民主党政権なんかになってもどうせろくでもないのである。
という前提の元にだな、サヨク反対派は左派突っ張りをこくのが原則であるのであるが、最初の想定がむちゃくちゃにヒドイところを想定していたもんで、「意外とマシなんじゃないか?」という気が正直、せんでもない。
というか小渕政権あたりからの10年ぐらいがあまりにむちゃくちゃで、「これ以下はない」というところを次々と下の方に突破されていくという展開が続いてきたので、かなりいろんな事が麻痺しちゃってんだろう。
ここはひとつ、ワタクシが、右からも左からも叩かれてカワイソーな鳩山政権を、めちゃめちゃ賛美してやらんと思ったのである。若干のイヤミが混入するのは私の党派性なので諦めていただきたい。
で、沖縄基地移設問題である。
「結論先送り」というのは、なんだか叩かれまくっているわけだが、俺としては「けっこうイイんじゃないか?」と思っているのである。
だいたい、世の中的には「断固として決断する」というようなポーズが喜ばれる傾向にある。小泉純一郎なんかは、このポーズだけであれだけの支持を集めたのであって、その決断の中身はむちゃくちゃである。
米軍基地問題とは、日本国家にとってなんなのか、という点がマスコミでもなんでも全然問われていないわけである。
日本は敗戦以来、アメリカ合衆国という超巨大フランチャイズヤクザ組織にミカジメ料を払ってきた。自民党というのは、日本におけるアメリカのフランチャイジーであった。
今日、流れたニュースを見てみよう。
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核密約文書:佐藤元首相の遺族が保管 日米首脳署名
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091223k0000m010093000c.html
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なんと、このフランチャイズの契約書は、時の首相が自分の家に持って帰っていたのである。首相在任時は常にアタッシュケースに入れて持ち歩き、退任するときに持って帰っちゃったらしい。日本国外務省はこの文書を保持していなかったのである。
これが自民党の権力の源泉だった。
・・・というか政権交代から今日までかかって、これを必死こいて探していたんだな。こんなん、近代国家ではありえへん事なわけだが。
日本における政治権力とは、「アメリカとのパイプを保持している」という事と同意義だったのである。
で、こういう事になった以上、これまでと同じように、パテント料=みかじめ料を払い続けるというようなのはありえん事である。しかし、問題は、「相手がヤクザである」ということだ。
そこで、ああでもない、こうでもないというような話をうっちゃらうっちゃらうっちゃらうっちゃら続けることで、「いろいろとウヤムヤにする」というのは、ものすごく正しい態度なのではないのか。
国際政治の枠組みで言うと、この過程は「ヘゲモニー国家の移行」の過程である。
ブッシュ政権を経て、というか9.11を経て、アメリカ合衆国が唯一のスーパーパワー、ヘゲモニー国家の地位から滑り落ちる過程をたどり始めた。
これは歴史の中ではちょいちょい起こっている事だ。
20年前まではアメリカ・ソ連の二大超大国の分割支配体制だったし、70年前まではその地位はイギリスのものだった。その前はスペインだし、ローマ帝国だし、ギリシャだし。
アメリカが世界帝国として永久に支配し続けるという想定自体が非現実的なのである。
で、小泉政権時代の方針というのは、アメリカという沈む泥船に、最後まで一緒にいきまっせ、というものだったわけである。
なんでそんな沈む泥船にヒーヒーゆうてついていかなならんねん、というのが、昨今のEUの動きである。
普天間基地の問題では、アメリカは国務長官とか駐日大使とかが日本の対応にキレて見せている。しかしあれって、そもそも日本が金を払って、アメリカ軍の行き先を確保するという話なんであって、アメリカは一円の金も出さないで「どないしてくれんねん」と騒いでいるわけである。
「日本は脅せば金を出す」というのは、自民党政権が作ってきた慣習である。
そもそもがアメリカの軍隊だろう。アメリカが自分とこの軍事力は保持しつつ、基地被害はよそに押しつけようなどというのがおこがましいのである。
アメリカ軍はアメリカに帰れ。そっちのがよっぽど広いだろう。
追記
こういうのは反日サヨクである俺なんかじゃなくて、愛国者を自称する諸君が言うのが筋道というものなんじゃないのだろーか。

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