「ふりむかない男―グイン・サーガ外伝 20」
栗本薫
若さ、若さって何だ〜振り向かないことさ〜
と、宇宙刑事ギャバンの主題歌が読者の心に木魂する、今更振り向いてはいけない世界最長シリーズの外伝最新刊です。今回は拷問後のアルド・ナリスが寝たきり探偵になって、カラム水絡みの謎の事件に挑むという趣向で、これでもかと長ゼリフが満載になってます。まあ、ミステリーだが、それでも他の描写が少なすぎるんとちゃうんか!と突っ込み所は満載です。ファンタジーよりもミステリーの方が最近はまだマシって言うほど栗本ミステリーは読んでないですが、本格派とかそういう感じでもないし、多分まともなんだろう、それなりに。クトゥルーが世間話をしてきたり、黒魔道師や宇宙船とか、そりゃもう超次元の代物がワンサカでてくる世界観でミステリーもクソもねえだろ!とか思うところは沢山ですが、謎に満ちた飲み物“カラム水”が何なのかはやっぱりよくわかりませんでした。とりあえず脳内ではコーヒーに変換しておきます。
「事実、なかなかわがままで自分勝手で、
でもまあ結局のところごく普通にわがままで身勝手な、
ごくごく普通の平凡なお金持ちの我儘娘だったのだと思いますけれどね」
このセリフがメタミステリーだな。でもセリフにクライマックスって入れるのはどうかと思う。

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