「フレッシュプリキュア ラブの大冒険 完結編 〜閃光の章〜 第14話『太陽』」
ラブの大冒険 完結編〜閃光の章〜新装版
朝が来た
まばゆい光がアルティメットパッションの意識を呼び戻す
「・・・・・」
太陽の光の前に人影が見えた
自分によく似た女性だ
穏やかな表情でこちらを見つめている
「・・・お・・・お母さん・・・!」
パッションが呼びかけると、女性はにっこりと笑って消えた
一本のフルーレを残して
「・・・ス・・・スターライトフルーレ・・・!!」
『そうだ・・・神器クリスタルフルーレの最終形態!地上のプリキュア達がお前の危機を感じ託したのだ!』
「お・・・お父さん!?」
突如パッションの背後に現れた、髭面の屈強な男性はコクリと頷いた
父も母も13年前に死んだ
母は自由の女神として、レジスタンスのリーダーとして君臨していたが、メビウス軍に敗れ、処刑された
父は赤の騎士団長として勤めていたが、祖国を裏切り滅砕爆の餌食となり、逝った
父の魂が語る
『・・・お前の母イシスは・・・太陽のような女性だった。誰をも温かく包み込む力があった・・・
イース・・・いや、せつな!今こそお前も太陽になるのだ!仲間たちを、地上を輝き照らす太陽に!!』
「太陽に・・・!!」
グオオオオオオオオオオオオオオオオン
メビウスが来た
『せつな!フルーレを取れ!!
チャンスは一刀!!いかに伝説の武具とはいえ、今のお前の全力とメビウスの肉体との激突には何度も耐えられまい!!』
フルーレをじっと見つめるパッション
『この一撃にお前の全て・・・私の魂をも込めて奴のナキサケーベを叩き斬れっ!!
全てをこめてな!!!!』
父の助言に娘は素直に頷いた
思えばこの赤色のスーツは父の形見だったのだ
父がこのスーツに魂を移し守ってくれていたのだ
娘がメビウスに奪われても、じっと待っていてくれたのだ
帰ってくるのを
帰る場所を見つけるのを
たった一人で・・・妖精として生きても・・・
娘の為に・・・
『行けっ!・・・イース!!』
「・・・・・・・はいっ!」
父は思わず妻と選んだ名前を叫んだが、娘が返事をしてくれた事に驚き、喜んだ
真のプリキュアが使用できる最強の武器、スターライトフルーレ
それ目指し駆け出したアルティメットパッション
彼女の心中に色々な人の顔が巡る
さよなら・・・ラブ
さよなら・・・美希、ブッキー、タルト
さよなら・・・ミユキさん、カオルちゃん、トイマジン
さよなら・・・お義母さん、お義父さん
さよなら・・・レミさん、和希くん、正さん、尚子さん
さよなら・・・由美ちゃん、大輔くん、沢くん、御子柴くん
さよなら・・・四ツ葉町のみんな
・・・・この一撃で私は太陽になる・・・!!
太陽になってみんなを天空から照らすよ・・・!!
さよなら・・・!みんなっ!!
ギイィィンッ!
床に刺さったスターライトフルーレを、抜いた!
メビウスの攻撃を飛んで回避、さらに奴の背後に回りこむ
「はぁあああああっ!!」
爆発的にオーラを高めるパッション
その力がフルーレに伝わり、虹色の光を放つ!
メビウスもカウンターを当てるため、右の巨大な拳に闘気を集中させる
ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
2つの超パワーが互いめがけて突っ込んでいく
「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
『おおおおおおおおおおおおおおお!!!!』
パッションの身体に、フルーレに、亡き父の力もこもっていく
そして
スターライトフルーレとメビウスの右拳が激突した
ドンッ!!!
メビウスの右拳が粉々に砕け散り、さらに右腕全体を砕いていく
スターライトフルーレの勝ちだ!
ズガガガッガガガガガガッガッガガガッガ
メビウス右腕を砕きながら、ナキサケーベ本体のある胴体部分へ突撃するパッション
「グアアアアアアアアアッ!!」
カアアアアアアッ!!!
絶叫を上げながら、メビウスはナキサケーベの紋章から怪しい光を放った!!
仕上げの振り下ろしの態勢に入っていたパッションはそれをモロに食らってしまった
ピシッ!
光線のダメージでスターライトフルーレにヒビが!
だが、目をやられたパッションはそれに気付いていない
さらに!
バコン
メビウスはナキサケーベの紋章の上に自らの皮膚で蓋をした
それにすら気付かず、ダメージを受けたままのフルーレを振り下ろしてしまった
硬質の皮膚の蓋にフルーレが刺さった次の瞬間!!
パキィィィーーーーーーーーーーーーーン!!
フルーレの刀身は胴体から真っ二つに折れてしまった
ついに万策・・・尽きた
第15話『決着』につづく

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