「フレッシュプリキュア 第50話(最終話) 夢幻闘舞 その10.一瞬」
フレッシュプリキュアSS ラブの大冒険
下からのハピネスハリケーンA(アッパー)
突進型のハピネスハリケーンS(スクライド)
二つが同時に炸裂するとハピネスハリケーン・∞(ムゲン)
夢幻は破れ、無限が炸裂した
キュアパッションの強大な必殺技が炸裂し、当事者の2人は光に包まれた
ドサッ!
背中から倒れるキュアピーチ
「・・・ぐ・・・ぐぐ・・・」
膝を付き、上体を起こす
ピッ
青い血が飛んでいた
それと・・・
ピッ
中空を見つめるメビウスの頬に青い血が付着した
視線の向こう側にあるのは、吹っ飛ばされた自分の左腕
『・・・お・・・おおおっ・・・!』
先程まで誇り続けていた伝家の宝刀が、空しく宙を舞っている
『余の・・・腕が・・・いかなる武器にも勝るはずの・・・余の・・・腕が・・・!!』
ドッ・・・
地上最強の武器はその力を失い、床に落ちた
「・・・やっ・・・やぶっ・・・破った・・・・」
目の前で起こった事実に唇が振るえるキュアピーチ
呆然としたままのメビウス
「破ったよおっ!!夢幻闘舞っ!!」
キュアピーチは高らかに叫んだ
左腕を失った以上、もはや夢幻闘舞の構えは出来ない
キュアパッションの力は光と闇の力
闇の力で受けた傷は魔力ですぐに回復できない
そう!
満身創痍ながら、ついに総統に会心の一撃をくらわせたのだ!
メビウスは未だ、呆然としたままピクリとも動かない
『瞳』の中のキュアベリーが意識を取り戻した
砕け散ったイージスの盾と左腕の無いメビウスを見て核心した
「・・・ジークフリート・・・見て・・・あなたの盾が決めたくれたよ・・・!」
歓喜と絶望が渦巻く最終決戦地で唯一、冷静に戦況を見つめる『瞳』がいた
「・・・これからよ!これからが本当の勝負・・・!!」
プリキュア達の『母』であり偉大な先輩、桃園あゆみだ
この間は、一瞬・・・であった・・・!
メビウスがハピネスハリケーン・∞で腕を切断され、よもやの事態に我を失ってから、この瞬間まで・・・!
それは時間にしても・・・1秒にも満たない間だった!!
だが・・・
その間に・・・!!
ブワッ
メビウスの背後から気配と一疾の風!
さらに正面からも!
ドスッ!
ドスッ!
2箇所から噴出す夥しいほどの青の血
キュアパッションとキュアピーチは次の行動を起こしていた・・・!!
メビウスの左胸に突き刺さるパッションハープと右胸を貫くピーチロッド
「ラブ!!」
「せつな!!」
ふたりは全く同じ事を考え、同じ行動に出ていた
「ウ・・・ウオオオオオ・・・・!!」
血を吐きながら、呻くメビウス
「ラブ!離れて!!」
「せつな!?」
「早く!!」
キュアパッションの鬼気迫る表情にキュアピーチは下がるしかなかった
「・・・メビウス・・・!!もう・・・絶対に離さないわっ・・・!!」
「なっ・・・!?」
「私と一緒にこいつをくらえぇっ!!」
その絶叫の後、足元から吹き荒れる幸せの嵐
「ハピネスハリケーンッ!!」
ズオオオオオオオオオオオオオオッ!!
メビウスとキュアパッションを嵐が包み込んだ
「せ・・・せつな・・・!」
シュゥウウウウウウ・・・
「き・・・貴様ッ・・・余と・・・死ぬ気か!?」
「もう・・・決め技(ハピネススクライド)を撃つ体力がない・・・かといっていくら夢幻闘舞が破れても、まともに攻撃をくらってくれるお前じゃないから・・・
これなら100%命中する!私と・・・我慢比べよ・・・!!」
「ぬうっ・・・!!」
メビウスは自分の肩に乗るキュアパッションを引き離そうと掴みかかる
「・・・もう・・・一発ぁーーーーーつ!!」
ズオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
幸せの嵐が容赦なく吹き荒れる
その11.最大最後の逆転に続く

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