日中はまだ暑いですが、朝晩は過ごしやすくなり、秋の虫の音も響くようになりました。秋の到来を感じます。
秋と言えば、「芸術の秋」。本来であれば、クラシック音楽業界は繁忙期となりますが、私は新型コロナ・ウィルス禍の影響を受けて昨年と同様、さみしい「芸術の秋」です。
しかし、冬また来年上半期に向けて復調傾向。新型コロナ・ウィルスの陽性者がかなり減り、今月中で緊急事態宣言が解除されそうなので、そのまま収束して、かつての忙しさが戻ることを願うばかりです。
LA FENICEの「
第10回記念演奏会」の本番が10日後に迫りました。2度の延期を経て、緊急事態宣言も解除されて、ようやく開催できます。
仕上がりはかなり良いです。団員たちは度重なる休止をもろともせず、ここまで本当によくやってくださいました。
残すは本番指揮者の本山秀毅先生の最終練習とオーケストラとの合わせ。これまでの思いを乗せて、救世主の誕生と受難、復活と永遠の命の物語、ヘンデルの名作『メサイア』を歌い上げます。お時間がございましたら、是非お越しください。
本番は少々先ですが、「
il Teatro L'alba L'amore テアトロ ラルバ ラモーレ」(G.プッチーニの歌劇『トゥーランドット』)の合唱練習は関係各所のご尽力により順調に進み、今月から2巡目に入っています。
1巡目は音の確認とパフォーマンスの方向性を定めることに重きを置きましたが、この段階で本番にかけてもいいぐらい大阪響コーラスのレベルは高い。しかし、この合唱団はそこからさらにパフォーマンスを高められるのです。
さて、2巡目では時折一人で歌ってもらいます。大阪響コーラスの団員は厳しいオーディションの段階で一人で歌っていますので、一人で歌うのは大したことではないでしょうが(多分)、やはり他の団員たちがいる中で歌うのは緊張を強いられます。しかし、課題は各々違います。一人で歌ってもらうことは指導者として各々に合った指摘ができるのが大きな利点で、効果覿面。全員が一人ずつ歌い、私が何らかの指摘をし、各々が自らの課題を認識してもらってから全員で歌ってみると、劇的に良くなります。
一人ずつ歌ってもらって、以前から所属している団員全ての声楽のスキルが向上しているのに驚きました。確かに大阪響コーラスの団員は厳しいオーディションに合格し、一定水準以上のレベルがあり、声楽の個人レッスンを受けている者も多い。それでも、全員が向上しているというのは驚くべきことです。この合唱団には計り知れない可能性がある!
先日から11月11日本番の「
奥様女中 in 能楽堂」の歌手の稽古を開始しました。
豊田市能楽堂でG.B.ペルゴレージのオペラ・ブッファ『奥様女中』を指揮するのは今回で2回目。
前回と同様、ヴェスポーネ役に狂言師の茂山千五郎さんを招いて、狂言とのコラボレーションです。
ペルゴレージの『奥様女中』は喜劇です。そして、狂言は笑いを求めたもの。G.フェデリコ(台本)とペルゴレージ(作曲)の残したこの作品を通して、どのような笑いを、どのように引き起こすのか? それを追求していくと、難しくなく、長くもないこのオペラの裏に大きなものを感じます。それを一つ一つ引き出し、「面白い」舞台を作り上げたいと意気込んでいます。