2020/10/23

BLUES & SOUL RECORDS 156号発売  ブルース

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ブルース&ソウル・レコーズの最新号が発売になります。前回は付録CDが付いていなかったのですが、今回は付いています。今後は以前のように毎回CDが付くとは限らないようですが、なくなるわけではないそうです。

本号はポール・オリヴァーの「Story of the Blues(邦題:ブルースの歴史)」が11月に土曜社から復刊されるのにあわせ、戦前ブルースを中心にブルースの歴史を振り返る特集号となっています。CDも戦前ブルースの王道的な選曲となっています。

今回は追悼記事が5つもあるのが目立っています。ちょっと淋しいですね。

僕は今回はいつもの通り海外ニュース記事書いています。

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BLUES & SOUL RECORDS NO. 156
2016年10月24日発売
定価: 1,800円+税
https://bsrmag.com/magazine/bsr156/

1969年刊行のポール・オリヴァー“The Story Of The Blues”は1978年に『ブルースの歴史』と題し翻訳出版され、ブルース・ファン必読の書として愛されてきた名著です。このたび1997年改訂版を元に、原書の大判サイズでの復刊が決まりました。ブルースと真剣に向き合うなら一度は通るべき一冊を楽しみ、堪能しましょう。
★ 『ブルースの歴史』を楽しむ(1)全てではない未完の「物語」 隙間が導くブルースとその先[みなべかん]
★ 『ブルースの歴史』を楽しむ(2)ブルースに半歩でも近づくために 幾度となく開く“バイブル”[妹尾みえ]
★ 『ブルースの歴史』を知る 著者の原体験も反映された 見て読むブルースの歴史[濱田廣也]
★ 『ブルースの歴史』を楽しむアルバム108枚[高地 明/妹尾みえ/濱田廣也]
8つのカテゴリー別に『ブルースの歴史』読者のための参考ディスクを紹介
[1] ブルースの背景としてのアフリカおよびアングロ・アメリカン音楽
[2] ブルースの構成要素となった労働歌と民間伝承歌
[3] ブルースの多様性を楽しむ多彩なスタイルを収めた編集盤
[4] ブルースを育んだ地域を探訪
[5] 都市を彩ったブルース
[6] 弦、水差し、洗濯板を用いた陽気で愉快な楽団たち
[7] ブギウギを生み、ブルースの発展に大きく貢献したピアニストたち
[8] ヴォードヴィルなどで活躍した女性シンガーを中心に
★ ブルース重要地マップ
★ 『ブルースの歴史』関連年表
【付録CD】ANOTHER STORY OF THE BLUES 1925-1938
ブルースに登場する地名をたどって1920〜30年代のアメリカを旅してみよう。ミシシッピ・デルタの伝説の地、タトワイラーから、メンフィス、セント・ルイス、シカゴへと北上し、ハイウェイ61でメキシコ湾まで南下。鉄道に乗ってシュリヴポートからダラス、そしてヒューストンへ。ジョージアのアトランタから、フロリダへも足を伸ばそう。
※音源が古いためノイズがあります。ご了承ください。
1. SAM COLLINS: Yellow Dog Blues
2. LILLIAN GLINN: Shreveport Blues
3. JOE PULLUM: McKinney Street Stomp
4. BESSIE TUCKER: Fort Worth And Denver Blues
5. SPECKLED RED: St. Louis Stomp
6. LEROY CARR: Naptown Blues
7. YANK RACHELL: Lake Michigan Blues
8. “MA” RAINEY: Bessemer Bound Blues
9. BARBECUE BOB: Atlanta Moan
10. MACON ED AND TAMPA JOE: Mean Florida Blues
11. MEMPHIS JUG BAND: Going Back To Memphis
12. CHARLIE PICKETT: Down The Highway
【その他の主な記事】
● 映画『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』公開
● 追悼 ピーター・グリーン〜ブリティッシュ・ブルース/ロックの天才ギタリスト逝く[小出 斉]
● 追悼 ロッド・バーナード〜永遠の名曲を生んだスワンプ・ポップのパイオニア[はたのじろう]
● 追悼 エドナ・ライト〜ハニー・コーンで花開いたシンガー[鈴木啓志]
● 追悼 チャドウィック・ボウズマン〜英雄を演じた英雄[中田 亮]
● 追悼 写真家 打田浩一氏を悼む[濱田廣也]
● 注目作をじっくり鑑賞する─「語りたい逸品」コーナー
 *CD『ELVIN BISHOP & CHARLIE MUSSELWHITE: 100 Years Of Blues』[井村 猛]
 *CD アイク&ティナ・ターナー/アイク・ターナーズ・キングス・オブ・リズム〜ポンペイ期3作[濱田廣也]
●[新作アルバム・リヴュー]ボビー・ラッシュ/ベティ・ラヴェット/ファンタスティック・ネグリート/ダン・ペン 他
【連載】
☆ 永井ホトケ隆 好評連載「Fool’s Paradise」第4回
☆ [新連載]SONS OF SOUL/林 剛
☆ [新連載]ゴナ・ヒット・ザ・ハイウェイ〜西海岸と南部を結ぶ「I-10」沿道音楽巡り/日向一輝
☆ なんてったってインディ・ソウル 蔦木浩一×齋藤雅彦
☆ フード・フォー・リアル・ライフ 〜歌詞から見るブルース&ソウルの世界/中河伸俊
☆ 小出斉の勝手にライナーノーツ「V.A. / Recording The Blues」
☆ リアル・ブルース方丈記/日暮泰文
☆ 鈴木啓志のなるほど! ザ・レーベル VOL.85 「Seventy 7」
☆ ゴスペル・トレイン「ゴスペレアーズ」/佐々木秀俊+高橋 誠
☆ BLUES IS MY BUSINESS no.232/吾妻光良
☆ いづみやの曲追い酩酊談/佐々木健一
☆ 原田和典の魂ブチ抜き音楽
☆ 文聞堂書房〜古書掘りコラム/出田 圭
☆ ICHIのチタリン・サーキット最前線
☆ International Music Stroll〜世界の音楽にぷらりと出会おう/ワダマコト
☆ ニッポンの。国内アーティスト新譜紹介/妹尾みえ
☆ ブルース&ソウルが流れる店/轟美津子
☆ Ain’t That Good News 国内ライヴ/イヴェント情報ほか
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『ブルースの歴史』
ポール・オリヴァー著/米口胡=増田悦佐訳
解説 日暮泰文/土曜社刊
A4変型判(297 × 215ミリ)上製、208頁
ISBN978-4-907511-62-3 C0073
[2020年11月下旬発売予定/初版1000部予定]
www.doyosha.com/
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2020/9/29

