2020/12/9

WWOZ Professor Longhair Remembered  ニューオーリンズ

ニューオーリンズのFM局、WWOZが2020年12月4日、40周年を迎えました。それを記念する放送が連日放送されてきましたが、12月3日に放送されたプロフェッサー・ロングヘア特集がすごいです。

元々1982年1月30日、フェスの2回目の命日に合わせて放送されたプログラムの再放送なのですが、約90分のプログラムはレアな音源満載なのです。晩年のフェスのマネージャーをしていた故アリソン・キャスロー(マイナー)がプロデューサーとDJを務めており、フェスが生前もっていた秘蔵テープも含め、いろいろとかけています。WWOZの放送アーカイブはウェブページで2週間保存されますので、12月17日まで聴けます。おすすめです。

以下のURLからどうぞ。77分ごろから始まります。
http://www.wwoz.org/listen/archive/show.php?date=2020-12-03&time=11AM


以下、かかった曲を書き出してみました。

1971年、1972年のベアズヴィル・セッションとされているものは、アルバム「House Party New Orleans Style」と同じセッションだと思いますが、メンフィスとバトンルージュ録音で全5曲、アルバムとダブりがありません。

冒頭のDavid Clayton Thomas (Bloodm Sweat & Tears)の曲は、デイヴィッドがフェスに贈ったデモテープだそうです。同名の曲は彼のアルバムに入っていますが、これは明らかに別バージョンです。デモという呼ぶには完成度がかなり高いです。

Brooklyn Robertはフェスのコンサートをよく見にきていたファンでハーモニカ吹きだったそうですが、フェスが持っていた彼の演奏のテープからの放送です。フェスのギグの前座でピアノを弾いています。Brooklyn Robertは1978年にニューオーリンズ市内で銃で撃たれて亡くなったそうです。

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Professor Longhair Remembered
Originally aired by WWOZ-FM on January 30, 1982
Rebroadcast commemorating the 40th Anniversay of WWOZ: December 3, 2020
From the archive of the New Orleans Jazz & Heritage Foundation (digitized for rebroadcast)
Producer & DJ: Allison Kaslow (Miner), ex-manager & friend of Professor Longhair
Program introduction: Jerry Brock, WWOZ Founder
Public Radio obituary: Steve Wrath (originally broadcast on All Things Considered, January 31, 1980)

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Unreleased demo-recording date and personnel unknown
1)David Clayton Thomas - Professor Longhair

Professor Longhair’s Home on Rampart Street, 1974
2)Unknown blues instrumental (solo)
3)In the Night (with Alfred “Uganda” Roberts)


Montreux Blues Festival, 1973
with The Meters (Leo Nocentelli-gt, George Porter Jr.-b, Joseph “Zigaboo” Modiste-ds, Art Neville-key)
4)Every Day I Have the Blues
5)(They Call Me) Dr. Professor Longhair


Ultrasonic Studios (recording date unknown-1979?)
With the Blues Scholars-Ronald Johnson-gt, Dave Watson-b, Earl Gordon-ds, Alfred “Uganda” Roberts-congas, Tony Dagradi-ts, Andy Kaslow-ts
6)Hey Now Baby

Jazz Festival Boat Ride, 1979 with the Blues Scholars
7)Big Chief

The Village Gate, New York, NY, 1979 - the Blues Scholars (without Professor Longhair)
Johnny Vidacovich-ds replacing Earl Gordon
8)Mess of Fess (written by Tony Dagradi)

Bearsville Sessions, Ardent Studios, Memphis, TN, 1971
with Snooks Eaglin-gt, Joseph “Zigaboo” Modeliste-ds, George Davis-b
9)Mess Around
10)Jambalaya
11)Mean Old World
12)G Jam


Deep South Recorders, Baton Rouge, LA, 1972
with Snooks Eaglin-gt, Joseph “Zigaboo” Modeliste-ds, Will Harvey-b, Shiba-ds
13)Stagger Lee

from Jerry Wexler’s tape, date unknown (1980?)
14)Dr. John-Mardi Gras In New Orleans
(followed by conversation between Wexler and Dr. John)

From old 78s as mentioned by Allison Kaslow
(no such 78s could be found. "Look What You’re Doing To Me” is a different version from the Ebb/Specialty single of 1957)
15)Ring Around The Rosie
16)Look What You’re Doing To Me


