2021/3/11

Do You Know What It Means To Miss New Orleans  ニューオーリンズ

ニューオーリンズのことを歌った歌はたくさんありますが、僕の好きな曲の一つに”Do You Know What It Means To Miss New Orleans”があります。

元々1947年の映画「New Orleans」のために書かれたジャズの曲でルイ・アームストロングとビリー・ホリデイがやっており、映画全体でもフィーチャーされています。

これはその映画からの映像です:


ニューオーリンズに恋焦がれる強い想いを込めた楽曲で、ニューオーリンズっ子にも愛されてきました。演歌で言えば、東北への想いを歌った千昌夫の「北国の春」みたいな感じでしょうか。2005年にハリケーン・カトリーナで多くの人が避難を余儀なくされた際に、彼らの気持ちを代弁する曲として再び注目を浴びました。

今まで、あまり細かいことは気にしたことがなかったのですが、歌詞に注目してみると色々と面白いこと、不思議なことに気づきました。

この曲を書いたのはエディ・デランジ(詞)とルイス・アルター(曲)という2人です。両者とも出身は東海岸で、ニューオーリンズには縁はなさそうです。職業ソングライターとして、映画の仕事の依頼を受けてこの曲を書いたということなのでしょう。

歌詞を読み解いてみると、ニューオーリンズへの想いを歌っているにも関わらず、作詞者のデランジはあまりこの街のことを知らなかったんではないかと思えてきました。

そう考えたのは以下の3つの理由からです:

1. 曲の題名
この曲の題名”Do You Know What It Means To Miss New Orleans”は、”means(ミーンズ)”と”New Orleans”が韻を踏む形になっています。確かに英語読みで“ニューオーリーンズ”(オーとリーにアクセント)と発音すれば韻を踏むのですが、地元でそう発音されるケースは稀です。ニューオーリンズでの一般的な発音は“ヌーオウランズ”(オウにアクセント)に近いです。これだと、”means”と韻を踏みません。その発音ではメロディにも乗らないため、ニューオーリンズの人たちもこの曲を歌うときは皆“ニューオーリーンズ”と発音しています。
蛇足ですが、プリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンドのバージョンでは、サビの後の歌詞が
“Do you know what it means to miss those red beans
に代わっています。“means”と“beans”は完全に韻を踏む言葉です。レッド・ビーンズ(&ライス)は、ニューオーリンズで代表的な料理の一つですから、これはなるほどと思いました。

2. あまり具体的なローカルな名前が出て来ない
そんなにニューオーリンズが恋しいならば通りの名前だったり、料理の名前だったり、溢れるように出てきてもいいのですが、そういう意味では淡泊な歌詞です。ミシシッピ川とマルディグラは出てきますが、マルディグラの部分は後のカバー・バージョンで歌詞が書き換えられて落ちており、そっちの歌詞の方が一般的です。

3. Sugar Pines(サトウマツ)
“miss the moss-covered vines, the tall sugar pines”(あの苔に覆われたツタ、高く伸びたサトウマツの木々が恋しい)
というくだりがありますが、ここで思ったのは「ニューオーリンズに松の木なんてあっただろうか?」ということです。あるのかも知れませんが、街を彩る象徴的な樹木ではないはずです。ニューオーリンズの街路樹で特に印象に残るのは巨大な樫の木です。
その前の部分についても「ツタに苔なんて生えるのか?」という疑問は残りますが、これは恐らくスパニッシュモスのことだろうと思います。スパニッシュモスは南部でよく見られ、普通の苔とは違い、木からもやもやっとしたものがぶら下がっている感じです。それならばツタにからまっていても自然だろうと思います。
サトウマツの部分はなぜこの木を選んだのかは謎ですが、多分単純にvinesと韻を踏ませるためだったのではという気がしています。

以上です。

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◆サビの部分の書き換え
ところで、先に触れた通り歌詞の一部(サビの部分)が後に書き換えられていて、そちらの方がよく歌われているという事実があります。2つを並べてみます:

