2020/11/2

追悼Rance Allen 1948-2020  R&B/ソウル

ゴスペル・シンガーのランス・アレンが10月31日、入院中のオハイオ州シルヴァニアの病院、ハードランド・アット・プロメディカにて亡くなったそうです。71歳。彼の妻エレンとマネージャーのトビー・ジャクソンが連名で明らかにしました。

死因は明らかにされていませんが、病気治療を受けて回復に向かう中でのできごとだったようです。

ランス・アレンは、1948年、ミシガン州モンローの生まれ。そのモンローで兄弟のトーマス、スティーヴ、エサウ(のちに脱退)とともに1970年代に結成したランス・アレン・グループを率いて活動したことで知られます。その後彼らは拠点をオハイオ州トレドに移し、1972年スタックス傘下のゴスペル・トゥルース・レーベルからアルバム「The Rance Allen Group」でレコード・デビュー。1980年代以降もティスコット・レーベルなどから作品をリリースし続けました。代表曲としては"Ain’t No Need of Crying” (1975年)、”Miracle Worker” (1991年)などがあります。


ランス・アレン・グループはランスのパワフルな歌声とソウルフルなサウンドで、ゴスペル界をリードするグループとなりました。ノリノリでファンキーなところは、ゴスペルという音楽の概念を塗り替えたのではないかと思います。

また、ランスはトレドの教会の牧師もつとめていました。2011年にはチャーチ・オブ・ゴッド・イン・クライスト(COGIC)の司教の座に就いています。

71歳とはまだ亡くなるには若すぎです。近年も作品をリリースし続けていただけに一層残念です。僕も本当に大好きなグループでした。一度生で見てみたかったです。

RIP。

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2020/10/31

プロフェッサー・ロングヘア伝記映画、その後  ニューオーリンズ

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制作途中で中断し、そのままになっていたプロフェッサー・ロングヘアのドキュメンタリー映画がついに完成した模様です。

ジョッシュ・バグナル監督の下、「Making A Gumbo」という名前で制作が進行していたこの映画は2014年の時点で半ば完成しており、その時点でクラウドファンディングで17,614ドルという資金を集めていたにもかかわらずその後頓挫し、制作者サイドからは一切音沙汰がなくなっていました。

それが2020年11月開催のニューオーリンズ・フィルム・フェスティバルで名前を「Rugged and Funky」と改めた75分の映画としてお披露目されることになったようです。

どんな内容に仕上がっているのか、興味津々です。全米劇場公開は?日本での公開はあるのか?DVD化は?オンラインでもいいからみてみたいです。

僕もクラウドファンディングには出資したのですが、その後何にも進展がないことにやきもきしていたので、とりあえずは嬉しいです。

プロフェッサー・ロングヘアのドキュメンタリー制作中 (2014/12/9)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1585.html

公式サイト
https://www.professorlonghairfilm.com/

New Orleans Film Festival
https://noff2020.eventive.org/films/5f627c511226b10045a28384
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2020/10/23

BLUES & SOUL RECORDS 156号発売  ブルース

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ブルース&ソウル・レコーズの最新号が発売になります。前回は付録CDが付いていなかったのですが、今回は付いています。今後は以前のように毎回CDが付くとは限らないようですが、なくなるわけではないそうです。

本号はポール・オリヴァーの「Story of the Blues(邦題:ブルースの歴史)」が11月に土曜社から復刊されるのにあわせ、戦前ブルースを中心にブルースの歴史を振り返る特集号となっています。CDも戦前ブルースの王道的な選曲となっています。

今回は追悼記事が5つもあるのが目立っています。ちょっと淋しいですね。

僕は今回はいつもの通り海外ニュース記事書いています。

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BLUES & SOUL RECORDS NO. 156
2016年10月24日発売
定価: 1,800円+税
https://bsrmag.com/magazine/bsr156/

