2021/6/30

Irma ThomasとJon Clearyの新譜  ニューオーリンズ

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先日到着したアーマ・トーマスとジョン・クリアリーの新譜。レコード・プレーヤーが故障してしまって聴けていなかったのですが、この度プレーヤーを新調し、やっと聴くことができました。

これはニューヴェル・レコードというレーベルの「ニューオーリンズ・コレクション」としてリリースされた4枚の中の2つです。LPレコード直販のみのリリースです。本当はあと二つ(エリス・マルサリスとリトル・フレディ・キング)も聴きたかったのですが、1枚60ドルとあまりにも高価でとりあえず2枚だけにしておきました。いずれもコロナ感染拡大直前にレコーディングされた新録アルバムです。

いずれも凝ったことはしていないものの、丁寧な音作りで、充実した内容です。

Jon Cleary / So Swell (Newvelle NVN003)
https://www.newvelle-records.com/collections/shop-newvelle/products/nvn003-jon-cleary
ジェイムズ・シングルトン(b)とジョニー・ヴィダコヴィッチ(ds)という鉄壁なジャズのリズム・セクションに加え、ベテランのサックス奏者、ジェイムズ・リヴァーズも参加し、安定したサウンドを聴かせます。曲はリー・ドーシーの”Lottie Mo”やジム・リーヴスの"I Get The Blues When It Rains”など過去の来日公演でもやっていたカヴァーが中心で、冒険するようなところはないですが、ノリノリです。ヒューイ・スミスの”Tu-Ber-Cu-Lucas and the Sinus Blues”も楽しさ一杯です。彼にこういう曲をやらせると天下一品ですね。

Irma Thomas / Love Is The Foundation (Newvelle NVN001)
https://www.newvelle-records.com/products/nvn001-irma-thomas
アーマ・トーマスは、2008年の「Simply Grand」を最後にラウンダーとの契約が切れたようで、以後シングルやベスト盤が若干あっただけで、新作アルバムは出ていませんでした。それだけに特に期待が高まりました。

多少声がざらついているのを感じますが、彼女の深みのある歌声は健在。もう今年80歳という大ベテランとなりましたが、流れた歳月が歌声に出ているというか、非常に円熟しています。特に”So Long”などバラードに心を動かされます。ここにもジョニー・ヴィダコヴィッチ(ds)が参加していますが、コンガではプロフェッサー・ロングヘアと活動していたことで知られるアルフレッド“ユガンダ”ロバーツも参加しており、華を添えています。彼は昨年5月に亡くなっており、恐らくこれがレコーディングとしては最後なのではと思います。

全体的にしっとりとした選曲が多く、大人しい感じなので、欲を言えば、もう少しアップテンポやブルージーに攻めてもよかったかなという気もします。

ジョン・クリアリーの方も音は非常にクリアで、ジャジーな空気を感じますし、アーマの方も音の仕上がりはジャズ寄りです。この音の仕上がりはレーベルの色なのでしょうね。でも、本人の個性を殺すようなものではありません。

せっかくリリースとなった新譜ですが、限定的な配給なので知らない人も多いのではと思い、紹介させてもらいました。LPレコードは分厚いゲイトフォールドのスリーヴに入っていてジャケットの写真も美しく、そのまま額装したいくらいです。LPはなんと透明な盤でこれはレコードの溝が見えにくく、途中の曲から聴きたい人には難儀な盤でしょう。明るくても殆ど見えないので、DJさんは苦労するかも。

リリースは嬉しいのですが、ファンに手が届きにくいリリース形態は残念です。限定盤なので、興味のある方はお早めに入手することをお勧めします。僕もあと2枚、どうしようかなぁ。エリス・マルサリスはレコーディング直後にコロナで亡くなっており、ニューヴェルの新譜がラスト・アルバムになってしまいました。

Ellis Marsalis with Jason Marsalis / For All We Know (Newvelle NVN004)
https://www.newvelle-records.com/collections/shop-newvelle/products/nvn004-ellis-marsalis-with-jason-marsalis

Little Freddie King / Going Upstairs (Newvelle NVN002)
https://www.newvelle-records.com/collections/shop-newvelle/products/nvn002-little-freddie-king
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2021/5/19

Aaron Nevilleツアー引退を表明  ニューオーリンズ

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Aaron Neville
New Orleans Jazz & Heritage Festival 2016
Sunday, May 1, 2016
(c)Photo by Masahiro Sumori.


