2021/5/28

オリンピック反対は非論理的なのか?  

東京オリンピック開催を支持する人たちの意見でよく聞くのは、反対している人は感情的になっていて論理的思考が停止しているという主張です。

そうでしょうか?確かに、この期に及んでも何が何でも強行しようという関係者の態度、発言を見るとなかなか冷静ではいられません。でも、論理を無視しているのはむしろ現状を直視しない開催論者の方でしょう。開催予定日まで2ヶ月を切っても、コロナ変異株は広がり、緊急事態を宣言する地域も広がっている現状。確かにワクチンの接種は少しずつ進んできてはいますが、まだまだ行き渡るには程遠い。仮に7月までに行き渡ったとしても、それを以て感染が収束するわけではありません。

東京都では変異株は危険だからと三密どころか二密、一密も避けろ、酒の提供はならぬ、守らない店は過料を科すと脅す。東京の地元民にはそんな苦難を強いる一方で、10万人もの大会関係者をあらゆる国々から呼ぼうとしている。彼らは基本的に外を出歩くのはご法度なので、経済的波及効果は限定的。しかし当然それだけの人が来れば、新たな感染源を持ち込む危険性は充分にあります。PCR検査は完璧ではないのですから。行動制限を守らない人も出るでしょう。10万人もの人の行動を管理しきれるとは思えません。

関係者や開催論者たちは、論理的に安心安全な大会は可能と胸を張ります。でもね、前例がない事態ですから、そんなのは机上の空論なんですよ。現に「短期集中的に感染を抑え込む」として政府が臨んだ3回目の緊急事態宣言だって、充分な効果は上がっていません。もし感染爆発が起きてしまったら責任取れますか?原発を安全だと言って無責任に推進して来た人たちと同じ論理ですよ。

危険性をゼロにすることなんかできない、それはわかっていますが、今はオリンピックをやるには危険性が依然高すぎる、それは状況が何よりも明確に物語っているのではないですか?

百歩譲って「反対派は感情的になっている」との主張に同意したとしても、いまやその反対派は日本の人々の過半数です。地元民に歓迎されないオリンピックなんてやる意味がありますか?地元民の大多数から「是非やってほしい」と熱望されてこそこういう大イベントは成り立つのではないのですか?

人々に希望と勇気を与えるために必要?ちゃんちゃらおかしいです。
今やオリンピックは人々の不安と怒りの種となってしまっています。

希望と勇気を与えるのならば、すぐにオリンピックの中止を宣言して、コロナ収束のために資源を集中させてください。
東京都と日本政府がやるべきことはそこでしょう。
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2021/1/25

今年の干支は牛  

ここ最近は新年に干支のアルバム・ジャケット集を挙げることがなかば恒例化していたのですが、今年2021年は「牛(丑年-うしどし)」。

随分遅くなってしまいました。サボっていたのもあるのですが、一番の理由は牛をあしらったジャケットが思いのほか少なかったからなのです。ありそうなものなのですが、いやいやこれがあまりない。牛を広めに解釈して乳業から水牛まで探したんですが。

鶏などはRooster Bluesとか、レーベルのロゴなどに使われていたりするんですが、牛のレーベルなんて聞いたことないです。結構困りました。で、いろいろ考えた結果です。どうぞ!

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Pink Floyd / Atom Heart Mother
牛のジャケットと言えば真っ先に思いつくのがこれでした。A面を丸ごと使った壮大な組曲”Atom Heart Mother”を含むピンクフロイドの1970年作。ジャケットを手掛けたのはあのヒプノシスです。これ以上は望めない堂々たる牛ジャケットですね。

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Aerosmith / Get A Grip
牛の顔がないですが、これもわかりやすい乳牛ジャケですね。

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Rob Gee And The Natas / Cow Tipping
この人たちは僕は初めて聞く名前です。ウェブ検索で見つけました。ロブ・ジーは、アメリカのハードコアテクノの人だそうです。このCow Tippingという言い回しは、寝ている牛をちょいちょいとつつくとパタンと倒れるという人間で言えば「膝カックン」のようなイタズラを指す言葉です。でも、実際には倒れることはないようです。試したことはないですが。

