「One Cold Winter's night/KAMELOT」
DVD紹介
ロイ・カーン。
この男の声には独特のオーラが宿っている。
何と言うか・・・こう、濡れているとでも言おうか。今にも画面に結露が出そうだ。
キャメロットのブラックヘイローツアーの模様を納めたDVD。
全身全霊を傾けて歌い上げるロイ・カーンは壮絶極まりない。
聞き手の感情に直接訴え掛けるというか何と言うか・・・
余りにエモーショナル過ぎる歌唱は、なんだか粘度の高い変な汁がこぼれ落ちてそうな錯覚にすら襲われる。こうダラ〜〜〜ボタッ!と。
ハイトーンはキツそうだし、フェイクもしばしば使っている。技術的に完璧なタイプのシンガーではない。
だが、ここまで曲に、いや単語一つ一つにまで気を宿せるボーカリストがそうそういるだろうか。
びっしょりと濡れたロイ・カーンの歌声は聞き手の心と鼓膜まで湿らせる。しかもメロがとてつもなく無く臭い。臭さと汁っぽさの織り成す絶妙のハーモニーに、むせ返りそうになる。
そして、その汁っ気はライブという空間で頂点に達する。
俺は以前、ライブで生ロイに接近遭遇している。
実にその距離2m。
ロイからほと走る色んな汁を全身にぶっかけられ、そして隣で観てる勇壮なメタル戦士達(眼鏡リュック)からも色んな汁気を浴びせられ悶絶。
もしこの場で朽ち果てたとしても悔いは残らないが、そんなことで朽ち果てても「お前アホだろ」って言われるだけなので思い留まった。
それにしても本当に良く練られたライブだ。
照明は完全に曲とマッチングしてるし、三人編成のコーラス隊が、分厚いハーモニーを再現している。
それ以外にもゲストボーカルを三人(エピカのシモーネも含む)も呼んでる。
(扇風機ヘドバン中のシモーネ嬢)
このライブの為だけのリハも相当やってんだろう、作品に対する並々ならぬ情熱を感じる。
見所満載のライブだが、この曲はやはり最強。
メロディックメタル百選を選んだらこの曲と「フォーエバー」だけで50選ぐらい使ってしまいかねない屈指の名曲「センター・オブ・ザ・ユニバース」。
こういう速い曲であっても、ロイ・カーンという男は情感豊に歌い上げることが出来る。
ソロの前に入るフィメールVoとの掛け合いも完全に再現されている。
俺のバンド(コピバン)でこの曲をやる時は、このパートを俺の裏声(しかも歌詞適当)で再現していたんだが・・・今気付いた。
キャメロットに対する冒涜以外の何物でも無い。
まあ今後も止めるつもりはないけど。
DVD二枚目はメンバーのオフショット、このDVDについてのインタビュー、ビデオクリップなどが収録されている。
キャメロットの臭み、ロイカーンの汁気に魅せられた者なら間違い無く押さえておくべき一枚だ。
追記
この感覚はあれだ。ロイヤルハントのそれに近い。見ててこっ恥ずかしくなるこの感覚。ロイが二代目D.Cクーパーを襲名する日も近いのかも知れない。

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