万世一系の皇室伝統を終結させ、形式的には世界最高の「権威」を持つ天皇家を単なる直系継承の「王族」にわざわざ落とさんとする……日本史上最大の歴史的危機は、偶然とは思い難い「慶事」によりひとまず先送りされた。何とも冷汗ものでありつつも、ともあれ喜ばしい事である。
さて、一時的にやや沈静化した議論を改めて振り返ってみると……私などのような「伝統的な男系継承の極力維持」を望む立場からは、いわゆる他方の「女系継承容認派」に、とある共通のスタンスが存在するのが印象的であった。
「旧皇族の復帰・即位は
絶対拒絶」
いわく「俗世にまみれて久しいいかがわしい人々だ」、いわく「国民の理解が得られない」、いわく「君臣の別を乱す」、いわく「現皇室の排除を意味し、簒奪である」、いわく「彼らが即位できるなら源氏平氏の末裔でも即位できる」、云々……
付ける理由は様々であるが、とにかく旧皇族方をどうにかして貶めてその「元宮家」たる正統性を否定するのに躍起になっている感がある。
繰り返しになる部分もあるかもしれないが、改めて「旧皇族復帰の否定」という主張がもたらす「皇室の危機」について述べてみる。

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