かつて何度か国会に提出され、その度に物議を醸して廃案になっていった「共謀罪」法案が、先月再び国会で提案され議論となっている。
基本的にはこの法案、「国家の枠を超えた犯罪組織による様々な活動」すなわちテロ・スパイ・他工作活動や、犯罪シンジケートによる一国の法律を潜り抜けるような巧妙な犯罪に対して網を被せる……という、国際的な流れに準拠する形での批准・法整備が臨まれているものである。
そして、日本国内に限っても、国家の枠を超えた犯罪や犯罪集団によるテロ行為などにおいて十分な防犯・捜査・検挙が為し得なかった過去の事例がある。そのいくつかを踏まえ、国際的組織犯罪の防止と合わせてより早い段階での抑止を可能にする……というのがこの法案のお題目ということになる。
しかし、その内容や運用に関して、疑問や危惧が呈されているのも確かである。犯罪取り締まりに関する範囲の拡大が含まれる内容だけに、運用を誤れば危険なことになる以上、それは必要な議論であろう。
以下に、私なりに触れてみようと思う。

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