2012年7月7日(土) 無事終了
大阪能楽会館
主催
ミュージカル「本能寺が燃える」制作実行委員会、
テレビ大阪
制作
音楽工房
脚本・作詞:あおい英斗
作曲:
なかむらたかし、山本雅士
編曲:
なかむらたかし
指揮:
中村貴志
アンサンブル
オーボエ:川人大地
ハープ:内田奈織
第1ヴァイオリン:村上慈
第2ヴァイオリン:森本令
ヴィオラ:若松芳
チェロ:佐藤響
コントラバス:石川徹
キャスト
明智光秀:秋本靖仁
帰蝶(お濃):
楠永陽子
織田信長:瀬田雅巳
斉藤道三:伊藤正
南光坊天海(語り部):福嶋勲
足利義昭:田中良和
僕が作曲を手掛け、2010年の10月から12月にかけて
FM AICHIで放送された
ラジオ・ミュージカル『本能寺が燃える』。番組は当時同時間帯における最高聴取率を獲得し、第48回ギャラクシー賞ラジオ部門奨励賞と2011年JFN賞企画部門大賞を受賞。
2011年6月に舞台化され、同年夏にラジオ版が全国展開。ちょうどその頃、大阪でも上演されると決まりましたが、それから初日を迎えるまでの道のりは険しく、長かった。正直、辛かった。
大阪公演にあたり、台本を一から見直すこととなり、主要キャストに的を絞り、よりそれらの人物の心情を深く掘り下げることになりました。そうして出来上がった台本を僕は気に入りました。
一方で、大幅に音楽を変えたい思いに駆られました。台本が変わり、
名古屋の舞台初演の時とは違った楽器編成なので、音楽もそれに合わせて変えなければなりませんでしたが、それ以上にそれ以前の音楽に満足できなくなっている自分がいて、これを機に見直して、大幅に改訂することにしたのでした。
しかし、これが全然上手くいきませんでした。楽想が浮かばない。アイデアが浮かばない。いわゆるスランプですね。苦しかったです。まったく進まない日もざらでした。本当は5月のゴールデンウィーク明けまでにやって、悠々自適ライフを楽しむつもりでしたが(笑)、その段階で大半ができていない状態でした(甘い考えを持ったバチが当たったか)。悶々としましたが、冷静になることに努め、楽想を探りました。そうして少しずつ少しずつ書き進め、しかし、それで本当に良いのか推敲し、そうして完成させたのが大阪公演の音楽です。「すべてを出し切った」、「これで良い」と言えるものができたと思っています。
さて、この公演には色々な(特に時間的な)制約があって、出演者にもスタッフにも大きな負担がかかりました。しかし、全員が真摯かつ柔軟に取り組んで下さったお陰で、本番では初日ゆえの緊張も手伝って多少の事故はあったものの、良い形で初日を迎えられたと思います。天海がすべての物語を語り終え、帰蝶に導かれつつ、この世を去る部分ではグッときましたね。一方で、初日を無事に迎えられた安堵に満たされました。大阪能楽会館ならではの舞台を作り上げることができたのではないでしょうか。
記事は
二日目へと続きます。