9月29日、オーティス・ラッシュの命日です  ブルース

シカゴ・ブルース界の偉大なギタリスト、オーティス・ラッシュが亡くなって2年が経ちました。

彼については、このサイトでディスク・ガイドも作っているし、もう言い尽くした感もあるのですが、やはり類稀なる存在だったと思います。

僕はB.B.キングが亡くなった際、B.B.の才能(すごいところ)について、「長く第一線で創造力を発揮し続けたこと」にあると指摘しました。

そういう意味で言えば、オーティスは「B.B.キングのようにはなれなかった人」でもあります。

でも、僕は彼の魅力はその事実と表裏一体だと思っています。自分の気分、感情に素直だからこそ、常にいいいい演奏をするのは難しい。その代わり、乗っているときのオーティスの凄さは筆舌に尽くしがたかったのです。いつも安定していい演奏をする人は、あの乗っているときのオーティスのような演奏はできないでしょう。そのギターの一音一音、そして歌声からはストレートに感情が迸っていたと思います。

内なる感情を吐露するのがブルースの本質だとすれば、オーティスほどブルースを生きた人は珍しいかも知れません。

悪い言い方をすれば気分屋さんです。それ故に作品自体多くはないですが、幸い初期のコブラ時代(1956-58)から始まり、節目節目で傑作を残してくれました。僕の作ったディスク・ガイドが彼の作品を聴くお供になってくれればこれほど嬉しいことはありません。

彼の命日を機に、オーティス・ラッシュを聴いてみませんか?

どれから聴いていいのかわからない、というのであればまずはコブラ時代の16曲(色々なコンピレーション・アルバムが出ています)、そして1971年にレコーディングされたアルバム「Right Place, Wrong Time」を聴いてみてください。後悔はしないでしょう。

オーティス・ラッシュ・ディスク・ガイド
http://bluesginza.web.fc2.com/rush/

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【過去のオーティス・ラッシュ関連記事】

オーティス・ラッシュが亡くなって一年 (2019/9/29)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1861.html

4月29日はOtis Rushのお誕生日です (2019/4/29)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1837.html

Otis Rushの訃報に接して (2018/10/4)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1800.html

Happy 80th, Mr. Otis Rush! (2015/4/29)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1618.html

Happy birthday, Otis Rush (2014/4/30)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1523.html

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2020/8/28

ブルース・ギタリストBryan Leeが他界  ブルース


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Bryan Lee at the Blues Club, Apr. 26, 2004
Bourbon Street, New Orleans
(c)Masahiro Sumori. All rights reserved.

