clock *guitar ※2 ※3
10. Stockyard Blues *guitar ※3
11. Hook-a-Boogie *guitar ※3
12. Tide Blues *guitar ※1
13. Poor Lazarus *guitar ※2
14. Meet Me in the Country *guitar ※2
15. Get Behind the Mule *guitar ※2
-encore 1-
16. Brothers *guitar ※1
17. Tokyo Nagaremono ※2 *guitar and harp
-encore 2-
18. My Babe (Little Walter) (with Sue) *harp

※1 from “It’s A Blues World (Calling All Blues​!​)”
※2 from “Poor Lazarus”
※3 from “Sugar Brown’s Sad Day”

Sugar Brown (Ken Kawashima) - guitar, harp, piano, vocals
ヤス飯村 - guitar
野間一郎 - bass
渡辺さとし - drums
Sue - guitar

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久しぶりに揃った「Lowside Blues」の面々
(左から)野間一郎、Sue、Sugar Brown、渡辺さとし、ヤス飯村


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KEN "Sugar Brown" KAWASHIMA
Lowside Blues (2004)

1. Lowside Blues
2. Bricks in My Pillow
3. Leaving Ohio
4. State of the Blues
5. Ooh-Wee (Don't Want To See the Break of Day)
6. I'm Just Another Man
7. Baby Please Don't Go
8. Got To Find My Baby
9. Boogie in D
10. Luedella
11. Bottoms up Boogie


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2004年当時のバンドの面々 (CDより)
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