2008年12月10日(水) 無事終了
愛知県芸術劇場コンサートホール
(名古屋市営地下鉄東山線・名城線「栄」駅下車、瀬戸線「栄町」駅下車、オアシス21から地下連絡通路または2F連絡橋経由)
主催 セントラル愛知交響楽団、FM AICHI
協賛 株式会社中京医薬品
指揮:
小松長生
管弦楽:
セントラル愛知交響楽団
ソプラノ:森本典子(第1部)
松波千津子(第2部)
アルト:三輪陽子
テノール:
小山陽二郎
バリトン:岡本茂朗
合唱:栄ミナミ男声合唱団(第1部)
悠久の第九合唱団(第2部、
合唱指揮:中村貴志)
第1部 クリスマスソング他
第2部 L.v.ベートーヴェン 交響曲第9番ニ短調 作品125「合唱付」
素晴らしい『第九』でした。今回がマエストロ小松長生さんの音楽監督として最後の「悠久の第九」でした。小松さんが「悠久の第九」を指揮されたのは計5回。僕は、そのうち4回「悠久の第九」の合唱指揮をさせて頂きましたが、毎回進化し、音楽に深みが増し、今までの集大成を見事に築かれました。今までの中で最も小松さんが燃えていました。
セントラル愛知交響楽団は音楽監督、小松長生さんの下でますます素晴らしさを増しました。第1楽章が始まってすぐに僕は「すごい演奏になるぞ」と直感しました。セントラル愛知の集中力がすごかった。全てが一体化し、音がビンビンと客席に伝わり、聴く者を『第九』の世界に引き込みました。
そうして迎えた第4楽章。マエストロ小松さんのエネルギーが一気に噴出しました。小松さんは熱い指揮者です。しかし、これほど熱い彼を僕は今まで見たことがありません。エネルギーを放出し、解放する。しかし、集中力が途切れることはありませんでした。
悠久の第九合唱団は素晴らしい合唱で小松さんの指揮に応えました。小松さんの音楽監督として最後の「悠久の第九」を有終の美で飾るべく、今回は団員の募集を広く告知し、大幅に新たな参加者を迎え、新たな活力を投入し、合唱団の刷新を図りました。そのお陰で、今までよりもフレッシュで数段レベル・アップした合唱団が出来上がり、素晴らしい練習を重ねることができました。そして、その成果が本番で見事に開花しました。僕は合唱指揮として合唱団員とともに『歓喜の歌』の合唱を作り上げました。しかし、本番では演奏者に全てを託し、合唱指揮者は客席から見守るしかありません。悠久の第九合唱団が素晴らしく『歓喜の歌』を高らかに歌うのを客席で見て、ジ〜ンと感動しました。これこそが合唱指揮者の喜びを感じる瞬間なのです。
最終部でマエストロ小松さんは、歓喜が噴出するごとく、一気にまくし立てます。観客は熱狂のるつぼに。全てが終わった瞬間、割れんばかりの拍手に、「ブラヴォー!」が飛び交いました。今回の「悠久の第九」がどれだけ感動的で素晴らしかったかを物語っています。コールのためにバックヤードへと急ぐ僕の中にも感動が満ちていました。合唱団を代表してお客様の拍手を受けるのがどれほど栄誉で、うれしかったことか!セントラル愛知交響楽団からも、もちろんマエストロからも好評を頂きました。悠久の第九合唱団の皆さんと一緒に素晴らしい音楽をすることができて、幸せです。
小松長生さんの下で『第九』の合唱指揮ができたことは本当に幸せであり、僕の人生の大切な財産となりました。マエストロはさらなる高みを目指しておられます。今日の『第九』を聴いてそう思いましたし、打ち上げでお話させて頂いてそう実感しました。これから今の熱い音楽に円熟味が増していくでしょう。マエストロ小松長生さんの今後の音楽を楽しみにしています。
「悠久の第九」は今回で一区切りつきました。次回に向けて新たな出発です。僕もさらなる高みを目指して明日から歩んでいきます。次回も素晴らしい音楽家たちと出会えることを楽しみにしています。
「悠久の第九」のチラシ
『第九』の第4楽章のゲネプロのワン・ショット。
終演後、マエストロ小松長生さんと。小松さんの内からあふれ出す音楽に毎回感動しました。マエストロの下で4回も『第九』の合唱指揮をさせて頂けたことは僕の大きな財産です。