アーロン・ネヴィルがツアーからの引退を宣言しました。

もう彼の歌声を生で聴くことができないのかと考えると非常に残念ではありますが、もう今年1月で80歳となり、彼はツアーに明け暮れる人生を続けることはできないと判断したようです。思えば、2012年にネヴィル・ブラザーズが活動停止をしたのもアーロンの脱退が理由でした。彼はその際、ネヴィル・ブラザーズのステージをこなすことの厳しさを口にし、無理のないペースでのソロ活動に移行したのでした。同年(2012年)、彼はソロとしては初めて来日公演を行っていますが、それが恐らく最後の来日になるのでしょう。

2005年にニューオーリンズをハリケーン・カトリーナが襲った際は彼も被災し、ナッシュヴィルへ避難。その後、浸水でカビが発生したニューオーリンズの空気の汚染が言われるようになりました。これを心配したアーロンは、ニューオーリンズへ戻ろうとせず、ネヴィル・ブラザーズは以後2年間、春のジャズフェスへ出演しませんでした。喘息持ちである彼は、人一倍体調には気を使っていたのだろうと思います。

彼の引退の発表は5月6日朝、Facebookに手紙を公開する形でした。突然の発表ではありましたが、これまでのこういった経緯もあるので、正直驚きはなかったです。ネヴィル・ブラザーズの4人のうち、2018年にはチャールズ、2019年にはアートと歳上の2人が相次いで亡くなり、存命なのはアーロンと末っ子のシリルのみとなりました。寄る年波には勝てない、それは仕方のないことだと思います。

僕が最後にアーロンのステージを見たのは2016年、ニューオーリンズのジャズフェスでのことでした。前年に亡くなったアラン・トゥーサン追悼のセットで、トゥーサンが彼のために書いた” Hercules”を歌いました。あの時点で75歳。歳の割には非常に元気に見えたのですが、体調については本人しかわからないことも多いでしょう。無理はしないでもらいたいです。これからも新作は作るとのことですので、そちらは期待したいですね。

以下、5月6日にアーロンが公開した手紙を和訳してみました:
オリジナルはここで見ることができます。
https://www.facebook.com/photo?fbid=309833530514337&set=a.220895236074834

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親愛なる友人の皆様へ

私はミュージシャン、シンガー、そして一人の人間として素晴らしい、恵まれた道のりを歩んできました。私にとって、ツアーで飛び回る日々を終わらせるときが来ました。誰かが私をショーの会場から会場へと瞬間移動させる発明をしてくれる日を待ちわびていましたが、それは叶わないことでした。私は、人のために歌うことが大好きです。それは聴いてくれる人の得る喜びと同じく、もしくはそれ以上に、私に大きな喜びをもたらしてくれます。残念なことですが、旅することの厳しい現状と、ツアーを成り立たせるために必要なスケジュールは、私の望むものとは言えない状況となってしまいました。

現在の世界の情勢は、私に多くのことを気づかせてくれました。人生は短いので、私はこの地球上で自分に残された時間をこれまでのようには急き立てられずに過ごしたいと考えています。これを永遠のお別れとは考えないでください。神の恵みを受け、私はこれからも音楽を作り続けますし、将来的に特別なイベントやコンサートに出ることもあるかも知れません。

私のバンド、チームメンバー、マネージャー、そして共演してくれた才能豊かなアーティストたち、私の妻と家族に感謝しています。そして何よりもファンの皆さんにありがとうと言いたいです。あなたたちのサポートは計り知れないほど貴重であり、あなたたちとの思い出は数えきれず、大事に心に刻んでいます。

