「女声合唱団コール・AI 創立30周年記念第15回演奏会」
演奏会終了分
2019年10月27日(日) 無事終了
ウィルあいち ウィルホール
主催
女声合唱団コール・AI
後援
愛知県教育委員会
名古屋市
朝日新聞社
愛知県合唱連盟
指揮:
中村貴志
ピアノ:重左恵里
ソプラノ:
伊藤舞子、林美里
女声合唱:女声合唱団コール・AI
小林秀雄 あなたと わたしと 花たちと
三善晃 麦藁帽子
千原英喜 はっか草
わらべうた(間宮芳生編曲) ずいずいずっころばし
山田耕筰(信長貴富編曲) 赤とんぼ
オルバーン・ジョルジ ミサ曲第9番
山下祐加 女声合唱組曲「風の五線譜」
〜創立30周年記念委嘱作品〜
2014年6月から指揮者を務めている女声合唱団コール・AIが今年、創立30周年を迎えました。時代の変化、また団体として色々な変化がある中で、たゆまず前進し、運営してこられた団員各位、この合唱団を支えて下さった関係者各位に心から敬意を表します。
コール・AIの創立30周年を記念した今回の演奏会はそれにふさわしい曲目となりました。
「AIのメモリー」と題した第1ステージはコール・AIがこれまでに歌って印象に残っている小品を中心に取り上げました。この合唱団の歴史を反映していると言えるでしょう。それぞれの曲調を生かした演奏を心がけました。新旧の女声合唱の名曲をお楽しみ頂けたのではないでしょうか。
今回の演奏会の目玉と言えるのが、ルーマニア出身でハンガリーを代表する作曲家となったオルバーン・ジェルジの『ミサ曲第9番』の全曲演奏。『クレド"Credo"』を欠く形式ですが、2人のソプラノ・ソロを伴い、調性あるいは旋法に立脚したあらゆる手法がちりばめられたスケールの大きい作品で、コール・AIがこのミサ曲を歌うことは大きな挑戦でした。2年に渡って練習を重ねてきましたが、未熟な点はあるものの、コール・AIが現段階で持てる力を発揮し、この大作を歌い切りました。また、名古屋を拠点に声楽家の道を進んでいる2人の若手ソプラノ歌手は、素晴らしい歌唱でコール・AIの合唱に華を添えてくれました。僕がいつか指揮したいと思っていたこのミサ曲を、コール・AIと一緒に取り組むことができて、非常にうれしく思います。
ちょうど2年前の
前回の演奏会の終演後、打ち上げで僕は有能な作曲家にコール・AI創立30周年記念の新作を委嘱して、今回の演奏会で初演することを定演しました。その際に、特に合唱界で注目を集めている若手作曲家の山下祐加さんのお名前を挙げました。そこからとんとん拍子で事は進み、山下さんに新作をお願いすることが実現しました。
昨年末から今年初めにかけて続々と新作の楽譜が送られてきて、全6曲から成る女声合唱組曲『風の五線譜』は完成しました。僕からは「年代に関係なく歌える歌、人生の応援歌になるような作品を」と要望しましたが、まさにそのような作品で、コール・AIの団員たちも僕も一瞬でこの作品に惹かれました。
次はわれわれが新作に命を吹き込む番。この組曲の素晴らしさを聴く者に伝えるべく、一所懸命練習に励みました。また、第1曲から第3曲までは6月の「
第42回おかあさんコーラス愛知県大会」と7月の「
第42回おかあさんコーラス中部支部大会」で取り上げて本番を重ね、この日の全曲世界初演を迎えました。本番では団員たちがこの新曲に注いだ情熱、練習で積み重ねたものだけでなく、コール・AIが30年かけて培ったものが演奏と結びつき、無事に成功裡に初演を終え、創立30周年にふさわしいステージになったと自負しています。
女声合唱団コール・AIの活動を30年に渡って支えて下さったこれまでの団員各位とそのご家族や関係者各位、30周年にふさわしい演奏をと一心に努力された団員たち、今回の演奏会のためにご尽力下さった方々、素晴らしいピアノで支えて下さる重左恵里さん、記念の年に素晴らしい作品を書き下ろして下さった山下祐加さんに心から御礼申し上げます。
オルバーンの『ミサ曲第9番』の終演後の記念写真。左からソプラノ・ソロTの伊藤舞子さん、僕、ピアノの重左恵里さん、ソプラノ・ソロUの林美里さん。
終演後、新作『風の五線譜』の作曲者、山下祐加さんを囲んで。