ご無沙汰しております。
今回、色々ありまして、ちょっと長文になりますが、お付き合いください。
人間の一生には、人生の分岐点となる転機がいくつかあり、日常が一変してしまうようなものや、今は小さな方向修正だが、将来に大きな影響を及ぼすようなものなど色々とあります。
私にもこの後者となる転機がこの4月にありました。具体的には、会社の基幹部署の責任者を降り、ものづくりを専門とする少人数の試作部門へ移動しました。
きっかけは、マッキントッシュのCEOであるスティーブジョブスの本で、その中のこの言葉に影響されました。
「あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きたりして無駄に過ごしてはいけない。教義、常識、既存の理論にとらわれるな。それは他人の考えた結果で生きていることなのだから。他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい。そして最も重要なのは、自分の心と直感を信じる勇気を持ちなさい。それはあなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。・・・」
みなさんご存知のように私の本業は普通のサラリーマンで、造型活動のキトラと、二束のわらじをはいています。本業である会社は人事異動が頻繁にあり、毎年期の変わり目になると、自分の意思とは別に会社の意向で部署が決まります。今までの私はその人事異動に関して、会社が決めた事に従う事が当たり前であると思ってきました。しかしこのスティーブジョブスの本を読み、自分が決め行動する事が最も重要である事に気づきました。
う〜ん ちょっと違うかな。以前から気づいてはいたけど、現状のしがらみや、将来のリスクを考えると、自分の本当にやりたい事に踏み出す勇気がなかったって事かな。
最終的に私は何を目指しているのか。私のビジョンは何かと考えたとき、会社員が一般的に目指す、会社役員や社長。私自身が本当にそこを目指しているのかと考えると、いいや違う!という結論になりました。私はキトラの活動を始めてからずっと、「造型物を造り、人を感動させたい。そして、それらの作品が後生に残り、造型家として名前が残れば最高だ」と思って活動してきました。
そこまで言うんだったら、会社をやめて、造型一本でという話にもなりますが、そこは家のローンや子供の教育費等、まだまだ現状のしがらみがあり、最小限のリスクで自分のやりたい事を実現させる為の岐路変更が今回の人事異動でした。
異動先では、現状の仕事をただやるのでは無く、ゆくゆくは本業での物造りと、キトラの物造りの融合を目指し、異動先の部門を充実させたいと思っています。
この転機が、私にとって良かったのか、悪かったのかは、ずっと後になってからでないとわからないと思いますが、何より自ら望み、自ら実行した事に対して、モチベーションはとてもあがっています。
今は小さな方向修正ですが、私が最終的に目指す私自身のビジョンへ向けて、大きく舵を切ったという事で、気力、体力ともに充実しています。
造型工房 キトラ 岡 健之

画像は、浅草のアサヒビール本部ビル21階から見たスカイツリー(真っ暗でわかんないかな)

3