私がこれまでの歳月でレコーディングしてきた音楽がこれからも皆さんに楽しみを与え続けてくれることを祈っています。ビートが途切れることなく続いて行きますように…。

愛と深い感謝を込めて
アーロン


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引退発表後にアーロンはニューオーリンズのタイムズ・ピカユーン紙のインタビューを受けています。そこで彼は「歌い続けたいが、ツアーはしたくない」と語っています。よほどツアーがきつかったんですね。今後ニューオーリンズをテーマにしたアルバムを作る可能性についても言及しています。「アートがファッツ・ドミノの大ファンだったし、僕もティーンエイジャーの頃彼の曲はどれも好きだった。彼へのトリビュートなんていいかもね。わからないけど」。そういう話が出ること自体わくわくしますね。

Exclusive: Aaron Neville on retirement: 'Those tours take a toll on your body and mind'
BY KEITH SPERA | Staff writer May 12, 2021 - 8:30 am
https://www.nola.com/entertainment_life/music/article_85be07da-b2b7-11eb-8ef0-13abc7f6df02.html
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2021/5/10

RIP Lloyd Price 1933-2021  ニューオーリンズ

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Lloyd Price at New Orleans Jazz & Heritage Festival
Ray Ban Stage, Sat., May 4, 1996
Photo (c)Masahiro Sumori

ミスター・パーソナリティーの愛称でも知られるルイジアナ州出身のR&B/ロックンロール・シンガー、ロイド・プライスが5月3日、ニューヨーク州ニューロシェルのシェイファー長期療養センターで亡くなったそうです。死因は糖尿病の合併症とのことです。88歳でした。

1950年代から60年代にかけてスペシャルティ・レコードを始めABC-パラマウントなどからレコードをリリース。特にデビュー曲の”Lawdy Miss Clawdy”はエルヴィス・プレスリーやソロモン・バークなど数多くのアーティストにカバーされ、ロックンロールを代表する1曲として知られるようになりました。

1998年にはロックンロールの殿堂入りを果たしています。

一方、彼は複数のレコード・レーベル(ターンテーブル、KRC、ダブルL他)を立ち上げるなどビジネスマンとしての顔も持ち合わせており、レコード・レーベル以外にもナイトクラブや食品会社の経営にも携わっています。

プライスは1933年3月9日、ニューオーリンズ郊外のケナーで生まれました。ルイジアナへ行ったことのある人ならば、ケナーはニューオーリンズ国際空港がある街としてご存じかも知れません。ニューオーリンズからはメテリーを挟み、西に20キロほど行ったところにあります。

幼少期から学校でトランペットやピアノをプレイしたり、弟のレオとバンドを組むなどして音楽に慣れ親しんでいたロイドは19歳のとき、ファッツ・ドミノを見出したことでも知られるデイヴ・バーソロミューに見いだされました。彼がスペシャルティの社長アート・ループに紹介し、1952年4月、スペシャルティから”Lawady Miss Clawdy”でデビュー。バーソロミューのバンドとファッツ・ドミノが参加する形でレコーディングされたこの曲は、ビルボードR&Bチャートのトップを飾る大ヒットを記録しました。

Lawdy Miss Clawdy (1952)


1957年には自らのレーベルKRCからリリースした”Just Because”がABCレコードの目に留まり、以後ABC-パラマウントから”Stagger Lee”、そして愛称ともなった“Personality”などのヒットを生むこととなりました。

Personality (1959)


個人的にはモニュメント・レコードからリリースとなったジャズのスタンダード曲"If I Had My Life To Live Over”などいいなと思います。曲調もコーラスを入れたアレンジもスペシャルティ時代とは一線を画した雰囲気を感じますが、彼の歌声には、ゴスペル・フィーリングも感じさせます。

If I Had My Life To Live Over (1965)


1970年代以降は音楽活動はほぼ休止し、ナイジェリアに移住。1974年には、ボクシング・プロモーターのドン・キングらとザイール(現コンゴ民主共和国)でモハメッド・アリとジョージ・フォアマンの試合や、後に「ソウル・パワー」として映画化される音楽フェスティバルのプロモーションに関わっています。

