



「美凶神YIG 上・下」(クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)
菊地秀行
出版不況の影響でとんでもないところで打ち切りをくらったクトゥルーアクションが22年ぶりに復活した作品です。
201×年。邪神クトゥルーの侵冠によって文明が滅びかけたある日、長距離ドライバー・移木は、異様な美女を東北の「三餓鬼」まで送る。2人を待っていたのは、唯ひとつの希望――魔書『ネクロノミコン』から、邪神消滅の呪文を読み取るべく奮闘中の好事家・瑠々井と、一騎当千の用心棒たちだった。
いやあ、久しぶりに読んだけどこのあたりのヒドユキセンセーはパワーがあったなあ'`,、(´∀`) '`,、みたいな、美女がクトゥルーに蹂躙された世界で戦うと言うストーリーですが、フォーマットとしては「吸血鬼ハンターD」だよねって感じです。打ち切りになったときには結局明らかにならなかった“イヴ”の正体も明らかになるわけですが、上巻って特に加筆とかされてないよね…前の探すのメンドクサイから確認しないけど。そして期待されていた下巻ですが、十一章からが書き下ろしと言うか完結編なわけですが、今読んでも酷いところで終わってたなあ(;´Д`)丸々一冊以上くらい書き足されているわけですが、今まで影も形もなかった人物が登場したり、核ミサイルは飛んでくるは大岩は飛んでくるはで、いろいろ盛りだくさん。クトゥルー神話マニアにもサービス満点の展開で、さすがに一気にやりすぎたんじゃないですかね、って感じです。
当初の構想どおりかどうかは定かではありませんが、ちょっと昔のセンセーのテイストが戻ったみたいな一冊でした。

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