2011年モディファイ企画第2弾(?)です。
電気楽器用エフェクターメーカー数有れど・・・
「変態エフェクターメーカーの老舗」
で通じてしまうメーカーは一つしか有りません。
それは「エレハモ」こと、エレクトロハーモニクスです。
1960年代にマイク・マシューズが立ち上げ、最初の製品こそシンプルなブースター(現在のLPB-1がその血統の末裔)でしたが、70年前後にBIG MUFFを発表し一気にトップメーカーの座に着いたと言えるでしょう。
以来40年間、紆余曲折は有ったものの現在でも健在のメーカーで、個性派のエフェクターを多数開発し販売しているメーカーです。
今回、そのBIG MUFFにモディファイを加えました。
BIG MUFF π
正式な名称は「ビッグマフ・ピー」なのですが、大抵の場合は「ビッグマフ」だけで通じます。
これはかなり最近の物です。
「BIG MUFF π ORIGINAL」と言う名称が正式なのかな?
俗に「USA第3期モデル」と呼ばれる仕様が基本です。
実はちょっと前に入手していたのですが、イマイチ納得出来ない部分が有りまして・・・
今回加えたモディファイの機会を伺っていた部分もあります(笑)
スイッチ周囲のキズは前オーナーがスイッチを着脱した痕かな?
回路実装部
・・・アルミ電解コンデンサだらけです。
BIG MUFFの回路なら、殆ど全てのコンデンサはセラミックあるいはフィルムで大丈夫な筈ですし、実際そうだった筈です。
何でわざわざアルミ電解コンデンサに変更したんだろう?
昔の物に比べて、音が奥に引っ込んだような感じになってしまっている(記憶補正が掛かっているかも?)のは、この辺に原因が有るのかも・・・
でもコンデンサ全とっかえなんて面倒なのでやりません(笑)
まず「USA第3期」それも一時期の物に装備されていたと言う「トーンバイパス・スイッチ」を付けてみます。
これは内蔵されたトーン回路を文字通りバイパスしてしまおうと言うスイッチです。
BIG MUFFのトーンコントロールはちょっとユニークな物でして、ハイパスフィルターとローパスフィルターが1つのノブで操作される形式です。
つまり、全閉の状態だと高域が削れた丸い音で、全開の状態だと逆に低域の削れた鋭い音になります。
中立近辺の時は、中域が削られたいわゆるドンシャリ系の音になるのです。
ただし、この回路を通るとゲイン(平たく言えば音量)が下がってしまうのです。
これをバイパスすると、フィルターを通過しないのでゲインが高いまま出力されます。
音色の方も、中域が削られていない音色が出て来る事になります。
回路を検証して何処と何処の間を繋げばいいか確認して、そこから配線を引き出しスイッチを付ける、と言う作業です。
配線の引き出し完了
トーンのポット、基板直付けの足は切り落としてしまいました。
配線を直接引き出す形になるコンデンサは足を継ぎ足して基板上に寝かせる事に。
スイッチはクリフ製(?)の9Pスイッチでスルーバイパスにされています。
配線はフラットケーブルでした(この辺は去年入手したフリケンシーアナライザーと同じ)が、回路を検証している間にちぎれてしまいまして・・・この辺の配線は全部やりなおしました(汗)
スイッチの取り付け
ケース上面に穴を開け、6Pトグルスイッチを取り付けます。
このスイッチが基板上のコンデンサに干渉する事が判り(またかよ(苦笑))干渉するコンデンサを基板上に寝かせるように変更しています。
・・・スイッチは他の部分にすれば良かった・・・
配線完了
右隅に写っているDCジャックも今回のモディファイポイントです。
このモデルはオリジナルに忠実に「外部電源ジャックはφ3.5mmのミニフォンジャック」と言うイヤな仕様まで再現しているのです(汗)
ACアダプター使用時にイチイチ変換プラグを用意しなきゃいけないのは面倒と言う事でのモディファイです。
それと入出力ジャックを定番のスイッチクラフト製に交換しています。
裏蓋を閉める前に動作確認をしてみます。
・・・あれ?・・・音が出ない・・・
OFF状態で音は出るのですが、スイッチを押してもインジケーターが点灯せず音が出ません(汗)
イカん・・・どこかでミスったか?と思って裏返してみたら・・・
電池を繋ぎ忘れてましたっ(爆笑)
改めて電池を繋いで動作確認、バッチリです。
おもむろに裏蓋を閉めて・・・
完成でーす!
スイッチのナットにはナイロンワッシャーを噛ましました。
コレが有れば着脱時にキズを付けてしまう危険性が格段に減ります。
バイパススイッチはここ
LEDの位置と対称に、と言う「見た目優先」で決めた位置です。
このせいで干渉するコンデンサ1つを寝かせると言う余計な加工が発生してしまいました(汗)
入出力ジャック取り付け面
何でDCジャックの位置がオフセットしているのかは謎です(汗)
内部で干渉が有る訳でもないのになぁ・・・
ちなみに第3期型のトーンバイパスはこの面にスライドスイッチが取り付けられています。
最初、同じようにこの面にスライドスイッチ(在庫部品が有った)を付けようかとも思ったのですが、角穴を開けるのが面倒なので止めました(笑)
いや・・・このケースは鉄製なのですよ。
アルミ製なら穴開けてヤスリで削って、と言う作業もまだ楽なのですが、鉄だと3倍位キツイのでイヤなのです。
さて、肝心の出音。
激変です。
個人的な好みからしても、トーンバイパスにした方が中域が残るおかげで太さと抜けが同時に出て来て好ましいと思います。
高域/低域共も減衰が抑えられ音量もグっと上がって、パワー感も増大と言う事無しです。
・・・このスイッチ、何で廃止したんだろうなぁ・・・
で、この改造。
腕に覚えのある方なら簡単に出来て、なおかつ効果絶大な改造だと思うのでお勧めしたい所です。
ですが、例によって
「当記事の内容を参考に改造して失敗したり事故になったりしても私は一切の責任を負いません」と言う事で・・・
なお、第3弾は資材の調達が済んでいないのでしばらく後になります。