日頃から残虐な事をやり続けるイスラエルという国が、また新たに残虐な事を行う。常識の地平で言えば、完全にあり得ない行為、自らの国外で外国人非戦闘員を一方的に殺戮しているわけで、これは80年代の無茶苦茶の独裁国家でもあんまりやっていない事だ。
これは「狂気」である、という論評が多数見受けられる。果たしてそうか?
イスラエルは「普通では考えられない残虐行為」を繰り返し行い、それを60年間に渡って国際社会に見逃されてきた国なのだ。
一年半前のガザ侵略で、イスラエルは「通常では考えられない残虐行為」を行い、国際社会の世論は沸騰した。
しかし、それから1年半。イスラエルは国際社会からなんの懲罰も受けていないし、孤立もしていない。イスラエルは先月、OECD加盟が承認されたし、コンピュータ産業の主要な生産国として貿易でも潤い続けている。
国際社会はガザでの残虐行為を忘却したのだ。
いま、ふたたび、あり得ないような行為をイスラエルが行ったとして、イスラエル自身が、「国際社会はどうせ忘却する」と見積もる事は、不自然な事だろうか?
1年半前のガザ攻撃の時に、岡真理さんが言っていたのが非常に印象に残っている。
ユダヤ人はホロコーストを受けた。ホロコーストの時に、国際社会はユダヤ人を忘却した。つまり、彼らは「どの程度の事まで、国際社会は忘却するのか」という事をリアルに認識している。
日々、殺され続けているパレスチナの人々を解放する闘いは、忘却に抗する闘いとなる。

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