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Various Artists / Blues Party 'til the Cows Come Home
今回ブルースのレコード・ジャケットでは牛が描かれたものが殆どなく、まいりました。

このアルバムはどうやら、Spotifyなどオンライン配信用に編集されたブルースの編集盤のようです。パッケージはなさそうですが、なかなかセンスのいい牛ジャケットですね。楽曲は、新旧色々なブルースの名曲が入っているようです。

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Frank Zappa / Lather
フランク・ザッパの没後1996年に出たCDです。公式のリリースは1996年。ピンクフロイドとシリーズのようにも見えますが、関係はないです。

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ここから3枚はちょっと苦し紛れの内容です。牛ジャケと言えるのか?まあ、そこはご愛敬で。。。

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The Eagles / One of These Nights
ぱっと見はわかりませんが、このジャケットにあしらわれているのは牛の頭骸骨です。イーグルズ・メンバーの友人であったアーティスト、ボイド・エルダーの作で、彼の作品は彼らのグレーテスト・ヒッツのジャケットも飾っています。そちらは鷲の頭蓋骨をモチーフにしています。

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Best of the Bayou
ルイジアナ州ラファイエットのクラブ、ブルームーン・サルーンでのライヴを収録したCDです。ブルームーン・サルーンのロゴマークがドーンと使われていますが、これが水牛の頭蓋骨ですね。

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The Stills-Young Band / Long May You Run
これはぱっと見、本当にわからないかも知れないですが、よくよく見ると描かれているのは牛かな?と思います。



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でブルースは殆どなかったのですが、牛は結構歌詞の中には出てきますね。Milk Cow(乳牛)が登場する歌詞は結構あります。でも、まず本当の牛を歌っているのではなく、女性のことを比喩的に言っているものが多いと思います。

ブルースでよく知られているのはココモ・アーノルド、あとロバート・ジョンソンも”Milk Cow’s Calf Blues”という曲をやっていますね。
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あとは上にあげたコンピのタイトルにもなっていますが”till the cows come home”(牛が帰宅するまで)という表現もよく歌詞に出てきます。これは「夜明けまで」を指す慣用句ですね。

この曲はよく知られているのではないでしょうか。朝までパーティーでバカ騒ぎ、です。


あとは、もっとエッチなルシール・ボーガンの曲もありますが、興味のある方は調べてください。(笑)

芸名では戦前に活躍したブギウギ・ピアノのカウ・カウ・ダヴェンポートという人は有名ですね。彼の名前は”Cow Cow Blues”という代表曲に由来していますが、この曲でいうcow cowとは汽車のフロントについていた牛の追突を防止するためのカウキャッチャーのことだそうです。cow catcherが訛ってcow cowになっちゃったんでしょうかね。



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この前のバンパーのような部分がカウキャッチャーだそうです。
Pearson Scott Foresman - Archives of Pearson Scott Foresman, donated to the Wikimedia Foundation, パブリック・ドメイン

まあ、そんなところで、遅くなりましたが、今年もよろしくお願い申し上げます。もー!!

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【過去の干支ネタ】
2019年(亥年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1818.html

2018年(戌年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1769.html

2017年(酉年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1719.html

2016年(申年)サルがテーマの曲
https://black.ap.teacup.com/sumori/1665.html
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2021/1/1

謹賀新年2021  

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新年あけましておめでとうございます。

2020年は早々から新型コロナ感染症のせいで、音楽を楽しむのもままならない状況でした。でも、そういう状況だからこそ、いかに音楽が僕らの人生にとって大切かを身に染みて感じた一年だったのではないでしょうか。

今年はこんな沈んだ状況が少しでも良くなりますように。

再び、音楽好きの人たちが密になってシャウトして楽しめる日が来ますように。

ウィズ・コロナなんて冗談じゃないよ。コロナなんてどっかに行ってしまえ!

