2014/8/5

キャンディ・ステイトン再来日決定  R&B/ソウル

キャンディ・ステイトンの来日が決定しました。初来日から約2年、映画「黄金のメロディ マッスル・ショールズ」が公開され、マッスル・ショールズ・サウンドに注目が集まっている中でのまさにタイムリーな来日です。前回の公演ではもう少しフェイム時代の曲も聴きたいなと思いましたが、今回はどうなるでしょうか?もちろん、今年出た新譜「Life Happens」も非常によかったので、新曲もやってほしいですね。

前回は東京だけでしたが、今回は大阪もあります。前回涙を飲んだ関西のソウル・ファンの皆さん。おめでとうございます!(しかし、随分大阪公演の方が東京より高いですね。)

2014年
10月4日(土)1st 18:00 / 2nd 21:00 ビルボードライブ東京
10月5日(日)1st 16:30 / 2nd 19:30 ビルボードライブ東京
10月7日(火)1st 18:30 / 2nd 21:30 ビルボードライブ大阪

◆チケット
東京公演 自由 8,800円 カジュアル 6,800円(8月21日予約開始)
大阪公演 自由 10,000円 カジュアル 8,500円(8月21日予約開始)

◆詳細
東京 http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=9151&shop=1
大阪 http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=9152&shop=2

前回の来日公演のセットリストなど
http://black.ap.teacup.com/sumori/1387.html

新譜「Life Happens」について
http://black.ap.teacup.com/sumori/1546.html
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2014/7/16

キャンディ・ステイトンの新譜  R&B/ソウル

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映画「黄金のメロディ マッスル・ショールズ(原題:Muscle Shoals)」が日本公開となりました。この公開とほぼ同時にリリースとなったのが、キャンディ・ステイトンの新作「Life Happens」です。キャンディがその昔(1969〜73年)、マッスル・ショールズのフェイム・スタジオで名曲の数々をレコーディングしたのはよく知られていますが、彼女が久しぶりにフェイム・スタジオに戻り、リック・ホールのプロデュースで作品を作ると聞いて、ワクワクしたファンはかなりいたのではないでしょうか?

前作、前々作とも、比較的オールド・ソウル的サウンドを聴かせていましたが、やはりフェイム、リック・ホールという条件が揃うのは特別な意味があるように思います。

映画の中には、フェイムでの新作のレコーディング風景("I Ain't Easy To Love")が登場します。映画は米国では昨年公開になっており、新譜リリースに先駆けての新曲チラ見せだった訳です。そりゃ、盛り上がりますよね。

ファンとしては、どうしても往年のフェイム・サウンド完全復活か?といった期待をしてしまいますが、実際聴いてみると、キャンディ本人にはあまりそのような懐古主義的な気負いは無いようです。

本作全15曲のうち、実際にフェイムでレコーディングされているのは3曲("I Ain't Easy To Love"、"Commitment"、"Never Even Had The Chance")のみ。"I Ain't Easy To Love"はシヴィル・ウォーズのジョン・ポール・ホワイトらが入り、ギターのリフはややロック風味、"Commitment"は、ポリスの"Every Breath You Take"を彷彿させるポップな仕上がりです。バラード"Never Even Had The Chance"もフェイムの全盛期のサウンドと比較すればだいぶ今っぽい音になっています。

他の楽曲はアトランタとロンドンのレコーディングですが、これらも含め、もろオールド・ソウル的なものは見当たりません。でも、少なくとも、彼女が70年代に急にディスコっぽいことをやり出したときのような違和感はなく(あれはあれで悪くはないのですが…)、現在のキャンディ・ステイトンを表現したらこうなった、そう感じる自然体な作品です。もろにではなくとも確実にフェイム時代の要素は織り込まれています。