[サビ1-オリジナル]
The Mardi Gras, the memories
Of Creole tunes that filled the air
I dream of oleanders in June
And soon I'm wishing that I was there
マルディグラの思い出
クレオールの調べが満ち溢れていた
キョウチクトウが咲き誇る6月を思い起こすと
もう、すぐにでも飛んでいきたい
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[サビ2-改訂版]
The moonlight on the bayou
Creole tunes fill the air
I dream about magnolias in June
And soon I'm wishing that I was there
バイユーの夜空を彩る月明かり
満ち溢れるクレオールの調べ
マグノリアの花が咲き誇る6月を思い起こすと
もう、すぐにでも飛んでいきたい
※拙訳は陶守

オリジナルの方の歌詞を歌う人もいるにはいますが、ざっと確認した限りでは非常に少なく、殆どが「サビ2」(改訂版)のパターンで歌っています。そこで疑問として上がってくるのが、1)誰がこの改訂版歌詞を書いたのか、2)なぜ変えたのか、そして3)改訂版が人気を得たきっかけのバージョンがあるのか?ということです。
1)誰がこの改訂版歌詞を書いたのか
これは答えはわかりませんが、デランジは映画公開の2年後1949年に他界しており、彼が存命の頃に出た改訂版バージョンは確認できません。だから恐らく彼自身が書き換えた可能性は低いと思います。
一番早い時期の改訂版バージョンは1953年のフランキー・レーンのバージョンがありました。これは、当時ジョ・スタッフォードとのカップリングの10インチ・レコード「A Musical Portrait of New Orleans」(全8曲入り)の中に収録されたものですが、ニューオーリンズがテーマとなった曲が並ぶこのリリースのために書かれた歌詞なのかも知れません。

2)なぜ変えたのか
変更されたところは2つです。マルディグラの部分とキョウチクトウの部分です。
想像するしかありませんが、マルディグラはニューオーリンズ的なものではあるものの、パレードでバカ騒ぎするイメージと哀愁漂うこの曲のイメージが合わないとの判断だったのではという気がします。「バイユーと月の明かり」の方がムードがありますし、ルイジアナっぽさも感じますから。
キョウチクトウの部分は、きっとマグノリアの方が南部の景色を彩る花として知られているから変更したのではないでしょうか。どちらの花もニューオーリンズで見られる種ですが、花開く最盛期は6月よりは早いようです。
3)改訂版が人気を得たきっかけのバージョンがあるのか?
上記のフランキー・レーンは、歌手だけでなく俳優でも活躍した大物なので、彼のバージョンで定着した可能性もあるとは思いますが、あくまでもそうかも?というレベルです。曲自体はシングルにはなっていないですし、アルバムもチャート入りしていません。

ジャズの曲ですが、ジャズの世界から出て、有名どころではファッツ・ドミノ、リッキー・ネルソンもやっています。

しかし、どちらもチャート入りはしていないです。彼らがやっていることも特によく知られているとは言えないと思います。





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まあ、謎なところはあれど、やはりいい曲ですよね。
ニューオーリンズの人たちにも愛されているのもうなずけます。
ニューオーリンズっ子でもないのに、帰りたくなっちゃうもんな。(笑)

◆歌詞と和訳
Do You Know What It Means To Miss New Orleans

Do you know what it means to miss New Orleans
And to miss it each night and day
I know I’m not wrong, the feeling’s getting stronger
The longer I stay away

Miss the moss-covered vines, the tall sugar pines
Where mockingbird used to sing
And I’d like to see the lazy Mississippi
A hurrying into spring

[Bridge A]
The Mardi Gras, the memories
Of Creole tunes that filled the air
I dream of oleanders in June
And soon I’m wishing that I was there

[Bridge B]
The moonlight on the bayou
Creole tunes fill the air
I dream of magnolias in June
And soon I’m wishing that I was there

Do you know what it means to miss New Orleans
When that’s where you left your heart
And there’s something more, I miss the one I care for
More than I miss New Orleans

“Do You Know What It Means To Miss New Orleans”
Written by Eddie De Lange and Louis Alter
/ 1946 (Renewed 1974, 2002) DE LANGE MUSIC CO. (ASCAP) Administered by BUG MUSIC and LOUIS ALTER MUSIC PUBLICATIONS, New York. All rights outside the United States controlled by EDWIN H. MORRIS & COMPANY, a division of MPL MUSIC PUBLISHING, INC.

