旧パラを検証する85
第九号2
王様は取っちゃいけない 橘二叟・・・古図式を例に妙手説が最長手順説に変わったことの説明を、ご隠居と熊さんの会話形式で表現しています。趣旨は次の通り。

この図の作意は63飛、54玉、44金、同玉、43飛成迄の5手詰ですが、最長手順説では63飛、52玉、43飛成、61玉、63龍、62歩、52金、71玉、62金、81玉、72金、92玉、93歩、91玉、61龍迄15手ただ、この作品は15手の手順もそれなりなので、最長手順説が良いという主張。ちなみに作意を生かす案。

も提示しています。
これは橘氏の言う通りで、妙手説は解り難いので、最長手順説にこの当時はほぼなっていて、現在は許されても2手長の変長までと更に厳しくなっています。
中部日本将棋大会・・・大会の紹介。面白いのは第1回を記念して木村名人×坂口八段、松田七段×花村七段の早指し公開対局があったこと。持時間各2時間というのは本格的です。坂口・松田勝。しかし豪華ですね。
「木村詰将棋」より 鳴門棋人・・・木村名人の詰将棋の不完全作指摘。筆者は麻植長三郎氏と思われる。
詰将棋をつくるまで 一色健三・・・詰将棋の作り方の紹介。一色氏の創り方は駒を適当に配置し、作って行くパターンで詰まない一図から弄って

最終的に八図になるというもの。

八図作意12金、同香、21と、同玉、43角成、32金、31金、同玉、42桂成、同歩、41金、22玉、34桂、イ同飛、32馬、同玉、31飛、43玉、53金迄19手
この図ですが、イで11玉だと21飛、同玉、32馬、同玉、42金、21玉、22金迄21手の変長があったり、17手目31金打〜53飛でも良いなど今だと厳しいです。
ところで、詰まないという一図ですが、31飛成、同銀、42金、同銀、22金、同玉、34桂、32玉、22金、41玉、42桂成、同玉、53銀、51玉、52金迄15手で詰んでいます。
一色氏はこの頃、旧パラや風ぐるま等で活躍された方です。

1