ブルース・ギタリスト、シンガーのブライアン・リーが亡くなりました。77歳でした。

亡くなった原因は明らかになっていないのですが、8月21日、フロリダ州サラソータのホスピス施設で亡くなったということですから、闘病中だったのでしょう。2018年に出したアルバム「Sanctuary」でも元気な演奏を聴かせていましたが、これが最後のリリースとなってしまいました。

ブライアンは1943年、北部ウィスコンシン州のトゥーリヴァーズ生まれ。8歳の頃に失明しており全盲でした。braille blues daddy (点字のブルースおやじ)の愛称で親しまれました。

1980年代初頭にニューオーリンズに移住し、以後30年に渡り同地を拠点に活躍しました。僕も1988年に初めてニューオーリンズを訪れた際、バーボン・ストリートのライヴハウス、オールド・アブシンス・ハウスで彼のライヴを見たのを覚えています。当時、ここがブライアンのホームだったのです。

1990年代にこのお店がダイキリスタンドに変わってしまいライヴをやらなくなると、同じバーボンの別のお店にホームを移し、ギグを続けました。

長年ニューオーリンズに住んだブライアンですが、ギグが少なくなってきた2013年にフロリダ州に移住します。しかし、ニューオーリンズへの愛着は変わらなかったようで、度々戻ってきてはプレイしていたようです。

彼のサウンドはB.B.キング、アルバート・キングといった人たちの流れをくむ正統派なコンテンポラリー・ブルースを基調としながら、ジャンプやロックンロール的な要素も感じさせるノリノリで楽しいブルースでした。特に2002年の「Six String Therapy」で聴かせたニューオーリンズ味のR&Bは最高でした。

ルイジアナ出身のブルース・ロック・ギタリスト、ケニー・ウェイン・シェパードが彼を師と仰いでいたのは有名な話です。ケニーが13歳の頃、ニューオーリンズでブライアンのライヴに行った際、ブライアンは彼をステージに上げて共演し、これがきっかけで彼はプロのミュージシャンになる決意をしたのだそうです。

この2人はブライアンのライヴ盤、そしてケニーのアルバムでも共演をしています。

Kenny Wayne Shepherd Feat. Bryan Lee - Tina Marie - USA 2006



ブライアンはカナダのジャストインタイム・レーベルを中心に計17枚のアルバムをリリースしました。前述のラスト・アルバム「Sanctuary」はゴスペル色も加えたサウンドを展開していたのは印象に残りました。

ブライアン、安らかに。

Bryan Lee - Braille Blues Daddy
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2020/8/25

BLUES & SOUL RECORDS 155号発売  ブルース

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先の書き込みの通り、ブルース&ソウル・レコーズ誌はこの号からトゥーヴァージンズに発行元が変わります。とは言え内容はこれまで通りだと思います。

5月に亡くなったリトル・リチャードを巻頭特集に据え、彼のバイオやディスク・ガイドはもちろん、LGBTQの世界にまで触れた大特集となっています。

5月は、他にもベティ・ライト、ラッキー・ピーターソンと訃報が続いており、彼らの追悼記事も掲載されています。僕はラッキーの記事を書きました。

他僕は、ロバート・ジョンソンの義理の妹アニエ・アンダーソンによる回想録「Brother Robert」の紹介記事も書いています。この本の発表に合わせて公開されたジョンソンの3枚目となる写真はブルース・ファンの間で話題となりました。アニエが持っていた写真ですが、今年94歳となる彼女は実際幼少期をジョンスンと一緒に過ごしており、彼と過ごした日々を未だ鮮明に覚えていると言います。これまで語られなかった等身大のロバート・ジョンソンを描き出した興味深い一冊です。

本号はまた、特別付録として「わたしのソウル愛聴盤」という小冊子が付きます。15人のライターたちがそれぞれ7枚ずつ、計100枚ほどのソウル愛聴盤を挙げてまとめた冊子です。

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BLUES & SOUL RECORDS NO. 155
2020年8月25日発売
定価: 1,600円+税
https://bsrmag.com/magazine/bsr155/

