「その日はGMバンドのリハーサル・・・・・のはずが」
GM(仮)
JJ(Dr)タメ子(Key)が我が家に到着、でリハーサル始めるかと思ったら何故かホームセンターへ買い出しに。
網、炭、ランタン、ブロック・・・・・これってひょっとしてバーベキュー用品の買い出し?
JJ「そうやで」
ほほぅ、でいつやるの?
JJ「今日やで」
マジかよ!?でも、さっき飯食ったばっかだ
JJ「すぐ腹減るやろ?」
それは確かにそうだが・・・・・いやそういう問題じゃない。
何故何の予告も無しにバンドリハーサルがバーベキューパーティーに変わるんだ?
JJ「バーベキューしながらミーティングするねん」
成る程、さすがJJ
バーベキューを皆で楽しみメンバーの結束をより強固な物とし、腹も満たしながらミーティングも兼ねる。何と無駄の無い。
買い出しを済まし、いざバーベキューポイントへと向かう。
と思いきや、突然車を道の路肩に止め道端に荷物を下ろし出すJJとタメ子。いったい何が始まったんだ?
JJ「ここやで」
ここ(歩道の真ん中)がどうしたんだJJ
JJ「バーベキューに決まってるやん。殆んど人通らへんから大丈夫」
と言ってるそばから、高校生がチャリで通過していく。
前代未聞
「歩道でバーベキューパーティー兼バンド親睦会」が幕を開けるのであった。
バーベキューは始まった。しかしここは歩道だ、人の往来もある。こんな所でやってもいいんだろうか。
JJ「そうやな、これじゃ人通れんから、もうちょい端に寄せよか」
そういう問題なのか?でも普段からバーベキューをやってるJJが言うんだから、きっとこれで間違い無いはずだ。そうきっと・・・
炭に火を付け米を炊く準備をする。網も暖まってきた所で肉を投入。
うむ、段々バーベキューらしくなってきた。
頻繁に通過していくチャリや車やジョギングのおじさんさえ気にならなければ。
いかん駄目だ、全く落ち着かない。バーベキューとはこうも激しい恥辱に耐えながら、行わなければならない物なのか。
JJ「もっと堂々としたらいいねん。そうすれば通りがかる人も「ああ、ここはそういう場所なんだ」って思うから」
俺は雷で撃たれた様なショックを受けた。そういう事だったのか。
自分自身に恥ずかしさや申し訳なさがあるから、それが相手に伝わってしまいお互いに違和感が生じてしまう。
もっと堂々と、つまり歩道でバーベキューをしているという事に誇りを持っていれば自ずと違和感は消え去り、その行為も極めて自然な物になるという事だったのだ。
何と奥の深い。
と、しきりに肝胆している所に、一台のバイクがゆっくりとこちらへ向かってくる。巡回中のお巡りさんだ。
これはヤバイ、言い訳のしようがない。この状況をどう説明すれば許してもらえるんだろうか・・・・・
お巡りさん「・・・酒か」
え、そこなの?
特にお咎めも無く立ち去っていったお巡りさん。歩道でのバーベキューには一切触れる事も無く。
これがバーベキューの真の力なのか。国家権力ですらも抗うことは出来ない。
とか言ってる間にニャカヤマとニッピーが到着。何やかんやで雨降り出して撤収。家に引き上げて飲みなおす。んで終了。
久々のバーベキュー(約10年ぶり)は、驚きと恥辱とスリルと神秘に満ち溢れた体験だった。予想通り殆どGMバンドの話はしなかったけどこれはこれでアリかもしれない。
いや、ないな(笑)

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