三条陸版フレッシュプリキュア その13〜執念〜です
ラストスパートです
ココから元ネタの方の台詞のシーンが減ります
どれだけ文章で戦闘を表現出来るか・・・
「このままでは勝てない」
そう確信したメビウスは最後の箍を外した
自らの右目を抉り、ナキサケーベの力を自らの体に施したのだ
巨大化するメビウスその一撃をモロに浴びたアルティメットパッションは・・・!?
バン!!
まるでトラックに轢かれたような内臓が揺さぶられる衝撃
ドガカァン!
岩壁に叩き付けられ、吐血するパッション
ぐぐぐぐぐ・・・彼女は震えながら体を起こす
聳え立つ巨人
その数メートルもあるであろう足が踏み潰しにきた
ドン!
パッションは全力で受け止る
「ぐうっ・・・あああ!」
オーラ全開で、その足を払いのけた
しかし、安心は出来ない
今度は大きな手でパッションを掴み取ろうとしてきたのだ
「!!」
ビュンッ!!
間一髪、飛ぶ事により脱出に成功
逃げる相手のザマをみて笑うメビウス
「・・・つ・・・強い!・・・それが・・・その巨人がお前の本当の正体か・・・!?」
「・・・無礼な」
パッションの問いに巨人の頭上にあるメビウスの顔が答えた
「!?」
「余の本体はあくまでもこの体よ・・・今の姿は余の力の源であるナキサケーベを全開にし、肉体を上乗せした魔獣の形態!」
「・・・ナキサケーベの力・・・」
パッションの脳裏に、『四つ葉スタジアムの悲劇』が思い浮かんだ
「恐らくこの巨人の姿になるであろう事はわかっていた・・・
覚えていよう・・・あの小さなクラインですらゴロアのような怪物に進化したのだ。この余の肉体に同じ進化を施せば・・・
こうなる事はわかっていたのだ!!」
「くっ・・・!」
「そして・・・力の源である自分自身が行えば二度と元に戻れないであろう事もな・・・
だが!!敗北よりは良い!敗北よりは!!ラビリンス総統メビウスの偉大なる名だけは守り通す事が出来る!!」
メビウスは不敵に笑う
その言葉でパッションは気付いた
・・・自分と同じ事をメビウスはしたのだ
勝利の為だけに・・・自分本来の身体を捨ててまで・・・!
地上:大阪
「ホワイト!!」
「ブラック・・・あなたも感じたのね・・・この上空にあった悪のオーラが急激に高まった事を!」
「うん!・・・最後まで残ったプリキュアの事をあたし達は知らない・・・けど!」
「そうよね!地上の為に最後まで闘うプリキュアに力を貸さない道義は無いわ!」
「「うん!!」
バシィイン!
ブラックとホワイトはスパークルブレスを取り出した
「ルミナス・・・これを天空にまで贈れるかな?」
ブラックはシャイニールミナスにブレスを渡す
「大丈夫です。既にメビウスの結界は消滅しています!」
ホワイトもブレスを渡した
「お願いね・・・少しでも力を貸してあげたいの・・・命ある限り戦い続ける仲間に・・・」
「はいっ!」
ルミナスは溢れる光の力を用いて2つのブレスを、天空へと転送した
「ファッハッハッハ!!!それもまた良し!!全てのパラレルワールドを支配する恐怖の魔獣になって恐れられ続けるのもまた一興よ!!」
攻撃を再開するメビウス
巨大な手足が小さなパッションに襲い掛かる
アルティメットパッション!光と闇の特異点!!お前にさえ勝てればッ!お前に勝つ事が今の余のすべてなのだッ!!!」
「メビウス・・・うあッ!」
ズガアアアアアアアアアッ!!
一瞬のスキをパッションは突かれた
身体を覆いつくすほどの拳がパッションと圧迫する
「砕けて散れッ!!パッション!!!」
「はぁあああああああああああああああ!!」
そうはさせまいと、光と闇のオーラを全開にする
ドオンッ!
拳を振りほどき、メビウスの頭上を越えて上昇する
玉砕覚悟で突っ込むしかない!
そう腹を括ったその時だ!
