ドイツ・オーストリアから日本へ
偉大なる音楽の贈り物
第2回 日本へ
2010年5月16日(日) 無事終了
イシハラホール リハーサルルーム
主催・お問い合わせ
ミュージック・ステーション 052−242−7901(FAX共)
テノール:中村貴志
ピアノ:多久潤子
ピアノ・オルガン:中谷友香
合唱:女声合唱団カリス、
大阪混声合唱団男声
J.シュトラウスU(中村貴志編曲) ワルツ『美しく青きドナウに』(ピアノ連弾版)
P.F.ジルヒャー ローレライ(近藤朔風の日本語訳詞による)
F.シューベルト 菩提樹(近藤朔風の日本語訳詞による)
H.ヴェルナー 野ばら(近藤朔風の日本語訳詞による)
J.ラインベルガー バラード 作品7-1
J.S.バッハ 『イタリア協奏曲』より、第1楽章
瀧廉太郎 組歌『四季』
瀧廉太郎 憾
信時潔 短歌連曲
信時潔 歌曲集『沙羅』より、丹澤、沙羅、鴉、ゆめ
山田耕筰 病める薔薇
山田耕筰 赤とんぼ
山田耕筰 蟹味噌
山田耕筰 六騎
山田耕筰 かやの木山の
山田耕筰 この道
山田耕筰 みぞれに寄せる愛の歌
アンコール
瀧廉太郎 箱根八里(山田耕筰編曲)
中村貴志大阪初のリサイタルとなるサロン・コンサートT「ドイツ・オーストリアから日本へ 偉大なる音楽の贈り物」を2回に渡って開催いたしましたが、2回とも完売御礼で、ご来場下さいましたお客様に心から御礼申し上げます。
第2回は、ドイツあるいはオーストリアから恩恵を受けた日本が文明開化後、西洋音楽をどのように受け入れ、吸収し、発展させていったかということにテーマを置きました。
明治初期に軍楽隊が演奏したであろうJ.シュトラウスUのワルツ『美しく青きドナウに』に始まり、兵庫県出身の翻訳家で明治中期から大正初期にかけて数々の名日本語訳詞を残した近藤朔風の訳詞による歌曲を取り上げ、瀧廉太郎の生涯をたどって前半を終えました。瀧廉太郎の自作とともに、彼のピアニストとしてのデビュー曲、J.ラインベルガーの『バラード』、彼が日本初演したJ.S.バッハの『イタリア協奏曲』を交えて瀧の足跡をたどり、瀧の生涯に迫りました。僕が熱き思いを寄せている瀧廉太郎を詳しく取り上げ、ご来場の皆様に伝えることができたことを大変うれしく思います。
後半は瀧廉太郎の次世代を担った信時潔と山田耕筰の歌曲を取り上げました。信時の歌曲をこれだけ歌ったのは初めてでした。信時の武骨ながら密度の濃い音楽に魅せられました。いつか歌曲集『沙羅』を全曲歌いたい。また、山田の歌曲をこれだけ歌ったのは久しぶり。改めて、山田の素晴らしさ、すごさを感じました。
瀧廉太郎の『四季』では、僕が指揮者を務めている女声合唱団カリスと、僕が時折お世話になっている谷幹夫先生が指揮者を務められている大阪混声合唱団の男声が合唱を務めてくれました。カリスにとってはこれが人前で歌うのが初めて、デビューでした。創立25周年を迎えようとしている大阪混声合唱団の男声の方々の音楽に大いに刺激を受けたことと思います。これを出発点として、今後さらに精進し、合唱の美しさを追求していく所存です。
ある合唱団の練習で出会い、大きな可能性を秘めたピアニスト、中谷友香さんをご紹介できたことも今回うれしかったことのひとつです。さらなる飛躍を願って、今後も注目していきたいと思っています。
そして、何よりも多久潤子さんとご一緒できて本当にうれしかった! 『憾』の演奏は圧巻でしたし、伴奏も素晴らしかった。多久さんと出会って6年が経ちましたが、お互い成長したところを感じることができましたし、音楽も深まって、多久さんと有意義な時間を共有できました。今後とも是非共演を重ねていきたいと思っています。
2回を通じて僕の大好きなドイツ歌曲と日本歌曲を歌うことができて、大変幸せでした。今後ともこのサロン・コンサートを継続していきたいと思っています。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2010年4月25日(日) 第1回「ドイツ・オーストリアから」と連続企画