特定の条件の下である物を観測し続けることを一般に定点観測と言います。
その物を正確に理解するには良い方法かも知れませんが、ものの見え方は、ちょっと位置をずらすとまったく別物に見えてしまいます。場合によっては正反対の答えが導き出される場合もあるでしょう。
ここで気づかなければいけないのは、事物を見て理解する時にその両方の見方を試みなければならないと言う事です。どちらかをはしょると片側の一面しか見ていない事になるのです。
考えてみればその事は特定の作業ばかりに必要ではなく、すべての判断にその広く目を向ける事を忘れてはならないのでしょう。
先日テレビの番組で見ましたが、ある地方の学校の校庭のお話です。その学校は甲子園に出られる位野球部が盛んなのですが、校庭に真ん中には一本の大きな樹が立っていました。もう何百年も学童達を見守っていました。野球部員にはなんとも邪魔な存在に見えましたが、その樹を見て育った多くの卒業生の事を考えると、人生に傘を作っていたような存在を感じずにいられませんでした。ちょうどHITACHIのコマーシャルだったと思いますが、「この樹何の木」のように枝葉をゆったりと伸ばした、頼りがいのある樹でした。

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