特にファンキーな"Where I'm At"の歌い方、ホーンの入り方あたりは、フェイムの頃からのキャンディ節と言ってもいいように思います。

バラードも沁みる作品が多いですね。アコースティック・ギターのバッキングが美しい"Where Were You?"では、ときにささやくように落ち着いたトーンで歌い上げ、これがぐっと来るんです。個人的にはベスト・トラックは"Even The Bad Times Are Good"かな。自らの人生を振り返るように歌う素晴らしいバラード。キャンディは、ライナーノーツで「人生はいい事も悪い事もあるけど、私たちはそれも人生だと気づき堪えている。人生にハプニングは付きもの(Life Happens)なのだから。」とコメントしています。この曲は、そのコメントを曲にしたような内容ですね。本作自体が、キャンディの人生を物語っているような側面があります。

一昨年の初来日公演があったとは言え、5年ぶりのソウルの新録。相変わらず元気なのが嬉しいです。また見たいですね。是非、是非。

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CANDI STATON / LIFE HAPPENS
(Beracah BRI-31340), 2014
日本盤はPヴァインよりリリース。PCD-17679

1. I Ain't Easy To Love
2. Close To You
3. Commitment
4. Eternity
5. Even The Bad Times Are Good
6. She's After Your Man
7. You Treat Me Like A Secret
8. Where Were You?
9. Three Minutes To A Relapse
10. Never Even Had A Chance
11. Go Baby Go
12. My Heart Is On Empty
13. Have You Seen The Children?
14. A Better World Coming
15. Where I'm At (Bonus Track)
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2014/6/30

追悼: Bobby Womack 1944-2014  R&B/ソウル

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Bobby Womack at Long Beach Blues Festival, 2000
(c)Photo by Masahiro Sumori.

ボビー・ウォーマックが亡くなってしまいました。

死因は不明ですが、6月27日に亡くなったそうです。彼が所属するレコード会社、XLレコーディングスが明らかにし、ローリングストーン誌が同日中にニュースを配信しました。70歳でした。

近年は癌や心臓病など、様々な健康問題を抱え、何度も手術も受けていたと聞きます。2012年には17年ぶりに来日公演を行いましたが、かつてとは別人のようにやつれていたのは痛々しかったというのが正直なところ。しかし満身創痍の状況でなお、ついえない気力に真のエンタテイナーの姿を見た思いでした。かつてのようには行かないながらも全力でお客さんを楽しませようとするその姿勢に心を打たれました。

その年、彼は久々の新譜「The Bravest Man in the Universe」をリリースし、カムバックをアピール。翌2013年には、アルツハイマー症と診断されたことを自ら公表したものの、活動を止めることはなく、5月には再度来日もしました。

どういう状況で彼が亡くなったのかは判りませんが、その13日前の6月14日にはテネシー州で開催されたボナルー・フェスティバルに出演していたそうですから、急なことだったのでしょう。

ボビー・ウォーマックが初来日を果たしたのは1987年。知人からそのときの公演の話を聞くことも多いのですが、僕はそれは見ておらず、初めてボビーを見たのは1995年の3度目の来日公演でした。あの時点で相当のベテランではありましたが、今を思えばまだ50をちょっと超えた頃だったんですね。シンガーとしても脂が乗っていたと思います。左利きに構えたギターで渋ーくブルースを弾き出したと思ったら、そのブルージーな調子で"It's All Over Now"をやってくれたのが妙に印象に残っています。

その後、僕は2000年にロングビーチ・ブルース・フェスティバルで彼を再び見る事ができましたが、その際も相変わらず絶好調でした。しかし、その後体調を崩してしまったようで、暫く新作も出ない状況が続きました。

僕が初めて聴いたボビーはなんだったか、よく覚えていないのですが、多分"Lookin' for a Love"だったんではないかな。月並みですが、今でも大好きな曲です。それを聴くより前に"It's All Over Now"は聴いていたと思います。ストーンズかジョニー・ウィンターのバージョンで。ボビーがいたヴァレンティノスのオリジナルを聴いたのはずっと後でした。

日本では来月からマッスルショールズの映画の公開が予定され、僕の周囲の音楽ファンの間では、今その話題でかなり盛り上がっていますが、そんな折にマッスルショールズと縁の深かったボビーの訃報が入るとはなんとも寂しい限りです。健康問題を抱えていたとは言え、70歳で天に召されるとは早すぎる。2013年には彼の弟、セシルが65歳の若さで亡くなっていますが、今頃天で再開を果たしているのでしょうか。

