ANTIKNOCKでINTEGRITYの来日LIVEを観てきた。あの日はずっと彼らを追いかけてきた人達にはまた特別な日になったと思うんだけど、熱心に彼らを追いかけて来なかった自分や普段ハードコアを聴いている人にとっても、やっぱり特別な日になったんじゃないかと思う。全てのバンドのステージやDJ、お客さん達も含めて企画の全てにリアリティーを感じたし、ハードコアとして完全に筋が通っていた。
全部のバンドが本当に最高だったんだけど、CREEPOUTのステージとMCにピット、INTEGRITYの凄まじいライブが始まった瞬間に荒れ狂うモッシャー、後半から彼らも立ち尽くしてしまうしかないライブは凄く印象的だった。違和感が有る人も居るかもしれないけど、自分はPISSCHRISTを観た日と殆ど同じ理由で、同じかそれ以上に感動してしまった。終わった瞬間に隣に居た友人に「ハードコアって本当にかっこ良いんすよね!」みたいな事を言ってしまったけど、あの日のアンチノックが今のハードコア・カルチャーそのものだったと思ったし、本当に凄いライブは演奏じゃなくてカルチャーそのものを観に行くもの。俺は本当にそう思った。後、この日はライブを観た人達と感想や感じた事が一致していたのも凄く嬉しかった。それが正しいとか間違っているという問題じゃなくて、感動を共有できたんじゃないかという意味で。
それと、行き帰りの小田急線で別々の人と話して感じた事なんだけど、今はちょっと前では考えられない組み合わせのバンド(やジャンル)の影響を公言したり感じさせるバンドが居て、それは世界的に増えてきている。今はもう、そういう時代。はっきり言ってそういう面ではリスナーにも今まで以上のものが求められてる。自分には足りないものが多くてまだ理解出来ない部分も有るけど、そこを追いかけて掘っていくって言う作業がまた楽しいんだろうと思う。
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DIE FOR YOUR HONOR / ST
マイスペで試聴した時点で完全にやられてたドイツのRuhrpott出身、エッジモッシュに近い感覚も有りつつ、やり過ぎなビートダウン・ハードコアの1st MCD。「やり過ぎ」って表現って自分も結構使うんだけど、本当のところはギリギリでやり"過ぎ"じゃないんすよね、あくまでもハードコアっていう枠内に収まってるから面白いんで、本当にやりすぎて別物になっちゃったら多分面白くないんじゃないかな、と。ただ、枠自体は確実に広げちゃってるから、これも確実に新しい、カルチャーのエッジの部分って事だと思う。最高です。
上で書いてるみたいに、色々なバンドに影響を受けて一言じゃ説明出来ないバンドが居る一方で、このバンドのRuhrpottもそうだし、俺が気になってるところだったら、ErieとかPittsburgh。Portlandのクラスト勢とか、それにClevelandも…だけど、出身地域を知る事で大体の音の感じを掴める気がする、根底にローカルなスタイルを継承しているバンドも居る。そういうバンドでもやっぱり、それを押し進める事や新たな影響を加える事でスタイルの枠自体を広げていくし、新しいものになっていくところが面白い。そして新しいバンドがまたローカルなスタイルとして根付いていく事も有るだろうから、ハードコアはまだまだ面白くなる。
90年代は80年代の検証期間だって言われてるけど、00年代もやはり90年代の検証期間だったじゃないかと最近思ってる。でも、同時にどちらの時代にもそれと同じだけの解釈、影響と引用による発展と成長が有ったから、青春時代を過ぎてもまだまだ成長していく。ハードコアっていうカルチャーは自分にとっては絶対に最高だし本当にカッコ良くて面白い。