郵政民営化の是非を巡って喧々諤々の対立が政治ニュースを賑わせるようになった頃からだろうか……そう、ちょうど北朝鮮の拉致関係の動きが停滞し始めて、弱腰の政府への不満が漏れ出すようになってきたあたりだと思う。
ネット上で、「小泉は駄目だ」という論調が現れ始めた。それも、野党や左派勢力による反体制的なものではなく、いわゆる右派からの声である。
それらの声は郵政民営化における政局が混迷を深めるごとに高まっていき、選挙と自民党の圧勝を経て「小泉独裁・ファシズムを止めろ!」という流れへと収斂していった。今も、小泉政策の問題点・悪影響をすべて「小泉の意志による日本破壊路線だ」として弾劾し、「一刻も早く小泉退陣を」と主張している。
別にそれ自体は言論の自由でもあるし、構わないと思う。
だが、果たして小泉退陣は「日本を滅亡から救う」のだろうか?
逆に、小泉路線は「日本を滅ぼす」のだろうか?
そしてそれ以前に、そもそも「反小泉」という大雑把な枠が成立し得るのであろうか? その根拠は不動のものなのか?
なるべく単純化して、私の考えをまとめてみたいと思う。

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