2019/1/31

久住親方の功績  
2019年、現在の左官業界は30代から40代が中心となり
大きくけん引している。その活躍は地域や枠に捕らわれず多彩
である。ほんの20年ほど前ならバブル期を経験したベテラン
職人が現場をリードしていたが、どうしても
「あの頃は良かった」と後ろ向きな思考になりがちだったが、
そんな左官業界に一石を投じたのが久住親方の考えだった。

それは「左官の技を後世に残す」「左官道具を復活させる」
そして「左官材料を絶やさない」そんな無謀とも言える
大きな思いは多くの左官職人を動かした。

運よく久住親方同様、昭和の高度成長期に置いても本来の
左官業のみで活躍し続けた親方衆を大勢残っていたので、
その活動は勉強会として全国各地で開催されるようになった。

当時は若かった者達も、あれから20年の年月を重ね
また、名人親方衆達も70代となり、久住親方の願いは
実りを見せ始めている。

若い世代はそこに新たな色や技術を取り込み、左官を更に
進化させて行くことだろう。

それは単に文化財や限られた現場だけではなく、公共の場や
店舗、ホテル、住居など幅広く活躍して行くことだろう。

そして親方衆のように、また新たな世代を育てて欲しい。
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2019/1/19

私はケチである。  
私はケチである。

そう言うと若い人には抵抗感があるかも知れない。
なぜなら誰しも、そうは思われたくないからである。

事実、私もそうでした。やはり付き合いもある。
社員や後輩もいる。

しかし、ある出来事がきっかけで私はそんな
呪縛から解き放たれました。

本当に些細な出来事でした。

それは今から3年近く前、毎年開催されていた親族での
新年会の席。 私の妻に話しかける一人の姉。

そして妻から聞かされたのは「大丈夫?」
「無理してない?」「だってヒロはケチやから。」
※ヒロは私の愛称です。

それは決して悪口では無かった。私には5人の姉が
おります。 その姉ちゃんはその中でも年が一番近く、
そして私を大変可愛がってくれました。加えて
その姉は姉弟の中で誰よりも恵まれた家柄に嫁ぎました。

そんな姉の言葉を妻から聞き、私は長年の肩の荷から
開放されました。

実は私の父。 折り紙付きの相当なケチでした。
そんな父の生き様が自然内に私達姉弟に染みついて
いたのです!

父は第二次世界大戦を20代初頭、海軍として戦いました。

そして終戦。焼野原の中を息抜き、私達7人兄弟を
養ってくれたのです。
幼少期は私達の食べ物は本当に質素でした。
服も兄の御下がりは当然で、中学での制服はいつも
すり減ってテカテカ、3年生での卒業写真では
とうとう、エリのカラーが締まり切らず、輪ゴムで
締めて、それでも出来た僅かな隙間をマジックペンで
修正したほどです。

だから、そう言った姉でさえ。裕福な家庭に嫁いだ
姉でさえ、質素倹約が身に付いてしまっているのだと
感じました。

私は月に10日程、仕事で各地へ出張に行きます。
知らない人は全国を廻れて羨ましいなと言います。
きっと各地で美味しいモノを食べているんだろう、
とも言います。

勿論、絶対ないとは言いません。
でも、あっても初回か、数回程度です。

やっぱり、美味しいモノは家族と一緒に喰ってこそ、
美味いモノであり、一人で喰っても何の意味もありません。

だから、出張時はむしろ自分をハングリーな状況に追い込みます。
自前で手弁当を作り、お茶も2リットルペットを小型
ペットに分けて飲みます。どうです。聞けば俺ってケチでしょ。

でも私に言わせければ、これは倹約です。

ちょっとでも節約すれば家族と一緒に食べる時の
軍資金に回せます。 どんなに我慢しても、その時の
家族と一緒に美味しいモノを食べる時の笑顔が何よりも幸せです。

ありがたいことに、この年でも大勢の飲み仲間に囲まれて
います。でも私達の誰もが共通している意識は絶対!割り勘!

後腐れなく、いつもマイペースで、誰にも負担なく、
そして、たいして喰わなくても、飲んでばっかりでも、
更に長い時間居ても文句を言わない・・・お店。(笑)

こんな人生を私は幸せと感じております。

見栄を張らないとは気楽である。
身の丈に合っていると言う感じでしょうか。

昔と違い、今の世の中は見栄を張ったらきりがない。
もちろん、私だって少しぐらいの見栄は張ってますけど。

でも、どうでしょう。自分を「ケチ」だと、
認識すれば人生、更に人生面白くなりますよ。

大切な人と一緒に過ごす時間。人生、これこそが
本当の至福だと私は考えます。


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2019/1/16

(無題)  
昨日1月15日、関西テレビ開局60周年特番ドラマ「ブリッジ」を見た。
1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神淡路大震災を題材に当時、
実際に倒壊したJR六甲道駅を想像以上の速さで復旧させた男達の
ヒューマンドラマである。

正直、これまでも震災をテーマにしたドラマはありましたが、
むしろ目を背けてきた自分ではありますが、今回だけは
しっかりと見ていた。何故か、それはやっぱり人間の弱さや
愚かさをしっかりと描いているからなのかも知れません。

震災直後、きれいごとでは語られない面も間違いなくあった。
盗難事件や暴力、荒れる者、自暴自棄になるもの。
正直それらは現実でもあった。

またその反面で真っ暗闇となった信号機が点かない交差点を
見事に譲り合いながら確実に進んでいく姿は自然と生きている
こと、生かされていることを互いに感じあい感動した一瞬でも
あった。あれから24年。