ラスト・ソウルマン、ボビー・ウォーマックのご冥福をお祈りします。RIP。
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2014/6/28

BSR誌の最新号はマッスルショールズ特集  R&B/ソウル

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ブルース&ソウル・レコーズ誌 No. 118が発売になりました。今回の号は映画「黄金のメロディ マッスル・ショールズ」(原題Muscle Shoals)の劇場公開(7月12日、新宿シネマカリテを皮切りに全国で公開予定)に合わせたマッスルショールズ特集。映画撮影の裏話を含むキャマリア監督へのインタビュー、ディスクガイド、ミュージシャン人脈図など充実した内容。付録CDもマッスルショールズ。鈴木啓志氏選曲のマッスルショールズゆかりのサザンソウル名曲集です。

ライター三氏(文屋章、鈴木啓志、新井崇嗣)による映画クロスレビューもあり。自書「ゴースト・ミュージシャン」で、フェイムのミュージシャンについて詳しく検証したことが記憶に新しい鈴木氏がこの映画をどう評するのか気になっていましたが、なるほど鈴木さんらしいコメントでした。

僕は、本号では紹介したヒューイ・ピアノ・スミスの伝記本の紹介記事等を書きましたよ。

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BLUES & SOUL RECORDS No. 118
2014年6月25日発売
定価:1,600円+税

表紙 ウィルスン・ピケット

特集 ソウルの泉─マスル・ショールズの魔法

★ 不屈のマスル・ショールズ・サウンド
★ 「僕はリック・ホールが語るストーリーに夢中になってしまった」─映画『黄金のメロディ マッスル・ショールズ』監督インタヴュー
★ 『黄金のメロディ マッスル・ショールズ』クロス・リヴュー
★ 決定版! マスル・ショールズ・サウンド・ディスク・ガイド フェイム・スタジオ〜マスル・ショールズ・サウンド・スタジオで制作された、ソウル名盤を60枚以上ガイド
★ コラム「マスル・ショールズの職人ライターたち」「シングル盤で聴きたいマスル・ショールズの名曲」「フェイム・ギャングの要 ジェシー・ボイスの仕事」「もうひとつの名スタジオ ノララ/クインヴィ/ブロードウェイ」「ロックンソウル・イン・マスル・ショールズ 」
★ 永久保存版 マスル・ショールズ関係ミュージシャン人脈図

【付録CD】STEAL AWAY - Deep Soul From Muscle Shoals and more
 鈴木啓志選曲・解説による、マスル・ショールズ関連のディープ/サザン・ソウル名曲選。マスル・ショーズで録音された作品、同地で生まれた名曲のカヴァー、ゆかりの名ソングライターによる作品など、マスル・ショールズと繋がる1960〜70年代ディープ/サザン・ソウルを収録。ソウル・シングル・コレクターから高い評価を得ている女性シンガー、バーバラ・ウェスト、ごきげんなソウル・デュオ、パタースン・ツインズ、ハイトーン・ヴォイスで魅了するテッド・テイラーなど、実力者たちのソウル競演をお楽しみください。

1. Z.Z.HILL: Steal Away
2. TED TAYLOR: Strangest Feeling
3. BARBARA WEST: Give Me Back The Man I Love
4. TOUSSAINT McCALL: Let's Do It Over
5. LOWELL FULSON: Lady In The Rain
6. PATTERSON TWINS: Looking For A Lover
7. WALLACE BROTHERS: I Stayed Away Too Long
8. BARBARA WEST: I'm A Fool For You Baby
9. TED TAYLOR: Without A Woman
10. JOE HAYWOOD: Warm And Tender Love