パシィィィンッ!
「・・・!?」
パッションの両腕に2本の輝くブレスレットが装着された
「これは・・・伝説の武具のひとつ・・・スパークルブレス!!」
プリキュアのスーツの記憶が、彼女に武器の正体を知らせる
「よおっしっ!オーラ全開!!」
両手から最大級の闘気を集める
するとブレスが反応して回転を始めた
力が・・・スパークする!
パッションは頭上で両手を組んだ
赤い光と黒い光がさらなるスパークを放つ
「プリキュア・マーブル・スクリュウ・スパークッ!!!」
ドオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!
大質量のエネルギーが稲妻を起こしながらメビウスに襲い掛かる
「!!!!!!!!」
ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
大爆発だ
「・・・やった!?」
爆風と熱波の先に目を凝らすパッション
「!!!」
向こうに見える巨大な影
影が動いた!奴はまだ生きている!
ズドオオオオオオン
次の瞬間、巨人の手がパッションを地面に叩き付けた
「ぐあっ!」
メビウスの身体には無数の傷は付いているが、大きなダメージとは程遠い
しかも、スパークルブレスはパッションのオーラの強さに負けて粉々に砕け散ってしまった
「・・・ぐぐ・・・せ・・・せめて武器が・・・せめてパッションハープさえ・・・あれば・・・」
何度もメビウスに掴まれては地面に叩きつけられるパッション
そして、ついに!
グサッ!
メビウスの爪がパッションの胴にめり込んだ
腹部から大量の出血
そして、パッションは力無くだらりと崩れ落ちた
「・・・勝った!!勝ったぞ!余は勝ったッ!!」
メビウスは勝利を確信した
地上:博多
ローズ「た・・大変よ!天空のプリキュアの力が小さくなっていくわ!」
ドリーム「・・・何とかしなきゃ!」
レモネード「シロップ、あの天空にまで私達を連れて行けないの?」
シロップ「無理ロプ!仮にあんな上空まで行けたとしても空気は薄いし、気温も低すぎるロプ!」
ルージュ「そ・・そんな・・・あたし達はただ黙って見上げる事しかできなの!?」
ミント「ルージュ・・・」
アクア「・・・あ!そうよ!シロップ!メルポは天空まで行けないかしら?」
シロップ「メルポなら大丈夫ロプ・・・けど人間は転送出来ないロプ!」
アクア「荷物は贈れるかしら?」
シロップ「メルパックを使えば30キロまで大丈夫ロプ」
ローズ「アクア・・・どうするつもりなの?」
アクア「・・・みんな、フルーレを出して!それをドリームの力でひとつにするのよ!」
「「「「「え!?フルーレをひとつに!!??」」」」」
知性の青き泉の思いつきは、天空のキュアパッションを救えるのか?
天空
「アーッハッハっ!!!ハーッハッハッハッ!!!」
うずくまり動かなくなったアルティメットパッションを見ながら高らかに笑うメビウス
だが、最終形態となったメビウスに隙は無かった
すぐに冷静さを取り戻し、パッションに迫る
「いかんいかん・・・奇跡は起こる・・・何度でも!!
キュアパッションの死骸を粉々にせぬ限り、終わりはないのだった・・・!!!」
ジリジリとパッションに迫るメビウス
そこへ・・・
「メルーッ!!」
「?」
突如天空に現れたメルポは、ひとつの光を吐き出した
「な・・・なんだこいつは!」
メビウスがギロリと睨むと、メルポは慌ててワープして亜空間に消えた
残された光の塊
ギュウウ・・・・・ン
それが細長い形となり、メビウスの周囲を一周してから倒れるアルティメットパッションの目の前に突き刺さった
光がほとばしる
「こ・・・これは・・・」
メビウスが目を奪われた、その輝きの正体は・・・
クリスタルフルーレ!!!!
「スパークルブレスに続き・・・伝説の神器が・・・なぜ・・今ここにッ・・・!?なぜっ!?」
日が昇る
この天空の闘技場に朝がやってきたのだ
クリスタルフルーレの刀身に朝日が差込み反射され、倒れたパッションを照らす
優しく、まばゆいばかりの光が

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