Brooklyn Robert-p,vo, Jed’s, 1970’s
From Professor Longhair’s tape
17)Sun’s Gonna Shine On My Backdoor Someday

Laufen, Germany, 1975
with David Berger-hp, Big Will Harvey-gt, Robert Harvey-b, Shiba-ds
18)Gone So Long
19)Willie Fugal’s Blues (solo piano)


1962 single (Rip 155)
with Wardell Quezergue-tp, James Rivers-ts, George Davis-gt, Joe “Smokey” Johnson-ds
20)I Believe I’m Gonna Leave
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2020/10/31

プロフェッサー・ロングヘア伝記映画、その後  ニューオーリンズ

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制作途中で中断し、そのままになっていたプロフェッサー・ロングヘアのドキュメンタリー映画がついに完成した模様です。

ジョッシュ・バグナル監督の下、「Making A Gumbo」という名前で制作が進行していたこの映画は2014年の時点で半ば完成しており、その時点でクラウドファンディングで17,614ドルという資金を集めていたにもかかわらずその後頓挫し、制作者サイドからは一切音沙汰がなくなっていました。

それが2020年11月開催のニューオーリンズ・フィルム・フェスティバルで名前を「Rugged and Funky」と改めた75分の映画としてお披露目されることになったようです。

どんな内容に仕上がっているのか、興味津々です。全米劇場公開は?日本での公開はあるのか?DVD化は?オンラインでもいいからみてみたいです。

僕もクラウドファンディングには出資したのですが、その後何にも進展がないことにやきもきしていたので、とりあえずは嬉しいです。

プロフェッサー・ロングヘアのドキュメンタリー制作中 (2014/12/9)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1585.html

公式サイト
https://www.professorlonghairfilm.com/

New Orleans Film Festival
https://noff2020.eventive.org/films/5f627c511226b10045a28384
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2020/8/29

ハリケーン・カトリーナ15周年です  ニューオーリンズ

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ニューオーリンズの産業用水路にかかる
Claiborne Bridgeからロウワー・ナインス・ワード(手前)を臨む
(2006年5月4日、陶守撮影(c))

8月29日は2005年のハリケーン・カトリーナから15周年の記念日です。

毎年書いているので、新しいこともないのですが、1年に一度くらいはあの日のことを思い出したいと思います。

過去の書き込みを見ていると、僕は日本でその年に起きた豪雨被害のことに触れているものが多いことに気づきました。2018年の岡山県真備町、昨年2019年の九州豪雨など、例年とてもいたましい被害が出ています。

今年も例外ではありませんでした。7月の豪雨では熊本県南部の球磨川流域が甚大な被害を受けました。同月には山形県で最上川が豪雨で氾濫し、これも大きな被害が出ています。

こう次々と災害が起きるとどうしても過去のできごとは風化してしまいがちですが、忘れてはならないことではないでしょうか。

ニューオーリンズも15年前の傷痕は一見しただけでは気づきませんが、その後の市の人口が被災以前に戻っていなかったり、人種構成が変わったり、地域によってはいまだに廃屋が放置されていたりと、その影響はいまだに影を落としています。

今年は、米国南部ではハリケーン・ローラが発生し、カテゴリー4の強さで8月27日にテキサス州との州境に近いルイジアナ州キャメロンに上陸、現在のところ10名の死者が出ています。ニューオーリンズには今回は目立った被害はなさそうですが、被災者にお見舞いを申し上げます。

しかし、気候変動の影響でこのような極端な自然現象はどんどん頻繁になっていますね。今後も心配です。

そういえば、5年前にここに書き込んだハリケーン・カトリーナのドキュメンタリー映画は、その後どうなったんでしょうかね。

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【過去のハリケーン・カトリーナに関する書き込み】
1周年の日 (2006)  http://black.ap.teacup.com/sumori/36.html
3周年の日 (2008)  http://black.ap.teacup.com/sumori/161.html
8周年の日 (2013)  http://black.ap.teacup.com/sumori/1441.html
9周年の日 (2014)  http://black.ap.teacup.com/sumori/1564.html
10周年の日 (2015)  http://black.ap.teacup.com/sumori/1644.html
11周年の日 (2016)  http://black.ap.teacup.com/sumori/1708.html
12周年の日 (2017)  http://black.ap.teacup.com/sumori/1751.html
13周年の日 (2018)  https://black.ap.teacup.com/sumori/1797.html
14周年の日 (2019)  https://black.ap.teacup.com/sumori/1856.html

