旧パラを検証する92
第九号9
いろは字詰第三回 三好鉄夫
初形曲詰、今回はナ〜クの八文字。その中から「ラ」を紹介します。

72銀、52玉、63銀成、42玉、34桂、同銀、53成銀、同桂、33金、31玉、32歩、41玉、42歩、同銀、同金、同玉、33銀、41玉、31歩成、同玉、43桂生、同銀、53角成、21玉、43馬、12玉、34馬、23歩、13歩、同玉、24銀打、同歩、同銀成、22玉、23成銀、31玉、32歩、41玉、53桂、42玉、33成銀、53玉、43馬迄43手
変化も多くよく捌けます。三好氏のいろは字詰の中では、上位の作品だと思います。
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大道五目究明室 担当 大道教師
本題は荒法師氏が青森市内で蒐集された面白い問題です。この処白二目案が大分つづきましたから、本号では黒二目案を研究してみましょう。
問題
黒二目にて四三の勝を作れ。但黒は三三、四三三、五三三等三三が出来れば即座の負け。白は何れも自由とする。
研究
本題は申す迄もなく法則問題である。
黒二目案とは黒二目を以て四三の勝を作るもので三三の出来る箇所を中心として考え、黒二目めに三三の中の一方の三を殺す手を発見せねばならぬ。本題は五5の点で三が三本出来るから、茲が考慮の中心である。三本の三の中、どれを伸ばすか。黒の第二石が山。

大道五目正解
正解
上の正解図を御覧ください。
黒第一珠をA(九9)と打つ。これは三(目下はHの点が三三故死三)であり同時にB及びCの両四三を見せている。白はこの両四三をCと防ぐ一手。黒二珠はむづかしい。Hの点三三を解消さすべくDと打つのが正解。これで最初打った三が活きて四三の勝です。
説明
何故にHの点の三三が解消したか。
Aと打ったこの三が活きている為にはこれが五になる力がなければならぬ。五にする為にはFHと伸ばさねばならぬ。Fとのばせば白Gと止め次黒Hで五であるがHは黒五三三ではないかとの疑問が起る。Hが五三三であればこれは活三ではなく黒負である。
Hの点で出来る二本の三の中の一本(ハHニ)の三が死んでいる。何故なら(ハHニ)の三はIの点で(イIロ)(FID)に三三が出来て打てぬ故(ハHニ)は三にして三に非ず死三.さればHの点は三三ではないから五三三ではなく五である。依ってA以下の三が活きたわけである。それが活きたのは黒が第二石でDと打った為で、Dが妙手であつたわけ。Hの点の三三解消がむづかしかつたわけで面白い問題である。
正解点A以外の第一着点は何れも白に乗り手を生ずる。乗り手の研究は詰将棋で云えば逃げの妙手に相当するわけで研究上ゆるがせに出来ない。各位のご研究を切望します。
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大道棋究明室 担当 大道教師・・・今回は第534番〜第537番の紹介ですが、第536番の記事が面白いので以下抜粋します。
第536番

82銀、92玉、91銀成、93玉、92飛成、84玉、85歩、○イ同玉、75馬、96玉、94龍、87玉、97龍、78玉、88飛、69玉、67龍、59玉、58龍迄19手
変化○イ85同玉の処同角なら75馬、73玉、65桂、63玉、53桂成、73玉、62龍迄15手
☆本題岸和田のK氏から該地の秋祭りで提出されていたものを蒐集しての選題で、楽屋話をすると最初玉方94飛を金として送付されて来たものである。94金だと54馬、63銀合、92銀、71玉、53馬、61玉、62馬迄7手の簡単な詰になることは皆様先刻御承知の事と思う。
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K氏は川崎弘氏でしょう。また、94が飛だと見抜いたのは流石鶴田主幹といったところ。この作品85歩が意表の1手で、見た時にえらく感心したので、載せてみました。好作なので後の奇策縦横 150番として掲載されています。

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