旧パラを検証する72
第七号9
創作大道棋豫選発表第一回
創作大道棋を募集し、応募作の発表です。
投票によって順位付けを行うのですが、その投票者に対する商品が凄いです。1位〜5位まで的中に近い人から
一位 黄楊彫駒(正山作磨上特別品)一組
二位 黄楊彫駒一組
三位 同
それ以外の人は抽選で三名に椿彫駒進呈
投票するだけでいいとは、太っ腹ですねえ。投票は100点満点評価です。
では、肝心の作品を紹介しましょう。
先ず目を引くのが一色健三氏の金問題の改作。

54飛、34金、24銀成、同金、同飛、同玉、A35金、13玉、23銀成、同玉、24香、13玉、12と、同玉、21馬、13玉、22馬、14玉、23馬迄19手
Aで27香、26飛、同香、同金、22飛、15玉、16金、同金、25馬迄15手の早詰あり

24銀成、同玉、54飛、13玉、23銀成、同玉、34馬、32玉、31と、同玉、51飛成、41角、A42銀、22玉、33銀不成、13玉、24馬、12玉、13香、21玉、41龍、31歩、32角迄19手
Aで32香、22玉、33銀、13玉、24銀成、22玉、23成銀、11玉、12成銀迄21手の余詰あり
いずれも、途中で潰れているのですが、改作出来ると睨んで筆者が詰将棋パラダイス2011年10月号に発表したのが次図

84銀成、同玉、54飛、93玉、83銀成、同玉、72馬、92玉、93香、同玉、53飛成、84玉、83龍迄13手
このネタは良かったらしく鉄人の加藤徹さんも改作されました。

73角成、94玉、95馬、同玉、96飛、84玉、86飛、94玉、85馬、83玉、75馬、72玉、64桂、71玉、93馬、62玉、82飛成、63玉、72龍、64玉、75龍、63玉、64歩、62玉、
71馬迄25手
本題に戻って、この企画は4か月にわたって30局発表されるのですが、今回発表の作品での入賞作は2作あって、先ず第五番の藤倉満氏作は54点で3位

71飛不成、81桂、同飛成、同玉、84龍、82銀、72角、71玉、83桂、同銀、81角成、61玉、71馬、51玉、52銀成、同玉、53香成、イ41玉、44龍、32玉、43成香、21玉、22歩、11玉、14龍、12合、23桂、22玉、44馬、21玉、11馬迄31手
大道棋なのでイで51玉と逃げると62馬、41玉、51馬以下作意順と62馬、41玉、52馬以下の詰みがあるなど乱れがあります。
この作品は大道棋というより、藤倉流の普通作品ですね。
次に第六番の佐藤源助氏作は51点で4位。

22銀、12玉、11銀成、13玉、A19香、イ18歩、12成銀、24玉、44飛成、25玉、35飛、26玉、46龍、17玉、15飛、27玉、25飛、38玉、35飛、28玉、48龍、19玉、39飛、29銀、同飛、同玉、38銀、28玉、37銀、17玉、28龍、16玉、26龍迄33手
中々面白い作品で、Aで普通に12成銀、24玉、44飛成、25玉と追うと、甲29香は27銀合で逃れ、乙35飛も26玉、29香、27銀合でやはり逃れる。
イ18歩合も18〜14に合が出来るので複雑です。
好作だと思ったのですが、柿木で全然詰ます気配が無い。検討してみると、イで14飛!!の移動捨合でなんと逃れているのです。解答募集形式では無かったので、誰も気が付かないまま、4位入賞。
しかし、昔は今と違って評点が辛いですね。100点満点で54点で3位なのですから。(ちなみに1位は67点です。)

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