当時その店の売り上げトップ3はだいたい決まってて
一位が超ド級の太客を抱える、おっとりとした雰囲気のランさん、
二位がスレンダーでモデル体型のサキさん、
三位がこれまたスラっとした美人のマイさんっていう感じでした。
二位、三位のサキさんとマイさんは仲良しで、
仲良しって言ってもかなり一線を越えた仲良しで
一緒のマンションで暮らしてて店に来るときも帰る時も
だいたい一緒っていう微笑ましい二人でした。
店の従業員もキャストたちも二人が
ビアンだってことは周知していました。
ある日、まだ開店前の待機所でサキさんとマイさん、
二人そろってタバコを吸っていました。
「あれ、早いですねえ?」と問うたところ
サキさんはこれから指名客と食事をしてから
同伴出勤をするとのこと。
「おお!いいですね!じゃ7卓(指名客がよく座る席、薄暗い)に
ポンパ(ポンパドール=シャンパン)20本くらい並べときます!?」
なんて軽口を叩いて「ふざけんな笑」「バカじゃねえの笑」等の
ツッコミをいただいていたらマイさん私物のでかいバッグから、
ゴロっと電気マッサージ器が転がり落ちました。
それを見たサキさん、
「あっ、バカ・・・!(小声)」
若い人でも肩がこったり筋肉痛になったりすることもあるでしょう。
サキさんが「何してんの、どんくさ笑」とか言ってれば
わりと僕はピュアなのでマイさん、
肩こりかな?なんて思ったんでしょうけど
「あっ、バカ・・・!(小声)」なんてリアクションとられたら
ハハーンってゲスな勘繰りしちゃいますよね。
見なかったふり、聞こえてなかったふりしながら
「あー案内所行かなきゃ」なんて無理矢理用事を作って
待機所を後にしました。