1969年刊行のポール・オリヴァー“The Story Of The Blues”は1978年に『ブルースの歴史』と題し翻訳出版され、ブルース・ファン必読の書として愛されてきた名著です。このたび1997年改訂版を元に、原書の大判サイズでの復刊が決まりました。ブルースと真剣に向き合うなら一度は通るべき一冊を楽しみ、堪能しましょう。
★ 『ブルースの歴史』を楽しむ(1)全てではない未完の「物語」 隙間が導くブルースとその先[みなべかん]
★ 『ブルースの歴史』を楽しむ(2)ブルースに半歩でも近づくために 幾度となく開く“バイブル”[妹尾みえ]
★ 『ブルースの歴史』を知る 著者の原体験も反映された 見て読むブルースの歴史[濱田廣也]
★ 『ブルースの歴史』を楽しむアルバム108枚[高地 明/妹尾みえ/濱田廣也]
8つのカテゴリー別に『ブルースの歴史』読者のための参考ディスクを紹介
[1] ブルースの背景としてのアフリカおよびアングロ・アメリカン音楽
[2] ブルースの構成要素となった労働歌と民間伝承歌
[3] ブルースの多様性を楽しむ多彩なスタイルを収めた編集盤
[4] ブルースを育んだ地域を探訪
[5] 都市を彩ったブルース
[6] 弦、水差し、洗濯板を用いた陽気で愉快な楽団たち
[7] ブギウギを生み、ブルースの発展に大きく貢献したピアニストたち
[8] ヴォードヴィルなどで活躍した女性シンガーを中心に
★ ブルース重要地マップ
★ 『ブルースの歴史』関連年表
【付録CD】ANOTHER STORY OF THE BLUES 1925-1938
ブルースに登場する地名をたどって1920〜30年代のアメリカを旅してみよう。ミシシッピ・デルタの伝説の地、タトワイラーから、メンフィス、セント・ルイス、シカゴへと北上し、ハイウェイ61でメキシコ湾まで南下。鉄道に乗ってシュリヴポートからダラス、そしてヒューストンへ。ジョージアのアトランタから、フロリダへも足を伸ばそう。
※音源が古いためノイズがあります。ご了承ください。
1. SAM COLLINS: Yellow Dog Blues
2. LILLIAN GLINN: Shreveport Blues
3. JOE PULLUM: McKinney Street Stomp
4. BESSIE TUCKER: Fort Worth And Denver Blues
5. SPECKLED RED: St. Louis Stomp
6. LEROY CARR: Naptown Blues
7. YANK RACHELL: Lake Michigan Blues
8. “MA” RAINEY: Bessemer Bound Blues
9. BARBECUE BOB: Atlanta Moan
10. MACON ED AND TAMPA JOE: Mean Florida Blues
11. MEMPHIS JUG BAND: Going Back To Memphis
12. CHARLIE PICKETT: Down The Highway
【その他の主な記事】
● 映画『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』公開
● 追悼 ピーター・グリーン〜ブリティッシュ・ブルース/ロックの天才ギタリスト逝く[小出 斉]
● 追悼 ロッド・バーナード〜永遠の名曲を生んだスワンプ・ポップのパイオニア[はたのじろう]
● 追悼 エドナ・ライト〜ハニー・コーンで花開いたシンガー[鈴木啓志]
● 追悼 チャドウィック・ボウズマン〜英雄を演じた英雄[中田 亮]
● 追悼 写真家 打田浩一氏を悼む[濱田廣也]
● 注目作をじっくり鑑賞する─「語りたい逸品」コーナー
 *CD『ELVIN BISHOP & CHARLIE MUSSELWHITE: 100 Years Of Blues』[井村 猛]
 *CD アイク&ティナ・ターナー/アイク・ターナーズ・キングス・オブ・リズム〜ポンペイ期3作[濱田廣也]
●[新作アルバム・リヴュー]ボビー・ラッシュ/ベティ・ラヴェット/ファンタスティック・ネグリート/ダン・ペン 他
【連載】
☆ 永井ホトケ隆 好評連載「Fool’s Paradise」第4回
☆ [新連載]SONS OF SOUL/林 剛
☆ [新連載]ゴナ・ヒット・ザ・ハイウェイ〜西海岸と南部を結ぶ「I-10」沿道音楽巡り/日向一輝
☆ なんてったってインディ・ソウル 蔦木浩一×齋藤雅彦
☆ フード・フォー・リアル・ライフ 〜歌詞から見るブルース&ソウルの世界/中河伸俊
☆ 小出斉の勝手にライナーノーツ「V.A. / Recording The Blues」
☆ リアル・ブルース方丈記/日暮泰文
☆ 鈴木啓志のなるほど! ザ・レーベル VOL.85 「Seventy 7」
☆ ゴスペル・トレイン「ゴスペレアーズ」/佐々木秀俊+高橋 誠
☆ BLUES IS MY BUSINESS no.232/吾妻光良
☆ いづみやの曲追い酩酊談/佐々木健一
☆ 原田和典の魂ブチ抜き音楽
☆ 文聞堂書房〜古書掘りコラム/出田 圭
☆ ICHIのチタリン・サーキット最前線
☆ International Music Stroll〜世界の音楽にぷらりと出会おう/ワダマコト
☆ ニッポンの。国内アーティスト新譜紹介/妹尾みえ
☆ ブルース&ソウルが流れる店/轟美津子
☆ Ain’t That Good News 国内ライヴ/イヴェント情報ほか
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『ブルースの歴史』
ポール・オリヴァー著/米口胡=増田悦佐訳
解説 日暮泰文/土曜社刊
A4変型判(297 × 215ミリ)上製、208頁
ISBN978-4-907511-62-3 C0073
[2020年11月下旬発売予定/初版1000部予定]
www.doyosha.com/
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2020/9/29