【その他の主な記事】
● ジョー・ルイス・ウォーカー・インタヴュー
● ロベン・フォード・インタヴュー
● 内田勘太郎インタヴュー
● ブランズウィック・フェイヴァリット・コレクション ディスクガイド[パート4]
● 映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』とデイヴ・ヴァン・ロンク
● BSR REVIEW 新作アルバム・リヴュー
キャンディ・ステイトン40年ぶりのフェイム録音新作/アリゲーターの大型新人セルウィン・バーチウッド/ドイツからモダン・ソウル傑作選/日本独自TKディスコ・コンピ ほか

【連載】
☆[創刊20周年記念企画]好評連載 トータス松本 1本のカセットから 第2回 かっこいい取っつきやすさ─マジック・サム
☆ リヴィング・ブルース・ストーリー第6回/ジム・オニール
☆ ダイヤモンドリングよりブルース第19回/妹尾みえ
☆ なんてったってインディ・ソウル 蔦木浩一×齋藤雅彦×編集部H
☆ International Music Stroll〜世界の音楽にぷらりと出会おう/ワダマコト
☆ フード・フォー・リアル・ライフ〜歌詞から見るブルース&ソウルの世界[レインボウ・ロード(アーサー・アレグザンダー)]/中河伸俊
☆ 小出 斉の勝手にライナーノーツ「ライオネル・トレンス」
☆ リアル・ブルース方丈記 第二十五回「ビッグ・メイシオ」
☆ 鈴木啓志のなるほど! ザ・レーベル VOL.47「アンナ・レコード」
☆ ゴスペル・トレイン「アール・ハインズ」/佐々木秀俊+高橋 誠
☆ BAYOU RHYTHM サウス・ルイジアナの音楽と文化/はたのじろう
☆ BLUES IS MY BUSINESS no.194/吾妻光良
☆ いづみやの曲追い酩酊談/佐々木健一
☆ 原田和典の魂ブチ抜き音楽
☆ WORRIED MAN BLUES〜カントリー・ミュージックよもやま話/渡辺芳男
☆ 文聞堂書房〜古書掘りコラム/出田 圭
☆ ブルース×ロック森羅万象/山崎智之
☆ NEW BORN ROOTS! 新世代ルーツ・ミュージック/福住豪郎
☆ ICHIのチタリン・サーキット最前線
☆ ニッポンの。国内アーティスト新譜紹介/妹尾みえ
☆ ブルース&ソウルの聴ける店
☆ Ain’t That Good News 国内ライヴ/イヴェント情報ほか
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2014/6/24

訃報: Mabon "Teenie" Hodges 1946-2014  R&B/ソウル

ハイ・リズム・セクションのギタリスト、メイボン"ティーニー"ホッジズが亡くなってしまいました。6月22日、ダラスのベイラー大学病院で肺気腫の合併症で亡くなったそうです。68歳。まだ亡くなるには早すぎました。

彼と兄弟のリロイ(bass)、チャールズ(organ)にハワード・グライムス(drums)を加えたバンドは、ハイ・リズム・セクションと呼ばれ、ハイ・レーベルのアル・グリーン、アン・ピーブルズら、スターのバックを務め、メンフィス・ソウルの歴史に大きな足跡を残しました。ティーニーはそれだけではなく、ソングライターとしても活躍。アル・グリーンの代表曲"Take Me To The River"をアルと共作するなど、その才能を発揮しました。

写真は、2008年、ニューオーリンズのポンデロサ・ストンプでシル・ジョンソンがハイ・リズム・セクションと公演した際のものです。このときは元気そうに見えましたが、近年はあまり体調がよくなかったと聞きます。今年3月オースティンで開催されたサウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)の期間中に肺炎にかかり、入院。以前から患っていた肺気腫に追い打ちをかけ、以降危険な状況が続いていたようです。

ちょっと前に発表されたポール・ロジャーズのアルバム「The Royal Sessions」では、チャールズとリロイは参加していたものの、ティーニーの名前はなく、少し気になっていたのでした。

ブルース&ソウルの世界に大きな穴が空いてしまった思いです。ご冥福をお祈りします。

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Syl Johnson & Teenie Hodges at Ponderosa Stomp
House of Blues, New Orleans, April 30, 2008
(c) Masahiro Sumori
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