ニューオーリンズのハリケーン (2005/8/30) 第一報
https://black.ap.teacup.com/sumori/8.html
ハリケーン・エイド・ジャパン (2005/9/21)
https://black.ap.teacup.com/sumori/13.html
フレンチクオーター復活の第一歩 (2005/9/30)
https://black.ap.teacup.com/sumori/15.html
ハリケーン・カトリーナのドキュメンタリー映画 (2015/3/18)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1604.html
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2020/8/21

WWOZおうちでジャズフェス Part 2放送予定  ニューオーリンズ

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(c)from WWOZ website

ニューオーリンズのFM局、WWOZがまたやってくれます!

WWOZは恒例のニューオーリンズ・ジャズフェスがコロナの影響で中止になってしまった代わりにこの春「Jazz Festing in Place (おうちでジャズフェス)」を企画し、過去のジャズフェスのレコーディングをいっきに放送しました。

さすが、毎年会場からライヴ中継を放送してきた局だけに、圧巻の内容でした。

今度は9月に再度それをやるのです。今度はジャズフェスはもちろん、フレンチクオーター・フェスティバル(例年4月開催)、サッチモ・フェス(同8月開催)、クレセントシティ・ブルース・アンド・バーベキュー・フェスティバル(同10月開催)の音源に加え、WWOZのスタジオや地元ライヴハウスで行われたレコーディングを一挙放送します。

放送日時は以下の予定です:
9月4日(金) 11AM-7PM [日本時間9月5日(土)1AM-9AM]
9月5日(土) 11AM-7PM [日本時間9月6日(日)1AM-9AM]
9月6日(日) 11AM-7PM [日本時間9月7日(月)1AM-9AM]
9月7日(月) 11AM-7PM [日本時間9月8日(火)1AM-9AM]
9月11日(金) 11AM-7PM [日本時間9月12日(土)1AM-9AM]
9月12日(土) 11AM-7PM [日本時間9月13日(日)1AM-9AM]
9月13日(日) 11AM-7PM [日本時間9月14日(月)1AM-9AM]

まだタイムテーブルは出ていませんが、以下のアーティストのライヴが放送されるそうです。
すごい豪華ですね。
Dr. John * Fats Domino * The Neville Brothers * Pete Fountain * Irma Thomas * Allen Toussaint * Louis Prima * James Booker * Aaron Neville * Trombone Shorty * Kermit Ruffins * John Boutte * Professor Longhair * Marcia Ball * Jimmy Buffett * The Radiators * Treme Brass Band * Ernie K-Doe * Lost Bayou Ramblers * Al Hirt * Henry Butler * Tank and the Bangas * Jon Batiste * Mavis Staples * Rebirth Brass Band
その他ジャズ、ブルース、ケイジャン、ザディコ・アーティスト多数放送予定

放送時間帯は日本時間だと真夜中になってしまうので、日本から聴くのは厳しいですが、WWOZはインターネットで2週間分のアーカイブを提供しているので安心です。
生で聴く場合 https://www.wwoz.org/listen/player/
アーカイブで聴く場合 https://www.wwoz.org/listen/archive/

今回の放送に関する情報ページ
(ここに間もなくタイムテーブルが掲載されると思われます)
https://www.wwoz.org/festing-place-next-fest-thing

[2020/08/31追記]
まだTBAの部分も多いですが、放送スケジュールが発表されました。
スティーヴィー・ワンダー&エラ・フィッツジェラルドなど前回も放送された音源も一部ありますが、今回はヴードゥー・フェスやティピティーナスのライヴなど、より広いところから持ってきているのが目を引きます。
ジャズフェスだって1995年のジョニー・アダムズとか、すごいのあるじゃないですか。
あとさりげに1963年のルイ・プリマとか、1958年のアル・ハートとか、ヴィンテージものも混ざっています。どこから見つけてきたんでしょう。
楽しみですね。