元旦の朝、東京は雲一つない快晴。ここ数年では初めてのきれいな初日の出が拝めました。

2021年はこんな元旦の空のように、これまでのモヤモヤがすっきり晴れる一年になってくれるでしょう。そう信じています。

今年もよろしくお願いします。

2021年元旦 陶守正寛
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2020/8/31

さようなら、としまえん  

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今日2020年8月31日、としまえんが長い歴史を閉じます。

来園者数が1990年代の全盛期には400万人ほどあったのが昨年は112万人。閉園は仕方ないのかもしれませんが地元民にとっては淋しい限りです。特にコロナ禍の異常な状況のまま終焉を迎えるのは残念。

1926年に開園して100年近く。まるで伝説のブルース・ミュージシャンとお別れをするような気分です。1926年生まれの人というと、ビッグ・ママ・ソーントンにギター・スリム、R.L.バーンサイド、J.B.ハットーなどなど。いずれも故人ですが、彼らの音楽とお別れしなければならないと考えたら、悲しくなりますよね。

としまえんは、住宅街の中にあるせいもあって、ディズニーランドにはない、アットホームでカジュアルな雰囲気がありました。豊島園駅が最寄りですが、お隣り練馬駅のホームからもFlying Piratesの船が揺れるのが見えました。あれが見られなくと思うとそれだけでため息が出ます。はぁ。

個人的には、幼稚園の遠足で初めて訪れてからもう50年近く。子供の成人式もここでした。最終日に行くことはできないですが、6月に久しぶりに行ってきました。もう一度行っておきたかったけど、結局それが最後になってしまいました。

このあとにできるハリー・ポッターのテーマパーク。USJのやつは行ったことあるけど、どんなものになるのか想像できないです。

名物のメリーゴーランド、エルドラドだけはそのまま残してほしかったな。とりあえず解体し保存するそうですが、どこかでまた見ることができるでしょうか。

さようなら、としまえん。そしてありがとう。

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2020/2/12

「ストーンズ」呼称問題に思う  

先月CDデビューをしたジャニーズのアイドル・グループ、SixTONESについて、その読み方が「ストーンズ」であることから、ローリングストーンズ・ファンを中心に物議を醸しています。

まず、これまでネット上で見た範囲で、双方ファンの主張をざっくり整理するとこんな感じでしょうか?

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ローリングストーンズ・ファンの主張
・「ストーンズ(Stones)」はローリングストーンズの略称、愛称として長年定着
・「SixTONES」は元々結成時は「シックストーンズ」だったのに変更した
・「SixTONES」と書いて「ストーンズ」と読むのは無理がある
・ジャニーズ事務所がわざわざぶつけた乱暴な商法ではないか?
・メディアでは既に「ストーンズ」の呼称でローリングストーンズとSixTONESが混在してしまっている
・紛らわしいからやめてほしい

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SixTONESファンの主張
・SixTONESファンとローリングストーンズファンは全く別
・綴りも違う
・だから紛らわしくない
・ローリングストーンズの「ストーンズ」は略称に過ぎない
・ローリングストーンズが正式名称を使えば済む話ではないか
・名前が同じになったのは単なる偶然

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僕はストーンズの大ファンというほどでもないですが、立場としてはストーンズ側です。

今回の件について僕が思うに、「ストーンズ」は例え正式名称ではないにせよ、ローリングストーンズの略称として広く定着しており、それをあえて新グループの名称にしたジャニーズ事務所は非常識としか言いようがないと思います。

ローリングストーンズ・ファンとしては、言ってみれば、長年住み慣れた家に突如土足で入り込まれたような気持ちになる出来事です。

一方、ローリングストーンズなんて知らない多くのSixTONESファンは、変なロック・ファンが騒いだ挙句、自分の好きなグループが攻撃され不快、そういうことでしょう。この不幸なボタンの掛け違いを引き起こしたのは他でもないジャニーズ事務所だと思います。

これに限らず、既に使用されているバンド名をあえて使う行為は、紛らわしいし、気持ちのいいものではないのでやめてほしいと僕は思います。

この問題が話題になって真っ先に思い浮かんだのが斉藤和義と中村達也のユニット「MANNISH BOYS」でした。彼らのデビューは2011年ですが、それを遡ること7年、2004年から西海岸で全く同じ名前のブルース・バンドが活動しています。しかし、日本のMANNISH BOYSがデビューして以来、ネット検索をするとそちらばかりヒットするようになったので、非常に面倒なのです。西海岸のバンドの方に注目してきた僕としては、解せないものがありました。