1980年代に米国に戻ってきたものの、その後も長らく音楽活動から遠ざかっていたプライス。1993年にジェリー・リー・ルイス、リトル・リチャード、ゲイリー”U.S.”ボンズとヨーロッパ・ツアーを行ったのを皮切りに、ニューオーリンズのジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルへの出演など、コンサート活動を行うようになりました。僕も1996年のジャズフェスで一度彼のステージを目撃しています。

前述のロックンロールの殿堂に加え、1994年にはリズムアンドブルース・ファウンデーションのロックンロール・パイオニア賞を受賞したのに加え、2010年にはルイジアナ州の音楽殿堂、2019年にはナショナル・リズムアンドブルース殿堂入りを果たしています。

2010年にはテレビ・ドラマの「トレメ」に出演、アラン・トゥーサンとの共演で"Stagger Lee"を披露。2015年には自叙伝「sumdumhonky」も出版しています。

新作は長らく出していなかったものの、2017年には84歳にして自身のレーベル、ダブルLから新作アルバム「This Is Rock And Roll」をリリース。曲によって妙にロック色が強かったり、やや違和感もある内容ではありましたが、ファッツ・ドミノをジャズ色でカバーするなど新鮮な面も見せ、健在ぶりを示しました。

Blueberry Hill (2017)


プライスの死去で、1950年代のニューオーリンズで活躍したR&Bのスターはいよいよ殆どいなくなってしまいました。あとはヒューイ・スミスくらいでしょうか。意外に知られていないのはスペシャルティ・レコードの元経営者、アート・ループが未だご存命(1917年生まれなので、今年誕生日を迎えれば104歳!)なことですが、今彼はどうしているのでしょうか。
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2021/3/11

Do You Know What It Means To Miss New Orleans  ニューオーリンズ

ニューオーリンズのことを歌った歌はたくさんありますが、僕の好きな曲の一つに”Do You Know What It Means To Miss New Orleans”があります。

元々1947年の映画「New Orleans」のために書かれたジャズの曲でルイ・アームストロングとビリー・ホリデイがやっており、映画全体でもフィーチャーされています。

これはその映画からの映像です:


ニューオーリンズに恋焦がれる強い想いを込めた楽曲で、ニューオーリンズっ子にも愛されてきました。演歌で言えば、東北への想いを歌った千昌夫の「北国の春」みたいな感じでしょうか。2005年にハリケーン・カトリーナで多くの人が避難を余儀なくされた際に、彼らの気持ちを代弁する曲として再び注目を浴びました。

今まで、あまり細かいことは気にしたことがなかったのですが、歌詞に注目してみると色々と面白いこと、不思議なことに気づきました。

この曲を書いたのはエディ・デランジ(詞)とルイス・アルター(曲)という2人です。両者とも出身は東海岸で、ニューオーリンズには縁はなさそうです。職業ソングライターとして、映画の仕事の依頼を受けてこの曲を書いたということなのでしょう。

歌詞を読み解いてみると、ニューオーリンズへの想いを歌っているにも関わらず、作詞者のデランジはあまりこの街のことを知らなかったんではないかと思えてきました。

そう考えたのは以下の3つの理由からです:

1. 曲の題名
この曲の題名”Do You Know What It Means To Miss New Orleans”は、”means(ミーンズ)”と”New Orleans”が韻を踏む形になっています。確かに英語読みで“ニューオーリーンズ”(オーとリーにアクセント)と発音すれば韻を踏むのですが、地元でそう発音されるケースは稀です。ニューオーリンズでの一般的な発音は“ヌーオウランズ”(オウにアクセント)に近いです。これだと、”means”と韻を踏みません。その発音ではメロディにも乗らないため、ニューオーリンズの人たちもこの曲を歌うときは皆“ニューオーリーンズ”と発音しています。
蛇足ですが、プリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンドのバージョンでは、サビの後の歌詞が
“Do you know what it means to miss those red beans
に代わっています。“means”と“beans”は完全に韻を踏む言葉です。レッド・ビーンズ(&ライス)は、ニューオーリンズで代表的な料理の一つですから、これはなるほどと思いました。

