「青い蛇―十六の不気味な物語」
トーマス・オーウェン
ベルギー幻想派作家の短編集の二分冊の残りです。前の「
黒い玉」は不思議なムードの作品が多かったと言うか、意図的に集められていたわけですが、こちらの方はエロティックでサディスティックな感覚が強まったものが揃えられています。女性の様々な側面に翻弄される男性が描き出されると言うか、女性は魔物って言うか、まあ男は酷い目に合いっぱなしとかそんな感じです。作風的に結末も曖昧と言うか不可思議と言うか被害者か加害者か不明とか決着が着いてるのかどうか分からないタイプなので、前作同様ネタバレ必至の紹介も出来ないわけで困るわけですが、この迷走感がクセになりそうな短編集でした。

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