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ニューオーリンズが恋しい気持ちがわかる?
毎日毎晩、恋焦がれている
この気持ちに迷いはない、想いは強くなるばかり
離れていればいるほどに

苔に覆われたツタ、高く伸びたサトウマツの木々
そこにモッキンバードがさえずっていたっけ
ミシシッピ川のゆったりとした流れが
春を呼び込んでくれる

[サビA]
マルディグラの思い出
クレオールの調べが満ち溢れていた
キョウチクトウが咲き誇る6月を夢に見る
もう、すぐにでも飛んでいきたい

[サビB]
バイユーの夜空を彩る月明かり
満ち溢れるクレオールの調べ
マグノリアの花が咲き誇る6月を夢に見る
もう、すぐにでも飛んでいきたい

ニューオーリンズが恋しい気持ちがわかる?
私は心をそこに置いてきてしまった
もう一つ忘れてられないのは、愛する人のこと
ニューオーリンズよりも恋しい、その人

日本語訳:陶守正寛

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◆レコーディングの一覧
https://secondhandsongs.com/performance/11648/versions
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2021/2/28

今年の音楽フェスの行方  音楽全般

世間では緊急事態宣言を解除するかどうかが話題になっていますが、今後ライヴ・イヴェントがどうなるかも非常に気になるところです。

国内外の音楽フェスティヴァルの対応について調べてみました。当然のことながら、それぞれ対応はフェスティヴァル毎にまちまちなようです。

新型コロナでコンサート・イヴェントがキャンセルになり始めたのは2020年の2月末から3月くらいだったかと思います。

コロナ騒動が始まってから丸1年が経ち、2年連続でキャンセルを決めたフェスティヴァルも出始めています。その一方で、対策をしながら、今年はやるというフェスティヴァルもあります。日程を延期して対応しているものがありますが、今後状況はどれだけよくなっていくのでしょうか。昨年は延期した挙句に結局は殆どのフェスがキャンセルに追い込まれました。

今年は、ひとつでも多くのフェスティヴァルが無事開催に漕ぎ着けますように。

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【海外】
South by Southwest(3月)
テキサス州オースティン
〇オンライン開催
2021年3月16日(火)〜20日(土)
https://www.sxsw.com/

Coachella Valley Music and Arts Festival(3月)
カリフォルニア州インディオ
×開催中止
https://www.coachella.com/

New Orleans Jazz & Heritage Festival(4月〜5月)
ニューオーリンズ
〇延期開催
2021年10月8日(金)〜17日(日)
https://www.nojazzfest.com/

Chicago Blues Festival(6月)
シカゴ
●開催するかについてまだ発表はなし
http://www.chicagobluesfestival.us/

Glastonbury Festival(6月)
英国・ピルトン
×開催中止
https://www.glastonburyfestivals.co.uk/

Waterfront Blues Festival(7月)
オレゴン州ポートランド
●開催するかについてまだ発表はなし
http://www.waterfrontbluesfest.com/

Essence Music Festival(7月)
ニューオーリンズ
2021年7月1日(木)〜4日(日)
◎開催予定
https://www.essence.com/festival2021/

Bonnaroo Music & Arts Festival(6月)
テネシー州マンチェスター
〇延期開催
2021年9月2日(木)〜5日(日)
https://www.bonnaroo.com/

King Biscuit Blues Festival(10月)
アーカンソー州ヘレナ
◎開催予定
2021年10月6日(水)〜9日(土)
https://kingbiscuitfestival.com/

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【日本国内】
YOKOHAMA JUG BAND FESTIVAL VOL. 20
横浜・Thumbs Up他
◎開催予定
2021年4月10日(土)
https://www.facebook.com/746373948785880/photos/a.855641097859164/3707471652676080/

