【警告】
これよりは・・・
そう、これからは・・・
醜く長き昼が舞い降りまする。
皆が集うこの世界に、真に眩き昼が舞い降りるのです。
お客様、我等はこれより------最悪の番組を演じる所存でございます。
ただし、それを御覧になる方には覚悟が必要。
激しく、恐ろしき番組は皆様の心を奪い、果ては粉々にしてしまうやもしれません。
それが怖いと思われるならば、皆様、15秒を差し上げます。
どうぞ退場なさってくださいまし。
カチリ
シーン11:レインボージュエルソリューション
敵が迫ってくる
それはプリキュアの歴史上最悪の敵
祭りは一時中断となった
ラブたちが実行委員会に事の重大さ知らせ、街の人たちを会場から避難させた
もう安全な場所は無いかもしれない
しかし、敵の狙いがプリキュアのみというシャイニールミナスの情報を信じ、とりあえず自分達から距離を取った方が良いと判断したのだ
ミルキィローズが敵が光の力を使う事を皆に説明した上で、戦術を説明する
「みんな、変身して敵襲に備えて!そして絶対に単独行動を取らない事!
吸収されたらおしまいだから!
一気に最強の技で行く!ルミナス!」
「はいっ!美希さん!キュアベリーに!」
「え・・・?あたし!?」
「希望のプリキュアのあなたの力が必要なのです。本当はのぞみさんと2人いれば完璧なのですが・・・」
「希望の・・・」
美希はビートアップし、キュアベリーに
「私と希望のプリキュアの意思で、『希望の光』をここへ召還します!!」
ルミナスは高らかに宣言した
ーーーーーーーー希望の光
プリキュア達の力の源、レインボージュエル
フェアリーパークに安置されている『希望の光』を再びここへ召還する
シャイニールミナスがキュアベリーの手を取る
「私に続いて唱和してください・・・」
「あなたは一体・・・?」
「・・・光の園のクイーンの意思、そして今回の敵、ウラーヌスの・・・孫です!」
「何ですって!?」
「行きます!」
「わ・・・わかったわ!」
ふたりが目を閉じるとルミナスは眩い光、ベリーは青い光を放つ
光の意思が命じる
希望の戦士が命じる
希望の光の力を我等の前に!
レインボージュエルよ!!
ヒュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン・・・・
ルミナスとベリーの体がさらに強い光を放つと、光の中心部からさらなる光がほとばしり始めた
それを確認すると、ルミナスとベリーは光を放つのを止めた
レインボージュエルがそこにあった
ミルキィローズが高らかに叫ぶ
「ウラーヌスが来たら、誰かが取り込まれる前にコイツでケリを付ける!!」
キランッ!!
「「「「「「「「「「!!!!!!」」」」」」」」」
天空に一つの光!
太陽!?
違う!そいつは逆にある!!
じゃあこれは・・・!!!
ルミナスの美しい顔の眉が歪んでいる
それを見て、ブルーム、イーグレット、ミルキィローズ、ピーチ、ベリー、パイン、ブロッサム、マリンは確信した
奴が・・・あの光の塊が今回の敵なのだと!!
ズウウウウウウウウウウウウンンン・・・・
ぐにゃぐにゃと形を変えながら光の塊が徐々に人の形を織り成していく
体高は3メートルほど
顔はギリシャの神殿にある石造のような丹精なもの
戦慄の表情を見せながらも戦闘態勢のプリキュア達9人
「!?」
ほんの一瞬、奴の体を構成するものの中に、複数の女性の顔のようなものが垣間見えた
「イーグレット・・・あれは!?」
「ブルーム!集中して!くるわっ!!」
カッ!!
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
一瞬光り輝いたと思った次の瞬間に衝撃派!!
テントや屋台が吹っ飛んでいく
衝撃派の中心に聳え立つ、人影
「奴が真の姿を現す前に・・・決めるっ!!!ブロッサム!マリン!!」
「「はいっ!!」」
レインボージュエルの力をふたりを中継して9人に分散する
バアアアアアアアアアアアアアアンッ!!
プリキュア達が一斉にフォルムチェンジ!
力が漲る!!
「相手がブラック、ホワイト、ドリーム、ルージュ、レモネード、ミント、アクアの7人の力を取り込んだとしたら・・・奴の力を加えても8人!」
ブロッサム、マリンをセンターに円形の陣を取る
「こっちは9人いるっ!!」
キュアピーチがロッドを構える
「倒したからって取り込まれたみんなが戻るかは・・・」
不安げなパイン
「大丈夫!パイン、今こそ信じる時よっ!」
ベリーが励ます
ここでプリキュア達が放つ大技は唯一つ!!
『プリキュ・レインボージュエル・ソリューション!!!』
その場にいるプリキュア全ての力を結集した最大最強の一撃
現状これに勝る技は無い
「不意打ち・・・」
マリンがぽつりと呟く
ブロッサムが手を握る
「不意打ち、裏切り、出し抜け・・・戦争では当たり前です!この戦いは勝つことが大前提です!」
雄弁に語っているが、その手は震えていた
「ブロッサム・・・!」
ぎゅっと手を握り返すマリン
はっ、と気付いたブロッサムは
「・・・ありがとう!えりか!」と笑顔で返した
「みなさん!行きます!!」
ブロッサムの号令に皆が頷いた
力を集約させる!