2. あまり具体的なローカルな名前が出て来ない
そんなにニューオーリンズが恋しいならば通りの名前だったり、料理の名前だったり、溢れるように出てきてもいいのですが、そういう意味では淡泊な歌詞です。ミシシッピ川とマルディグラは出てきますが、マルディグラの部分は後のカバー・バージョンで歌詞が書き換えられて落ちており、そっちの歌詞の方が一般的です。

3. Sugar Pines(サトウマツ)
“miss the moss-covered vines, the tall sugar pines”(あの苔に覆われたツタ、高く伸びたサトウマツの木々が恋しい)
というくだりがありますが、ここで思ったのは「ニューオーリンズに松の木なんてあっただろうか?」ということです。あるのかも知れませんが、街を彩る象徴的な樹木ではないはずです。ニューオーリンズの街路樹で特に印象に残るのは巨大な樫の木です。
その前の部分についても「ツタに苔なんて生えるのか?」という疑問は残りますが、これは恐らくスパニッシュモスのことだろうと思います。スパニッシュモスは南部でよく見られ、普通の苔とは違い、木からもやもやっとしたものがぶら下がっている感じです。それならばツタにからまっていても自然だろうと思います。
サトウマツの部分はなぜこの木を選んだのかは謎ですが、多分単純にvinesと韻を踏ませるためだったのではという気がしています。

以上です。

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◆サビの部分の書き換え
ところで、先に触れた通り歌詞の一部(サビの部分)が後に書き換えられていて、そちらの方がよく歌われているという事実があります。2つを並べてみます:

[サビ1-オリジナル]
The Mardi Gras, the memories
Of Creole tunes that filled the air
I dream of oleanders in June
And soon I'm wishing that I was there
マルディグラの思い出
クレオールの調べが満ち溢れていた
キョウチクトウが咲き誇る6月を思い起こすと
もう、すぐにでも飛んでいきたい
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[サビ2-改訂版]
The moonlight on the bayou
Creole tunes fill the air
I dream about magnolias in June
And soon I'm wishing that I was there
バイユーの夜空を彩る月明かり
満ち溢れるクレオールの調べ
マグノリアの花が咲き誇る6月を思い起こすと
もう、すぐにでも飛んでいきたい
※拙訳は陶守

オリジナルの方の歌詞を歌う人もいるにはいますが、ざっと確認した限りでは非常に少なく、殆どが「サビ2」(改訂版)のパターンで歌っています。そこで疑問として上がってくるのが、1)誰がこの改訂版歌詞を書いたのか、2)なぜ変えたのか、そして3)改訂版が人気を得たきっかけのバージョンがあるのか?ということです。
1)誰がこの改訂版歌詞を書いたのか
これは答えはわかりませんが、デランジは映画公開の2年後1949年に他界しており、彼が存命の頃に出た改訂版バージョンは確認できません。だから恐らく彼自身が書き換えた可能性は低いと思います。
一番早い時期の改訂版バージョンは1953年のフランキー・レーンのバージョンがありました。これは、当時ジョ・スタッフォードとのカップリングの10インチ・レコード「A Musical Portrait of New Orleans」(全8曲入り)の中に収録されたものですが、ニューオーリンズがテーマとなった曲が並ぶこのリリースのために書かれた歌詞なのかも知れません。

2)なぜ変えたのか
変更されたところは2つです。マルディグラの部分とキョウチクトウの部分です。
想像するしかありませんが、マルディグラはニューオーリンズ的なものではあるものの、パレードでバカ騒ぎするイメージと哀愁漂うこの曲のイメージが合わないとの判断だったのではという気がします。「バイユーと月の明かり」の方がムードがありますし、ルイジアナっぽさも感じますから。
キョウチクトウの部分は、きっとマグノリアの方が南部の景色を彩る花として知られているから変更したのではないでしょうか。どちらの花もニューオーリンズで見られる種ですが、花開く最盛期は6月よりは早いようです。
3)改訂版が人気を得たきっかけのバージョンがあるのか?
上記のフランキー・レーンは、歌手だけでなく俳優でも活躍した大物なので、彼のバージョンで定着した可能性もあるとは思いますが、あくまでもそうかも?というレベルです。曲自体はシングルにはなっていないですし、アルバムもチャート入りしていません。

