将棋秘曲集(原書名:象棋秘曲)の序文について
将棋秘曲集は今迄、何回か復刻されましたが、序文については紹介されませんでした。
この度、将棋秘曲集の原本を入手し、序文が付いていたこと自体を初めて知りました。ただ、字がかなり崩されていて、私には読めませんでした。止むを得ず、翻訳を業者委託しました。その内容は次の通りです。
gop.docx
現代語訳は業者は将棋のことを良く知らないので、意味がよく解らないので、意訳をしてみました。でも私は特に古文に詳しい訳ではないので、誤っている部分があるかも知れませんが、その辺はご容赦ください。
この序文によると、元々「将棋秘曲集」は作品を纏めた原本のような物があり、それを本にしたもののようです。この書き方からすると、この本が出版された時点では添田氏は亡くなっていたようです。奥田子は時代からいって、添田宗太夫の弟子の名村立摩との対局が残る「奥田八郎右衛門」ではないかと思われます。そうすると原本の成立年代は享保年間(1716〜1736)だったのではないでしょうか?【象戯秘曲集の初版本は宝暦二年(1752年)】
象戯秘曲集の序文を現代語訳してみましたが、添田宗太夫についての言及が無かったのは残念です。ただ、今迄紹介されて来なかった、象戯秘曲集の序文を明らかに出来たのは、詰将棋史的には意義があることだと思います。

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