基本的な"バンドとして"の音楽性は↑の動画の曲で聴ける感じ。2人のロシア語ラップ・ボーカルで煽る、ビートダウンも取り入れた現代的なTUFF GUY HARDCORE。CDでは全体的にはもう少しシリアスな部分が出てるかな、という感じ。こういうスタイルは今のロシアでの主流、というかチェック出来てる(偏ってるかも…)範囲では良く出てくるスタイルかも。
そこまででももちろんヤバイんだけど、このアルバムでさらにヤバイ部分はフィーチャリングのアーティストとカバー曲ような気がする。個人的には今までにチェックして、ヤバイと思っていたバンドのメンバーやラップ・グループが参加していてかなり興奮した。上のクレジットに分かる限りリンク貼ってます。
IzhevskのReasonsとの5 Corners のカバー、Reasonsは所謂今のハードコアでアルバムがDL出来る。カバーしてる5 Cornersは1994-2004まで活動していたロシアのバンドで音もクラシックな(ロシアだとNEXT ROUND的な)感じ。このバンドは知らなかったんだけど、94年からこういうバンドが活動して居た事がちょっと面白いと思った。当時から、欧米に影響を受けて同時進行的な音を出してるバンドが居るという、今と同じ現状が既に有った。自分が今チェックしてるのは現役〜新しいバンドだったりするんで知らないだけかもしれないけど、やはりロシアも他の国と同じだし、ハードコアは世界的なカルチャーなんだな。と、改めて。
次のLegion Clanとの曲が一番凄かったかも。Legion Clanは地元の本物のギャング達がラップをしているグループらしいんだけど、こういう風にハードコアのバンドの音源に参加すると思ってなかったからちょっと驚いた。曲も完全にロシアン・ラップ・クラシックで前半の曲と比べると完全にLegion Clanの曲かと思うくらいの振り幅にもやられた。N.O.V.I.Kという過剰なホラーコアみたいなラップをするヤツが居て、そいつに持ってかれてる感も有るかな…。やはりどこの国でもアンダーグラウンドのヤバいカルチャーは繋がっていくんだ、色んなシーンでみられる事だけど凄く面白い。あ、もしかしたらVILLAINZ UNITEDはちょっとギャングノリなだけかも…と思ってたけど本物なのかも。
skarhead のカバーは結構予想通りって感じ。ロシアでskarheadは凄く人気有るみたい。後La Coka Nostraも人気有るのかな、良くマイスペのフレンドのトップ〜とかで見かけるし、ポリティカルなエッジモッシュのMASKITもシャツ着てた。このカバーは予想内だけど、5 Cornersもskarheadもカバーしてるっていうのが、良いなと。多分直接に音楽的に影響を受けてるのはskarheadの方っぽいけど、地元の先輩に受けたカルチャー的な影響もしっかり意識してる。みたいな…事も勝手に感じた。
最後の曲は他にも数曲参加しているPiratoというラッパー(調べてます)とWhat We Feelの Bob 、彼はWhat We Feelっていう表記がされてるけど、多分MOSCOW DEATH BRIGADEのラッパーの一人のはず。MOSCOW DEATH BRIGADEっていうゴリゴリのagainst fascismを(What We Feelもそういう面を持ってる)標榜しているグループのラッパーがこういうバンドに参加するのは少し意外な気もした。けど、ビデオとかチェックすると彼らのクルーにも色んな人種が居るし、ロシアでこういうカルチャーに触れてるってことは少なからずagainst fascismにも触れる事になるだろうし、そういう部分で繋がっていく事になるのかも知れない。これは想像だけど、そういうつながりでカッコイイ音楽を作り上げる事も、もの凄く素晴らしい。
Try One’s Luck - Своё место EP
1. Intro 1:18
2. Больше чем город (More than the city) 2:31
3. Замкнутый круг (Exclusive circle) 2:34
4. Ничего святого (Nothing Sacred) 3:06
5. Мы сможем (We will be able) 3:31
6. Половина (A Half) 3:21