震災を語り継ぐことが大事と語る。

上手くは言えないが、素晴らしいドラマでした。
復興の携わった多くの職人さん達に改めて感謝申し上げます。
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2019/1/7

2019年を迎えて  
新年明けましておめでとうございます。

今年は色んな意味で激動の年になりそうである。
大きくは元号が変わること。そして消費税の増税。
更に建築の現場では東京オリンピック開催に向けてのラストスパートとなり、
見え難い所ではアメリカVS中国との貿易戦争の影響で色々な資材不足や
価格の値上がりが見え隠れしている。

とは言え全体的な期待感が大きいのも確かである。

昭和天皇が崩御された年はその前の闘病中から自粛ムードが広まり、
社会全体が暗くなってしまっていたが、今回の場合はそうではなく、
皆が新元号を祝福して迎えられる雰囲気に感じ取れる。

いずれにしても今年こそ災害の無い一年であることを心から願ます。

また、事件なども起こらないで欲しい。むしろメディアもあまり
深く報道して欲しくない。例え我が身に降りかかっていなかったと
しても、この年になると不幸な事件は聞くだけでも辛い。

そして「職人魂」は今年、大きく生まれ変わります。
より見易く、そしてスピーディーに新商品の開発含め、ドンドンと
チャレンジして行きます。

※ただしパソコンとシステム導入が1月中なので具体的には2月からの
スタート予定です。

そして最後となりますが、皆様の大活躍をご期待しております。
そのためにも、しっかりと体調管理し元気であることが何よりです。
私たちもそうですが、中々休めない訳ですからついつい無理を
しがちですが、そこのところは気を付けて下さい。
一番良いのが職人仲間同士がちょっとでも顔色が冴えないとか、
元気がないとか、そんな時は声掛けしてあげるのが良いかも
知れませんね。

では今年も「職人魂」を宜しくお願い申し上げます。



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タグ: 左官 職人

2018/7/12

鏝(こて)と鰻(うなぎ)の話  
 まずは2018/7、豪雨災害に被災された方々に
深くお見舞い申し上げます。当方、兵庫県三木市末広町も
危険非難地域となり、運よく難を逃れましたが、
昼夜を問わず荒れ狂うような豪雨は本当に水の怖さを
思い知らされました。

さて本題ですが、今日は「鏝と鰻の話」です。

字が似ている?それだけの話だったらこの話はすぐに
終わってしまいます(笑)

鰻(うなぎ)と言えば絶滅危惧種と言うことで漁獲高が減少し
価格も高騰しているため、土用の丑と言われても
我々庶民にとってはなかなか食べることが難しい
高級食材となってしまいました。

ではどうして鰻がこうも高嶺の花(たかねのはな)と
なってしまったのでしょうか?

昭和37年生まれの古い人間としては、そんな鰻の
歴史を振り返ってみます。

昭和の時代から鰻は高価な料理でした。
しかし、高価だからと言って高級と言う敷居の高いもの
ではありません。

むしろ、庶民に近いチョット背伸びをすれば届いた
贅沢だけで、それだに価値がある美味しい食べ物でした。

これは今の「お寿司」にも言えます。

当時は各地元に軒数は多くないが、必ずと言って
良いほど美味しい「うなぎ屋」の名店がありました。
この「美味しい」が重要です。

所がある時から「鰻」は大手牛丼チェーンのメニューとなり
スーパーの鮮魚売り場には季節を問わず並ぶように
なりました。 そりゃ鰻も品不足になりますよね。
で、高騰しているカラクリと言うのもある書籍で書かれて
おりましたが、実は国内の大手加工会社(鹿児島)が
高値で買い漁っているそうです。

漁獲量が落ちようが、誰よりも高値で買う。

そうすることでライバル店を圧倒。高く仕入れるから
高く売る。我々は仕方なく高く買わされる。

で、本当の問題は価格だけではない。

本当に大事なのが美味しいかどうかと言うこと。

今、私は鰻を年2回しか食べない。

なぜ2回なのか。それは年2回行く福井県の決まった
お店でしか食べないからである。
そこは「鰻街道」と呼ばれ、三方五胡で捕れた
天然の鰻を永年培われた技で焼き上げてくれ。
本当に美味しいのである。
家族にお持ち帰りもするが3日後に食べても
美味しいのである。

「何て贅沢」と思うかも知れませんが、
1匹でも3,000円もしないのである。
※お店で食べるのは半身です。

それでも年々高くはなっているのですが
スーパーの国産鰻とほぼ同等ではないでしょうか。

私も大手牛丼店の鰻も何度かは食べましたが
今は食べません。正直満足できないからです。

鏝も同様です。

私達はプロ用の鏝作りにこだわっております。
それは使い勝手は勿論、永く使って頂く
耐久性にもこだわっております。

しかし、そんな私達の思いとは裏腹に一部量販店では
海外生産やパート作業によって生産された安価な鏝が
出回っている。彼らに言わせればDIY用、つまり
素人(しろうと)用なのだが、悲しいかな
それを使っているプロの方が多いのも確かなのである。
物流の問題で鏝の専門店がない地域も多い。

本職の左官職人の多くは「鏝」に拘ってはくれるが
土木や水道、大工となれば状況も変わってくる。それが
当然と言えば当然だが「鏝」と言う道具のジャンルと
すればやはり深刻な問題である。

「鰻」同様「鏝」も「美味しい」と言う当り前の定義を
失わないことが大事だと考える。

左官職人が拘る(こだわる)壁も同様だろう。
クロスが定着したとは言え、左官壁の奥深さは
それの比ではない。しかし、それを知らなければ
意味がない。
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タグ: 左官  道具


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