今日は
金城学院大学で初めて講義をする日。何せ教育機関で仕事したことがないので、勝手がわからず、助手の方に色々と助けて頂きました。
今年度前期に受け持つ講義は合唱。文学部音楽芸術学科の学生34名が履修します(意外と多かったな)。自己紹介で始めましたが、色々なキャラクターの学生がいて、面白くなりそう。声分けで全員の声を聴きましたが、これがなかなか良かった! もっていき方によってかなり良い合唱ができるんじゃないかな。楽しみだ!
彼女たちは第1期生。前例がないから、因習にとらわれることもない。思い切って、のびのびと学生生活をエンジョイしてほしい。
今日は自己紹介と声分けで終わってしまいました。次回から本格的な講義開始とあいなります。気をしっかり引き締めて臨みます。
指揮者としては14日(日)の
「岡崎市民合唱団第30回演奏会」のためにG.フォーレの『レクイエム』のスコアを連日読み込んでます。ゴテゴテと音符がたくさん書かれておらず、シンプルですが、そこから繊細で色彩豊かな音楽が醸し出されています(ラヴェルやドビュッシーのように強烈ではありませんが)。大きな空間でそれがどこまで表現できるかが課題。
編曲のほうは
安藤裕子さんと
福原美穂さんの本番が終わって一段落…と言いたいところですが、声楽曲を歌と弦楽合奏のために編曲しています。ポップスの時のように耳コピではありませんし、編成も大きくありませんが、量が多いので結構大変。また、弦楽合奏は単調になりやすく、ビートが目立ちにくいので、その点も注意しないといけません。
とうとうこれを買ってしまった。

大きさは縦40.5cm、横37.5cm、厚さ5cmと予想以上に大きく、ずっしりと重かった。
何かわからないって? 表紙を拡大しましょう。

これは僕の最も大事な曲、L.V.ベートーヴェンの『交響曲第9番』の自筆譜の原寸大ファクシミリ(複写)。お値段なんと78,750円! 僕が買った楽譜の中でいちばん高い物になりました。でも、今まで『第九』の合唱指揮をたくさんさせて頂きましたし、これからもさせて頂きますし、おそらく僕自身が指揮する時も来るでしょうから、決して高くはありません。
ページをめくっていくと、ベートーヴェンが実際に書いた音符が並んでいます。

上は『第九』でいちばん有名な部分、第4楽章の543小節目からの『歓喜の歌』の冒頭。筆跡が汚いですね(笑)。ベートーヴェンのあらゆる自筆譜を見ると、彼の書いた音符はどれも汚い。彼の性格ゆえか、作曲時異常にテンションが高かったからか。自筆譜からはそういった作品の裏側を窺うことができるのです。
作曲家自身が書いた音を知ることにも自筆譜は有益です。出版されている楽譜のすべてが正しいとは言えません。原典版と言われる信頼性の高い楽譜でもミスプリはあります。また、逆に作曲家のミスもあります。それが修正されて出版され、自筆譜と音が違う場合もあります。色々な資料をあたることによってその作品の正確な音が浮き彫りになるのです。
少しずつ読み解いていきたい。