今回の件は、ローリングストーンズの世界的な知名度から考えれば「知らなかった」「単なる偶然」はあり得ません。「シックストーンズ」を「ストーンズ」に変えようと言い出したのは、メンバーのインタビューによると、故ジャニー喜多川氏だったそうです。彼の真意はいまやわかりませんが、ローリングストーンズの知名度に便乗してSixTONESを売り出そうと考えたのでしょうか。やり方がせこいなという印象です。当初通り「シックストーンズ」にしておけば、こんな騒ぎにはなっていないのに。

一方、「stones」は英語で「石」を意味する一般名詞であり、ローリングストーンズの呼称として商標登録されているわけでもありません。カタカナ表記の「ストーンズ」が両者一致してしまうという問題はあるにせよ、法的に問題があるわけはなく、「感心しない」という以上のことは言えないのではないでしょうか。

更に言えば、「ローリングストーンズ」という名前もマディ・ウォーターズの曲名から拝借したものであることは周知の事実です。SixTONESとジャニーズ事務所ばかり泥棒扱いするのも僕は公平とは思えません。

ローリングストーンズ・ファンにとっては気持ちよくない状況ですが、この一件によってローリングストーンズの功績が否定されるものでもないですし、この問題は、結局ジャニーズ事務所の良識に任せるしかないだろうと僕は思います。

本件についてジャニーズ事務所は知らんぷりな状況ですが、一度率直な見解を発表して、ローリングストーンズへの敬意を示したらすっきり収まると思うのですが、どうでしょうか。

少なくともローリングストーンズは、デビュー以来マディ・ウォーターズに対し敬意を表し続けて来ています。ジャニーズ事務所もそれくらいして当然だろうと思いますが、違いますか?それとも「知らなかった」とでも言うのでしょうか?


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[2020/2/17追記]
若干の補足です。「『stones』はローリングストーンズの呼称として商標登録されていない」と書きましたが、「Rolling Stones」としてはオランダのMusidor B.V.によって国際的な商標登録が複数されており、そのうちの一つの中に「称呼」として「ストーンズ」と記載されています。
国際登録1478291
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-1478291-20181130/76F2949E187CCC3B366C50317A9023C17B0DFB183883CA1488248E59809AA8E7/49/ja
ただ「stones」あるいは「ストーンズ」はあくまでも略称、愛称であって、この形ではバンド側から正式に商標登録されていないというのは事実のようです。


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[2020/2/26追記]
「Rolling Stones(ローリングストーンズ)」という名称が商標登録されている場合、その略称である「Stones(ストーンズ)」は権利の対象になるのか?

対象になるだろうという意見もあるようですが、僕は対象にはならないと思っています。

「Rolling Stones(ローリングストーンズ)」については、審査中のものも含め現在4件の商標登録がありますが、「ストーンズ」が含まれているのは現在審査中の国際登録14782911件のみであり、それも「称呼(参考情報)」の中に記されているにすぎません。「称呼(参考情報)」は記載通りあくまでも参考情報であり、権利の対象ではありません。(参考ページ 商標の読み方は指定はできない https://hatsumei-plus.jp/column/5672/

「Stones(ストーンズ)」に商標としての権利を発生させるためには別個「Stones(ストーンズ)」で商標登録する必要があります。しかし、僕が調べる限りそのような登録はありません。(見落としているようでしたらご指摘ください。)

「Stones(ストーンズ)」という言葉を含む商標登録はローリングストーンズ以外にも多々あり、僕が思うに「Stones(ストーンズ)」だけで商標登録するのは難しいでしょう。(恐らく出願しても認められない)

なのでこの問題を法的措置に持ち込むのは現実的ではなく、僕の当初の結論「結局ジャニーズ事務所の良識に任せるしかない」は間違っていないと思います。

もう一つ、略称の商標登録について参考となるページを貼っておきます。
略称の商標登録(NNRニューズレター)
https://namae.co.jp/news/news_149.htm

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