博多ブルースフェスティバル VOL 5(2月)
福岡・Gate’s 7
〇延期開催(2月28日から延期)
2021年4月25日(日)
https://cusite.wixsite.com/hakatabluesfes

堺ブルースフェスティバル
大阪府堺市・Mina堺
◎開催予定
2021年5月2日(日)〜3日(月・祝)
http://www.sakai-bluesfestival.com/

Green Room Festival ‘21
横浜赤レンガ地区野外特設会場
◎開催予定
2021年5月22日(土)、23日(日)
https://greenroom.jp/

Japan Blues Festival(7月)
青森市青い海公園特設会場
●開催するかについてまだ発表はなし
http://aomori-jbf.com/

Fuji Rock Festival ‘21
新潟県苗場スキー場
◎開催予定
2021年8月20日(金)〜22日(日)
https://www.fujirockfestival.com/

Summersonic(8月)
千葉県幕張
〇Supersonicと名称変更の上9月に延期開催
日程はまだ発表されていません
https://supersonic2020.com/
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2021/2/24

BLUES & SOUL RECORDS 158号発売  ブルース

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2月25日発売のブルース&ソウル・レコーズ誌の巻頭特集は、戦前のブルース・シンガー、マ・レイニーです。「ブルースの母 マ・レイニー」という見出しを見ると、何となく占い師の新宿の母を思い出してしまうのは僕だけでしょうか?(笑)

それはさておき...

この特集はネットフリックスのオリジナル映画「マ・レイニーのブラックボトム」が年末に公開されたことに合わせた企画です。これは結構僕の周辺でも話題になっていて、僕もこれを見たさにネットフリックスに申し込みをしてしまいました。

内容としては、マ・レイニーの伝記っぽいものかと思いきやそうではなく、彼女の楽曲“Ma Rainey’s Black Bottom”のレコーディング現場を舞台としたドラマで、音楽映画ともちょっと違う感じです。このセッションのトランペット・プレイヤー、レヴィ・グリーンの歩んできた人生の苦悩を通じて、アメリカの黒人社会の抱えてきた人種差別などの問題を描き出しています。レヴィを演じるのは昨年他界したチャドウィック・ボーズマン。彼の熱演がこの映画の最大の魅力だと思います。

ちなみに、原作は黒人劇作家オーガスト・ウィルスンの舞台劇であり、実話ではありません。レヴィというプレイヤーは架空の人物です。

本誌の特集は、映画の話からマ・レイニーが活躍した当時のブルースへと話を広げた内容となっています。マを始め、当時の女性シンガーたちを収録したCD付きです。

この映画を機会に戦前のシティ・ブルースの世界を堪能するのもいいのではないでしょうか。あるいは僕のようにこれを機会にネットフリックスに加入してみてはどうでしょうか?

僕は、本号ではCD化されたケヴィン・ムーア(ケブ・モ)のデビュー作をリヴューコーナーで紹介しています。またニュース欄もいつもの通り担当しています。

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BLUES & SOUL RECORDS NO. 158
2021年2月25日発売
定価: 1,800円+税(税込1,980円)
https://bsrmag.com/magazine/bsr158/

