クリス・グレンをご存知でしょうか?
オーストラリア出身で日本在住のDJがいるようですが、その方ではなくてスコットランドはペイズリー出身のベーシスト、クリストファー"クリス"グレンの事です。
一番有名な経歴は、MSGことマイケル・シェンカー・グループへの参加でしょう。
マイケル・シェンカーのソロ1作目はモ・フォスターがベースを弾いていますが、バンド形態の「MSG」としての活動開始から参加しているのがクリス・グレンです。
MSG以前には、センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンド(以降SAHB)に在籍していました。
SAHBのギターはザル・クレミンソン、ザルは後にナザレスに加入しています。
ドラムスのテッド・マッケンナはロリー・ギャラガーのバンドに参加した後、MSGで再びクリス・グレンとリズムセクションを組む事に。
ここでちょっとマニアな人なら、上記の名前がある1人のベーシスト/プロデューサーで繋がるのに気付くかも。
ディープ・パープルのベーシスト、御大ロジャー・グローヴァーです。
御大はナザレスをプロデュースしていますし、ロリー・ギャラガーもプロデュースしています。
マイケル・シェンカーのソロ1作目も御大のプロデュースで、ベースにモ・フォスター&ドラムスにサイモン・フィリップスと言う凄腕仕事人コンビを招聘したのは御大の人脈です。
おっと脱線(笑)
そのクリス・グレンですが、SAHB時代は伊達男風でジーパンの上に貞操帯(?)と言う変な衣装でして(笑)
その衣装は初期MSGでも着用していたようです。
まあ、ザル・クレミンソンなんかはピエロのメイク&衣装でもっと凄かった訳ですが(笑)
それからしたら、ボーダーシャツのアレックス・ハーヴェィは地味だよな(笑)
MSG One Night at Budokan
右中段がクリス・グレンです。
ハルク・ホーガンの「一番Tシャツ」に黒のスリムジーンズと言う格好が当時を偲ばせます。
手にしているベースは「KNIGHT」とロゴが入ったカスタム物で、クリス・グレンのオリジナルモデルです。
PUは全てディマジオ製で、フロントとリアにMODEL-ONE、センターにP-BASSと言う仕様。
赤色が退色したチェリーサンバースト「レモンドロップ」を真似たような色で派手な虎杢が浮いたメイプルトップのエクスプローラーシェイプのベースなんて、当時としては行き過ぎな位の伊達っぷりです。
ベーシストとしては決して上手くない・・・いや、本当は上手いのかも知れないけど、その「技量」をひけらかすような演奏をしていないだけなのかも。
どちらかと言うと、黙々と「縁の下の力持ち」を演じていたベーシストだったのではないか?と。
特にドラムスがコージー・パウエルの時(上のライヴ盤がそれ)は、イケイケの派手な「一番槍」のドラムを叩くコージーに「押っ取り刀」のクリスと言う図式で(笑)画ヅラが見えないと通用しないベーシストかも知れません(笑)
コージー脱退後に、SAHB時代の盟友テッド・マッケンナとのコンビになるのですが・・・正直、この2人の「おおらかなブリティッシュロックの王道的リズムセクション」は、マイケル・シェンカーの「意外に細かい神経質なノリのリズム」と噛み合っていない気がする事も多々・・・
まあ、そんなこんなで80年代の洋楽ハードロック/ヘヴィメタルにハマっていた私にとっては、直接の影響は受けていないけど良く知っている、と言うベーシストなのです。
ぶっちゃけ好きなベーシストですねぇ・・・この時期の「見落とされがちなベースヒーロー」は、ジミー・ベインとクリス・グレンだと思っていますので(笑)
で・・・
その「伊達男」クリス・グレン・・・倍ぐらいに膨らんでいます(爆汗)
画像は拾い物を無断借用です
高木ブーにしか見えないです(汗)
手にしているベースは前出の「KNIGHT」と同意匠ながら、PUをEMG(多分)のPJレイアウトにした物ですね。
この写真は自身のバンド「The OUTFIT」での写真かな?
しかしちょっとこの変わりようは・・・
ところで80年代前半、マイケル・シェンカーは非常に高い支持をされていまして、国産メーカーはこぞって白黒塗り分けのフライングVコピーモデルを「マイケル・シェンカー・モデル」として販売していました。
当時の事ですから、当然ロイヤリティなんて払っていないでしょうね(笑)
ああ、アリアプロUのXXが白黒塗り分けにしてマイケルに使ってもらってたか・・・
アレは持って帰ったのか、それともメーカーに返したのか、もしかしたら壊したとか(汗)
で、グレコはクリス・グレンモデルまで作っていたんですねぇ(驚)
この画像も拾い物の無断転載です
かなり本物に近い感じに仕上がっていると思います。
ボディシェイプと合っていないピックガードの形状は「そんな所までコピーしなくても」と言う部分ですね(笑)
3つのスライドスイッチが各PUのON/OFFでしょう。
3つのコントロールはどうなっているのか判りませんが、本物の方は3つともスタックノブに見えますので、もしかしたら各PUのVOL&TONEの3V3Tと言う回路かも。
コピーモデルの方、これトップ材はシカモアっぽい気がします。
しかし、これ実物を見た記憶が無いんですよねぇ・・・
グレコのエクスプローラーベース(当時は本家ギブソンでも作っていなかった!)EXB-900は、たまに中古で出物が有るようですが、このクリス・グレンモデルは本当に生産されていたのかしらん?