目標は衝撃波の中心!!
天空神ウラーヌス!!!
充填完了!!!
「「「「「「「「溢れる希望に勇気を乗せて!!光り輝く未来に届け!!プリキュアレインボージュエル!ソリューーーーーーーーーーショーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン」」」」」」」」
同刻
新生ラビリンス、イースの部屋
ビリビリビリビリ
手紙の封を破った
その封筒にはこう書かれてあった・・・差出人:山吹祈里
『拝啓。
暑さが日に日に厳しくなっていく中、いかがお過ごしでしょうか?
私達3人は元気にやっています。
今度、7月19日に四ツ葉町で行われるクローバーフェスティバルでダンスを踊ることになりました。
ごめんなさい。3人は元気というのは嘘です。
ラブちゃんはあなたと別れてからずっと元気がありません。
せつなちゃん、忙しいかと思いますが、一度クローバーフェスタの日に戻ってきてくれないでしょうか?
その日はプリキュアのみんなが四ツ葉町にやってきてくれますので、是非せつなちゃんにも戻ってきてほしいです。』
読み出した最初は、祈里への感謝と自分の不精な所に対する申し明け無さが交錯していた
だが
「プリキュアのみんなが今日・・・四ツ葉町に・・・!!」
手がわなわなと震える
場所は特定した!
しかし、そこが四ツ葉町だったとは!!
「急がないと!!アカルン!四ツ葉町クローバータウンストリートまで!!!」
赤い光がイースを包み込む
だが!
ぱああああああああああああああああんっ
ワープする事無く赤い光は四散してしまった
「こ・・・これは!?」
ワープ出来ない!
『悪の波動に満ちている場所にはいけない』というアカルンの特性が出ているのか?
「・・・いえ違うわ」
イースには思い当たる節があった
「『行けない』んじゃない・・・私自身が『行きたくない』と思っているから・・・・」
四ツ葉町
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
レインボージュエルソリューションの七色の光がウラーヌス目掛け飛んでいく!!
『光の敵を光の使者が打ち倒すには更なる光の力をぶち込むしかない』
それがプリキュア達の導いた結論だ
「「「「「「「「「行っけええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!」」」」」」」」」
9人が声を揃えて技を放つ
ウラーヌスの目前までレインボージュエルソリューションが到達した
まさにその時
「ふっ!!」
確かに笑った
最強の一撃を目の前に
そして
両手をまるで竜の口のように構えた
放つ技は!
「レインボージュエル・ソリューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーション!!」
「「「「「「「「「えっ!??」」」」」」」」
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
ウラーヌスの両手からほとばしるのは確かに七色の光
「はーーーーっはっは!レインボジュエルソリューションがプリキュアの専売特許だと思っているとは・・・とんだ目出度さだ!
レインボージュエルは我等光の神が弱い生物の為に造ったモノ!よって光の神である私の体内にはレインボージュエルが存在するのだ!!」
徐々にではあるが、ウラーヌスのソリューションが押して行く
「う・・・そ、そんな!?」
ルミナスがうろたえる
「孫娘よ・・・そなたはまだ女王であるためのしたたかさが足りないようだのう!」
そう言うと、ウラーヌスの胸に2つ、腹部に1つ、二の腕にそれぞれ2つ、大腿に2つ、女性の顔のようなものが浮かびあがった
「「「「「「「「「あ・・・あれは!!」」」」」」」」」
皆が見覚えある顔たちだ
ブラック、ホワイト、ドリーム、ルージュ、レモネード、ミント、アクア・・・
「そして・・・!!」
ウラーヌスがニヤリと笑うとさらに、肩の部分から2人の女性の顔が
「!!!???」
ショートカットとロングヘアーの女性
キュアブロッサムはその顔を見てはっとした
「いつきさんと・・!?」
キュアマリンはその顔を見て思い出した
「ゆりさん・・!?」
「ほう!知っている者がいたとはな!こいつ等は過去と未来のプリキュアだ!!こいつ等を喰って9対9だ!!」
ウラーヌスが笑いこう続けた
「そして・・・私を入れて10対9!!!私のソリューションの勝ちだあああああああああああ!!!!」
ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
見る見るうちにウラーヌスのソリューションがプリキュアのソリューションを押していく
同時に襲い掛かる絶望
「数が・・・あと1人・・・あと1人いれば・・・」
ミルキィローズが唇を噛む
「せつな・・・」
ピーチはうつろな目線でそう漏らした
目前に迫る七色の洪水
「せつなあああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーっ!!」
「ラブ!!!」
せつなの耳に懐かしい彼女の声が飛び込んだ・・・気がした
「ラブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
叫びながらアカルンを起動させ、赤い光の中へと消えた

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