この5月に87歳で亡くなったリトル・リチャード。ロックンロールのオリジネイターとして知られる彼は、ジェイムズ・ブラウン、オーティス・レディングといったR&Bを代表するシンガーや、ボブ・ディランやビートルズを始めとする多くのロック・アーティストに決定的な影響を与えただけでなく、LGBTQ+の先駆者としても多くの人に扉を開いた。人々に自由のスピリットを植え付けたその偉大な功績を讃えたい。
★ [特別寄稿]ROY (THE BAWDIES) ─背中を押したポジティヴな歌声
★ 砂糖菓子とスプートニック ─LGBTQ+が見る、LGBTQ+先駆者のこと [丸屋九兵衛]
★ 時代を制した危険な破壊力リトル・リチャード・ストーリー ─[ワダマコト]
★ スペシャルティ期の全米ヒット19曲解説[小出 斉]
★ リチャードはトリックスター? スペシャルティ作品に隠された意味とは[濱田廣也]
★ レコーディング・ガイド 
  ■RCAヴィクター/ピーコック 
  ■ゴールドナー/マーキュリー/アトランティック 
  ■ヴィー・ジェイ 
  ■モダン  
  ■オーケー/ブランズウィック 
  ■リプリーズ  
  ■1970年代以降[鈴木啓志/濱田廣也]
★ リトル・リチャードをもっと知る 
  ビリー・ライト/エスケリータ/ゴスペル界の伝説的シンガーたち/計り知れない影響力[濱田廣也]
★ 世界最高のロックンロール・バンド ジ・アップセッターズ[鈴木啓志]

【その他の主な記事】
● 映画『メイキング・オブ・モータウン』がいよいよ上陸[妹尾みえ]
● [緊急リポート] コロナ禍に直面した全国のソウル・バーはいま[加藤千穂]
● 追悼 ベティ・ライト[高橋 誠]/
  アルバム・ガイド[新井崇嗣/林剛]
● 追悼 ラッキー・ピータースン[陶守正寛]/
  アルバム・ガイド[スカンクちかの]
● 注目作をじっくり鑑賞する─「語りたい逸品」コーナー
 *BOOK 『BROTHER ROBERT』/
  ロバート・ジョンスン伝説の裏のもうひとつの顔[陶守正寛]
 *CD『JOHN LEE HOOKER: The Sensation Recordings』/
  ジョン・リー・フッカーの至宝センセイション録音集現る![やすだあきよし]
 *CD 『DAVID KIMBROUGH JR.: Say You Don’t Love Me』/北ミシシッピ・ブルースの異才、生前最後の生身の歌[井村 猛]
●[新作アルバム・リヴュー]ドン・ブライアント/メイシオ・パーカー/ジョー・ルイス・ウォーカー 他

【連載】
☆ 永井ホトケ隆 好評連載「Fool’s Paradise」第3回
☆ なんてったってインディ・ソウル 蔦木浩一×齋藤雅彦
☆ フード・フォー・リアル・ライフ 〜歌詞から見るブルース&ソウルの世界/中河伸俊
☆ 小出 斉の勝手にライナーノーツ「THE WILD & FRANTIC LITTLE RICHARD」
☆ リアル・ブルース方丈記/日暮泰文
☆ 鈴木啓志のなるほど! ザ・レーベル VOL.84 「Gay Shel」
☆ ゴスペル・トレイン「TAKE 6」/佐々木秀俊+高橋 誠
☆ BLUES IS MY BUSINESS no.231/吾妻光良
☆ いづみやの曲追い酩酊談/佐々木健一
☆ 原田和典の魂ブチ抜き音楽
☆ 文聞堂書房〜古書掘りコラム/出田 圭
☆ ICHIのチタリン・サーキット最前線
☆ International Music Stroll〜世界の音楽にぷらりと出会おう/ワダマコト
☆ ニッポンの。国内アーティスト新譜紹介/妹尾みえ
☆ ブルース&ソウルが流れる店/轟美津子
☆ Ain’t That Good News 国内ライヴ/イヴェント/来日公演情報ほか

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【特別小冊子付録】「わたしのソウル愛聴盤」
 ソウル・ミュージックの魅力とは?と聞かれたら、さて、どう答えましょう。
 今号付録小冊子では「歴史的重要盤」という物差しはひとまず脇に置き、ソウル愛好家のみなさんにこう聞くことにしました。