9月29日、オーティス・ラッシュの命日です  ブルース

シカゴ・ブルース界の偉大なギタリスト、オーティス・ラッシュが亡くなって2年が経ちました。

彼については、このサイトでディスク・ガイドも作っているし、もう言い尽くした感もあるのですが、やはり類稀なる存在だったと思います。

僕はB.B.キングが亡くなった際、B.B.の才能(すごいところ)について、「長く第一線で創造力を発揮し続けたこと」にあると指摘しました。

そういう意味で言えば、オーティスは「B.B.キングのようにはなれなかった人」でもあります。

でも、僕は彼の魅力はその事実と表裏一体だと思っています。自分の気分、感情に素直だからこそ、常にいいいい演奏をするのは難しい。その代わり、乗っているときのオーティスの凄さは筆舌に尽くしがたかったのです。いつも安定していい演奏をする人は、あの乗っているときのオーティスのような演奏はできないでしょう。そのギターの一音一音、そして歌声からはストレートに感情が迸っていたと思います。

内なる感情を吐露するのがブルースの本質だとすれば、オーティスほどブルースを生きた人は珍しいかも知れません。

悪い言い方をすれば気分屋さんです。それ故に作品自体多くはないですが、幸い初期のコブラ時代(1956-58)から始まり、節目節目で傑作を残してくれました。僕の作ったディスク・ガイドが彼の作品を聴くお供になってくれればこれほど嬉しいことはありません。

彼の命日を機に、オーティス・ラッシュを聴いてみませんか?

どれから聴いていいのかわからない、というのであればまずはコブラ時代の16曲(色々なコンピレーション・アルバムが出ています)、そして1971年にレコーディングされたアルバム「Right Place, Wrong Time」を聴いてみてください。後悔はしないでしょう。

オーティス・ラッシュ・ディスク・ガイド
http://bluesginza.web.fc2.com/rush/

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【過去のオーティス・ラッシュ関連記事】

オーティス・ラッシュが亡くなって一年 (2019/9/29)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1861.html

4月29日はOtis Rushのお誕生日です (2019/4/29)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1837.html

Otis Rushの訃報に接して (2018/10/4)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1800.html

Happy 80th, Mr. Otis Rush! (2015/4/29)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1618.html

Happy birthday, Otis Rush (2014/4/30)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1523.html

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2020/9/27

モータウンの歴史を振り返るドキュメンタリー映画登場  R&B/ソウル

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デトロイトの小さな家を拠点に出発し、歴史に残るヒットを量産したレコード・レーベル、モータウン。

「メイキング・オブ・モータウン」は、創設者のベリー・ゴーディと副社長を務めたスモーキー・ロビンソンに密着し、ミュージシャン、ソングライター、スタッフなどの貴重な証言と名曲の映像でその歴史を振り返るドキュメンタリー映画です。この映画が米国で公開された2019年は、モータウンがタムラ・レコードとして出発した年からちょうど60年という節目の年でもあります。

この映画の特徴は、モータウンがいかにして成功を手に入れたのか、ベリー・ゴーディの経営者としての手腕に焦点を当てているところでしょうか。
音楽映画ではありますが、ある意味経営哲学を学ぶためのビジネス・セミナーのようでもあります。イントロの数秒でリスナーの心をつかまなければならないと、細部まで徹底的に拘りヒットにつなげていくゴーディはすごいなと思いましたが、ヒット至上主義的なマインドは、僕にはついていけないとも感じました。

でも、改めてすごいレーベルだなと思わせる見ごたえのある内容です。
色々な人が登場しますが、なんと言ってもゴーディとスモーキー・ロビンソンが楽しそうで。二人とも凄いパワフルですよね。


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2019年製作/112分/G/アメリカ・イギリス合作
原題:Hitsville: The Making of Motown
配給:ショウゲート
日本公開:2020年9月18日より
監督:ベンジャミン・ターナー、ゲイブ・ターナー
製作:レオ・パールマン
出演:ベリー・ゴーディ
スモーキー・ロビンソン
スティーヴィ・ワンダー
エディ・ホランド
ブライアン・ホランド
ラモント・ドジャー
メアリー・ウィルソン
マーサ・リーブス
ザ・ジャクソンズ
ニール・ヤング
ジョン・レジェンド
製作総指揮:ベリー・ゴーディ
スティーブ・バーネット
エチオピア・ハブターマリアム
デビッド・ブラックマン
ミシェル・ジュベリエーレ
マーティン・バンダイアー
オフィシャルサイト http://www.makingofmotown.com/

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