なんかで読んだんだが、最近ぼんやりしすぎでなにで読んだか思い出せん。
リストラしたら、どのくらい企業はお金を節約できるのか、ちゅー話だ。
大規模な製造業(ソニーとかトヨタとか、という名前が挙がってた)では、人件費の占める割合は、すべての支出の中の1割ぐらいなのだそーだ。
で、ここで人員の30%をリストラしたとする。
単純に言えば、そこで企業が浮かすことの出来る金は、すべての支出の中の10%の中の30%、つまりすべての支出のなかの、3%である。
3%。
消費税より安い。「証券会社とかで投資信託を買ったりした時の手数料」みたいな金額である。外貨預金とかだとほっといても年率3%ぐらいつく。
そのほっといたら利息で回収できるぐらいの金額を節約するために、30%の人員を削減する。
30%の人間を削減したら、仕事上の不都合がものすごく発生するのは当然で、製造業なんかの場合は、その製造する商品の品質低下というような形であらわれる。
この20年ぐらい続いている「リストラブーム」というのは、3%というみみっちい利益のために、企業を弱体化させ、品質を低下させ、競争力を弱めて、韓国や中国のメーカーに追い越されていく、そして失業者を大量に出し、社会をいためつけ、内需を低下させ、デフレをまねく、というもんのすごい頭の悪い事をやっているんとちゃうんか、という話である。
これはサヨクの理論でもなく、新しい思想なんかでもなく、古い古いフォーディズムの立場からの批判である。
んで、なんでリストラというようなアホな事をやったかというと、これは正社員を非正規雇用労働者に置き換えるという作業である。そうする事によって、「賃金面で中国やインドと勝負しようとした」のである。つまり、賃金は中国やインドの水準まで下がる。それではモノが売れないので、物価はどんどん競争で下がる。デフレである。デフレなので給料はさらに下がり、税収も下がり、国が借金づけになる。
これが、いまの、「企業の業績はそれなりにいい数字がでて、株価もそれなりに維持されてんのに、世の中は貧乏人ばっかりになる」というわけのわからん状況の仕組みである。
もちろん、企業もリストラで自分の組織を痛めつけながら数字だけ出してるので、タコが自分の足喰ってる状態である。
というような話で、なかなか納得するもんがあった。
あ、「年俸で3億円ぐらい取っているCEO]とかそういう奴を切ったら、確かにリストラの効果はあるわけだがな。3億円のCEOをクビにしたら、年収500万の労働者60人雇えるぞ。

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