ジャズの曲ですが、ジャズの世界から出て、有名どころではファッツ・ドミノ、リッキー・ネルソンもやっています。

しかし、どちらもチャート入りはしていないです。彼らがやっていることも特によく知られているとは言えないと思います。





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まあ、謎なところはあれど、やはりいい曲ですよね。
ニューオーリンズの人たちにも愛されているのもうなずけます。
ニューオーリンズっ子でもないのに、帰りたくなっちゃうもんな。(笑)

◆歌詞と和訳
Do You Know What It Means To Miss New Orleans

Do you know what it means to miss New Orleans
And to miss it each night and day
I know I’m not wrong, the feeling’s getting stronger
The longer I stay away

Miss the moss-covered vines, the tall sugar pines
Where mockingbird used to sing
And I’d like to see the lazy Mississippi
A hurrying into spring

[Bridge A]
The Mardi Gras, the memories
Of Creole tunes that filled the air
I dream of oleanders in June
And soon I’m wishing that I was there

[Bridge B]
The moonlight on the bayou
Creole tunes fill the air
I dream of magnolias in June
And soon I’m wishing that I was there

Do you know what it means to miss New Orleans
When that’s where you left your heart
And there’s something more, I miss the one I care for
More than I miss New Orleans

“Do You Know What It Means To Miss New Orleans”
Written by Eddie De Lange and Louis Alter
/ 1946 (Renewed 1974, 2002) DE LANGE MUSIC CO. (ASCAP) Administered by BUG MUSIC and LOUIS ALTER MUSIC PUBLICATIONS, New York. All rights outside the United States controlled by EDWIN H. MORRIS & COMPANY, a division of MPL MUSIC PUBLISHING, INC.

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ニューオーリンズが恋しい気持ちがわかる?
毎日毎晩、恋焦がれている
この気持ちに迷いはない、想いは強くなるばかり
離れていればいるほどに

苔に覆われたツタ、高く伸びたサトウマツの木々
そこにモッキンバードがさえずっていたっけ
ミシシッピ川のゆったりとした流れが
春を呼び込んでくれる

[サビA]
マルディグラの思い出
クレオールの調べが満ち溢れていた
キョウチクトウが咲き誇る6月を夢に見る
もう、すぐにでも飛んでいきたい

[サビB]
バイユーの夜空を彩る月明かり
満ち溢れるクレオールの調べ
マグノリアの花が咲き誇る6月を夢に見る
もう、すぐにでも飛んでいきたい

ニューオーリンズが恋しい気持ちがわかる?
私は心をそこに置いてきてしまった
もう一つ忘れてられないのは、愛する人のこと
ニューオーリンズよりも恋しい、その人

日本語訳:陶守正寛

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◆レコーディングの一覧
https://secondhandsongs.com/performance/11648/versions
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2020/12/9

WWOZ Professor Longhair Remembered  ニューオーリンズ

ニューオーリンズのFM局、WWOZが2020年12月4日、40周年を迎えました。それを記念する放送が連日放送されてきましたが、12月3日に放送されたプロフェッサー・ロングヘア特集がすごいです。

元々1982年1月30日、フェスの2回目の命日に合わせて放送されたプログラムの再放送なのですが、約90分のプログラムはレアな音源満載なのです。晩年のフェスのマネージャーをしていた故アリソン・キャスロー(マイナー)がプロデューサーとDJを務めており、フェスが生前もっていた秘蔵テープも含め、いろいろとかけています。WWOZの放送アーカイブはウェブページで2週間保存されますので、12月17日まで聴けます。おすすめです。

以下のURLからどうぞ。77分ごろから始まります。
http://www.wwoz.org/listen/archive/show.php?date=2020-12-03&time=11AM