「あなたのソウル愛聴盤を教えてください」。

 長年ソウルや黒人音楽を専門として執筆されている方を中心に、ミュージシャン、レコード・ショップや音楽バーの店主、レーベルのA&R等、それぞれにソウルと向き合っている方々に、日頃愛聴しているアルバムを7枚ずつ紹介していただきました。複数の方に選ばれた歴史的名盤もあれば、知る人ぞ知るもの、まだ生まれたばかりのアルバムもあります。約100枚のアルバムからは、選者の皆さんそれぞれの「ソウル観」も見えてきます。
 これらの「愛聴盤」が、ソウルの多彩な魅力と多様な楽しみ方を教えてくれることでしょう。
[参加者一覧(五十音順)]
  ■安藤賀章[Pヴァイン] 
  ■岩間慎一 
  ■高地 明 
  ■小渕 晃 
  ■佐藤 潔[Cafe & Bar SUPER GOOD] 
  ■柴崎祐二 
  ■鈴木啓志 
  ■田中伊佐資 
  ■蔦木浩一[ディスクユニオン]
  ■中田 亮[オーサカ=モノレール] 
  ■林 剛
  ■原田和典 
  ■日向一輝 
  ■平野孝則[ブーツィーズ・レコード] 
  ■濱田廣也[ブルース&ソウル・レコーズ]
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2020/8/24

初のブルース・レコーディングから100年  ブルース

黒人が歌った最初のブルースのレコードってご存知でしょうか。

それはメイミー・スミス (Mamie Smith, 1991-1946)という女性シンガーが歌った“Crazy Blues”という曲で、1920年8月10日レコーディングされ、その数ヶ月後にオーケー・レコードよりSP盤がリリースされています。そう、今月は初めてのブルースがレコーディングされてからちょうど100年という記念すべき月なのです。100年、すごい長いですよね。1920年といえば第一次世界大戦が終わった2年後、アメリカで大恐慌 (1929年)が起こるより前の話です。日本で関東大震災 (1923年)が起こるより前ですね。ブルースも随分と長い歴史を歩んできたんだなと思わずにはいられないです。

Mamie Smith / Crazy Blues (1920)


1887年に平面円形のレコード盤が発明され20世紀初頭にはレコードが発売されるようになっていましたが、当初のターゲット購買者は白人で、一部の例外を除いて演奏者もほぼ全て白人でした。黒人は購買力がないと考えられていたのです。

しかし、この“Crazy Blues”は黒人層に受け、発売の最初の1ヶ月で75,000枚を売り上げるヒットとなりました。これに味をしめたオーケー・レコード、そしてそのライヴァルのレコード会社もメイミーに続く黒人のスターを探すようになり、1923年にはマ・レイニー、ベシー・スミスが相次いでレコード・デビューしました。

黒人層をターゲットとしたレコードは新たなマーケットとして認識されるようになり、race (人種-つまり黒人のこと) recordの名で呼ばれるようになりました。まだ、白人優位が当たり前の時代だったわけです。

真っ先にレコーディングを行ったシンガーたちってみんな女性なんですよね。少なくともブルースのレコーディングでは男性よりも女性が一歩先を行っていたのです。

では、初めて男性のブルース・レコードはなんなのか?あまり話題にはならないですが、それはエド・アンドリューズという人だと言われています。彼が何者なのかはよくわかってはいないのですが、カントリー・ブルースのシンガー/ギタリストで、1923年にレコーディングを行い1924年にそれがリリースとなっています。他ほぼ同時期 (1923年)にシルヴェスター・ウィーヴァーもギターのインスト曲を2曲レコーディングしています。

パパ・チャーリー・ジャクソンもそれを追うように1924年にレコーディング・デビューを果たしています。

Ed Anderson / Barrel House Blues (1924)


Sylvester Weaver / Guitar Rag (1923)


Papa Charlie Jackson / Airy Man Blues (1924)


いずれにせよ、1923年頃がいっきにレコードを作る機会が増えた時期だということでしょうね。

この時点ではまだレコーディングは電気を使わずに演奏の振動を直接原盤に刻み込む方式で行われていましたが、1925年に電気式のレコーディング技術が導入され、以後レコーディングの精度が飛躍的に向上しました。遠くの音もよく拾えるようになったので、大編成のバンドのレコーディングも増えていきました。

こんなレコーディングの歴史という側面を考えながら昔のレコードを聴くのもまた楽しいです。
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