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2020/5/23

Tommy Ridgleyを聴こう!  ニューオーリンズ

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Tommy Ridgley
Dream Palace, New Orleans, May 1, 1996
(c)Photo by Masahiro Sumori

好きなシンガーをシリーズ化するつもりはないのですが、もう一人すごく好きなシンガーを思い出しました。トミー・リッジリーです。

先日のパーシー・メイフィールドに比べたらあまり知名度は高くないかも知れません。でも、1949年のレコード・デビューから約50年の長きにわたってニューオーリンズを拠点に活躍しました。若きアーマ・トーマスを見出し、RONNレーベルに紹介したことでも知られています。彼女はRONNから1960年に"You Can Have My Husband”をリリースし、デビューを果たしています。

トミーは1950年代にはデッカ、アトランティックを始め、インペリアル、ヘラルドと複数のレーベルに作品を残し、活躍しました。アトランティックの名作を収めたコンピレーション・シリーズ「Atlantic Rhythm & Blues」のVol. 2に彼名義の”Jam Up”という曲が入っているのを覚えている人もいるかも知れません。しかし、この曲はインストで、トミーがこの曲に実際に参加しているのかは不明ですが。ピアノを弾いている可能性はあります。

力わざ的な歌い方をする人ではありませんが、暖かみのあるいい声にほれぼれします。特に初期の作品の多くはビッグ・バンドを伴ったスウィング感たっぷりなサウンドで聴きごたえも充分。

この人が十八番として歌ってきたのが、”I’ve Heard That Story Before”というオリジナル曲です。1958年にヘラルド・レーベルからシングルでリリースしていますが、その後も度々再演しており、1995年のアルバム「Since The Blues Began」ではゲストにスヌークス・イーグリンを迎えてこれまた強力なバージョンを披露しています。一方スヌークスはアルバム「Out of Nowhere」の中でトミーの”Ooh Lawdy My Baby”をカバーしていますね。

シンプルでほろ苦いバラード。味わい深いですよね。この人の人柄がにじみ出ているようでもあります。このヘラルド時代、それに続くRIC/RONN時代あたりは、どの曲も最高です。

個人的なことですみませんが、僕はニューオーリンズで何度か彼のライヴを見たことがあります。1996年に今は亡きドリーム・パレス(カフェ・イスタンブール)というライヴハウスで見た際に終了後、ホテルまで車で送ってくれました。とてもよくしゃべる親切でいいおじさんでした。その頃彼は腎臓を患い闘病中だったのですが、このときのライヴは完全復活を感じさせる力強い内容でした。しかしながら、その数年後の1999年に肺がんで他界。70歳でした。もう一花咲かせてくれると思っていただけに、とても残念でなりません。

大物的な存在ではないですが、得難い魅力を持った存在でした。50年代、60年代のニューオーリンズのR&Bシーンには彼のような知る人ぞ知るいいシンガーがたくさんたくさんいて、当時のクラブシーンを盛り上げていたのでしょう。

I’ve Heard That Story Before (Herald - 1958)


I’ve Heard That Story Before (Black Top with Snooks Eaglin 1995)


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I’ve Heard That Story Before (1958)
和訳:陶守正寛

愛していると言わないでほしい
本心ではないことはわかっているから
前も聞いた話だよ
もう聞きたくはないんだ

これが初めてのことではないよ
前にも僕を試したことがあったよね
だからそんな話はしないでくれ
もう聞きたくはないんだ

お願いだから
ただ友達でいてくれないか
だってもうお前を愛することはできないし
お前を騙すこともしたくない
もしそれをやったら、よくないことになるのはわかっているから

だからさよならを言おう
そう、これでおしまいだよ
前も聞いた話だよ
もう聞きたくはないんだ

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I’ve Heard That Story Before (1958)
Written by Tommy Ridgley
Angel Music, BMI

Don’t say that you love me
‘Cause you know it’s not true
‘Cause I’ve heard that story before
I don’t want to hear it no more

This is not the first time baby
You've tried me once before
So don’t bring me your story
I don’t want to hear it no more

Now please do me a favor
Just let me be your friend
‘Cause I can’t love you
And I don’t want to fool you
And if I do it would turn out bad in the end

So goodbye baby
Yes this is the end
I’ve heard your story before
I don’t want to hear it no more
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