以下、かかった曲を書き出してみました。

1971年、1972年のベアズヴィル・セッションとされているものは、アルバム「House Party New Orleans Style」と同じセッションだと思いますが、メンフィスとバトンルージュ録音で全5曲、アルバムとダブりがありません。

冒頭のDavid Clayton Thomas (Bloodm Sweat & Tears)の曲は、デイヴィッドがフェスに贈ったデモテープだそうです。同名の曲は彼のアルバムに入っていますが、これは明らかに別バージョンです。デモという呼ぶには完成度がかなり高いです。

Brooklyn Robertはフェスのコンサートをよく見にきていたファンでハーモニカ吹きだったそうですが、フェスが持っていた彼の演奏のテープからの放送です。フェスのギグの前座でピアノを弾いています。Brooklyn Robertは1978年にニューオーリンズ市内で銃で撃たれて亡くなったそうです。

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Professor Longhair Remembered
Originally aired by WWOZ-FM on January 30, 1982
Rebroadcast commemorating the 40th Anniversay of WWOZ: December 3, 2020
From the archive of the New Orleans Jazz & Heritage Foundation (digitized for rebroadcast)
Producer & DJ: Allison Kaslow (Miner), ex-manager & friend of Professor Longhair
Program introduction: Jerry Brock, WWOZ Founder
Public Radio obituary: Steve Wrath (originally broadcast on All Things Considered, January 31, 1980)

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Unreleased demo-recording date and personnel unknown
1)David Clayton Thomas - Professor Longhair

Professor Longhair’s Home on Rampart Street, 1974
2)Unknown blues instrumental (solo)
3)In the Night (with Alfred “Uganda” Roberts)


Montreux Blues Festival, 1973
with The Meters (Leo Nocentelli-gt, George Porter Jr.-b, Joseph “Zigaboo” Modiste-ds, Art Neville-key)
4)Every Day I Have the Blues
5)(They Call Me) Dr. Professor Longhair


Ultrasonic Studios (recording date unknown-1979?)
With the Blues Scholars-Ronald Johnson-gt, Dave Watson-b, Earl Gordon-ds, Alfred “Uganda” Roberts-congas, Tony Dagradi-ts, Andy Kaslow-ts
6)Hey Now Baby

Jazz Festival Boat Ride, 1979 with the Blues Scholars
7)Big Chief

The Village Gate, New York, NY, 1979 - the Blues Scholars (without Professor Longhair)
Johnny Vidacovich-ds replacing Earl Gordon
8)Mess of Fess (written by Tony Dagradi)

Bearsville Sessions, Ardent Studios, Memphis, TN, 1971
with Snooks Eaglin-gt, Joseph “Zigaboo” Modeliste-ds, George Davis-b
9)Mess Around
10)Jambalaya
11)Mean Old World
12)G Jam


Deep South Recorders, Baton Rouge, LA, 1972
with Snooks Eaglin-gt, Joseph “Zigaboo” Modeliste-ds, Will Harvey-b, Shiba-ds
13)Stagger Lee

from Jerry Wexler’s tape, date unknown (1980?)
14)Dr. John-Mardi Gras In New Orleans
(followed by conversation between Wexler and Dr. John)

From old 78s as mentioned by Allison Kaslow
(no such 78s could be found. "Look What You’re Doing To Me” is a different version from the Ebb/Specialty single of 1957)
15)Ring Around The Rosie
16)Look What You’re Doing To Me


Brooklyn Robert-p,vo, Jed’s, 1970’s
From Professor Longhair’s tape
17)Sun’s Gonna Shine On My Backdoor Someday

Laufen, Germany, 1975
with David Berger-hp, Big Will Harvey-gt, Robert Harvey-b, Shiba-ds
18)Gone So Long
19)Willie Fugal’s Blues (solo piano)


1962 single (Rip 155)
with Wardell Quezergue-tp, James Rivers-ts, George Davis-gt, Joe “Smokey” Johnson-ds
20)I Believe I’m Gonna Leave
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