旧パラを検証する141
第十二号 1

32飛、13玉、35角、24歩、25桂、23玉、22飛成、同玉、44角、31玉、22角成、同玉、42飛、23玉、32飛成迄15手
△解答者数 二四三八名
▽正解者数 二二九七名
正解率 九十四パーセント
★パラの結果稿には手順のみで全く解説は載っていません。村木氏の「詰将棋 孫六集」第3番にも収録されており、「史上初の詰将棋専門誌、詰将棋パラダイス(旧パラ)に初入選、しかも表紙に掲載された記念すべき作である。3手目35角打が主眼手で、この角で飛車を取り、最後にもう一度、22角成と成り込む味が良い。これに41玉と逃げる解答者は臍曲がりであろう。」とあり、22角成に41玉だと変同であることを書いておられます。
解答者の当選者に後に詰将棋作家で活躍された岸本雅美氏の名前がありました。
------------------------------------------------------------------------------------
詰将棋「看寿賞」詮衡委員・・・発表
左の如く決定いたしました。大方諸賢の絶大なる御後援をお願い致します。授賞規定推せん規定等は前号を御覧下さい。
板谷四郎 連盟八段 名古屋:伊藤吉一 本誌会友 愛知:麻植長三郎 徳島新聞社員 徳島
大橋虚士 本誌選者 京都:草柳俊一郎 本誌読者 横浜:里見義周 三段 大阪
柴田龍彦 本誌選者 名古屋:清水孝晏 詰将棋作家 東京:秦泉寺晴彦 詰将棋作家 東京
田代達生 詰将棋作家 京都:谷向奇道 本誌選者 兵庫:土屋健 医師 静岡
鶴田諸兄 本誌主幹 名古屋:内藤武雄 詰将棋作家 静岡:中川清 大学教授 名古屋
藤沢桓夫 小説家 大阪:二上達也 連盟四段 東京:松井雪山 将棋評論家 京都
宮本弓彦 将棋評論家 東京:村山隆治 詰将棋作家 東京:村野実 本誌選者 京都
森利男 本誌選者 松山:山川次彦 連盟七段 東京:山形義雄 素人名人 山形
綿貫英助 医師 新潟
★これは当時の有力詰将棋愛好家名簿とも言えるもので非常に興味深い人選です。プロ棋士では二上先生が入っているのは興味深いですが、塚田先生は入っていません。あれだけ誌上で叩いていれば、詮衡委員にならないのは当然とも言えます。山川プロはどういう経緯で選考委員になったのでしょうか。小説家の藤沢桓夫氏がこの当時から詰将棋に関わっていたことは微笑ましいことです。

1