表紙 マ・レイニー
昨年12月にNetflixで公開された『マ・レイニーのブラックボトム』が、海外の各映画賞で高く評価されている。昨年逝去した俳優チャドウィック・ボーズマンの遺作ともなる本作は、黒人劇作家オーガスト・ウィルスンが実在の人物マ・レイニーを題材に書いた舞台劇が原作となる。“ブルースの母”と呼ばれたマ・レイニーとミュージシャンたちのレコーディング・スタジオでの言動を通して、人種問題や社会構造を描き、ブルースという音楽を深く考えることを促してくれる。
★ Netflix『マ・レイニーのブラックボトム』を観る[妹尾みえ]
★ 『マ・レイニーのブラックボトム』が生んだふたつのアルバム[原田和典]
★ 「母」と「女帝」 女性ブルース・シンガーのツートップ〜マ・レイニーとベッシー・スミス[小出 斉]
★ “マ”から始まるブルース考〜わたしのための、わたしたちのための闘いのうた[濱田廣也]
★ “マ”とクールなジャズマンたち〜マ・レイニーのセッション参加ミュージシャン[原田和典]
【付録CD】MA RAINEY’S DEEP MOAN
『マ・レイニーのブラックボトム』で使用された曲のオリジナル録音など、マ・レイニーの代表作に、ベッシー・スミス、メンフィス・ミニー、ジョージア・ホワイトの関連曲を加えた、女性ブルース・シンガー集。 ※音源が古いためノイズがあります。ご了承ください。
1. MEMPHIS MINNIE: Ma Rainey
2. MA RAINEY: Ma Rainey’s Black Bottom
3. MA RAINEY: Deep Moaning Blues
4. MA RAINEY: Hear Me Talking To You
5. MA RAINEY: Those Dogs Of Mine (Famous Cornfield Blues)
6. MA RAINEY: Down In The Basement
7. MA RAINEY: Moonshine Blues
8. BESSIE SMITH: Moonshine Blues
9. GEORGIA WHITE: Moonshien Blues
10. BESSIE SMITH: Nobody In Town Can Bake A Sweet Jelly Roll Like Mine
11. MA RAINEY: Yonder Come The Blues
12. MA RAINEY: Prove It On Me Blues
13. MA RAINEY: See See Rider Blues
14. MA RAINEY: (Ma Rainey's) Dream Blues

【その他の主な記事】
● トゥルー・ブルース・マスターズ〜ブラック・アンド・ブルー/レフティ・ディズなど、国内初CD化含む7タイトル登場[今澤俊夫]
● カーラ・トーマスCD4枚組セット/ソウル発展の静かな功労者のスタックス音源集[新井崇嗣]
● 立て続けに現れた必聴ゴスペル・コンピレーション
*現代的リスニング・センスが光るサヴォイ・ゴスペル選[柴崎祐二]
*ザ・ゴスペル・トゥルース完全シングル集[高地 明]
*ヴィンテージ・アカペラ・ゴスペル究極の編集盤?![佐々木秀俊]
● 注目作をじっくり鑑賞する─「語りたい逸品」コーナー
*CD『The Right To Rock 1』米大衆音楽史を見つめ直すチカーノ・ロックンロール集[日向一輝]
● CD『Down Home Blues - Miami』好評ダウンホーム・ブルース集の南東部編[秋元伸哉]
●[新作アルバム・リヴュー]ハーモニカ・シャー/セルウィン・バーチウッド/ゲイリー・デイヴィス師 他
【連載】
☆ [新連載]KEEP ON KEEPIN’ ON ソウル/ファンク名盤のメッセージを読む 第1回 マーヴィン・ゲイ 『ホワッツ・ゴーイング・オン』/中田 亮 ☆ 永井ホトケ隆 好評連載「Fool’s Paradise」第6回
☆ SONS OF SOUL/林 剛
☆ ゴナ・ヒット・ザ・ハイウェイ〜西海岸と南部を結ぶ「I-10」沿道音楽巡り/日向一輝
☆ なんてったってインディ・ソウル 蔦木浩一×齋藤雅彦 ☆ フード・フォー・リアル・ライフ 〜歌詞から見るブルース&ソウルの世界/中河伸俊
☆ 小出斉の勝手にライナーノーツ「B.B. KING / Live In London」
☆ リアル・ブルース方丈記/日暮泰文 ☆ 鈴木啓志のなるほど! ザ・レーベル VOL.87 「Chelsea」
☆ ゴスペル・トレイン「F.C.バーンズ師」/佐々木秀俊+高橋 誠
☆ BLUES IS MY BUSINESS no.234/吾妻光良
☆ いづみやの曲追い酩酊談/佐々木健一
☆ 原田和典の魂ブチ抜き音楽
☆ 文聞堂書房〜古書掘りコラム/出田 圭
☆ ICHIのチタリン・サーキット最前線
☆ International Music Stroll〜世界の音楽にぷらりと出会おう/ワダマコト
☆ ニッポンの。国内アーティスト新譜紹介/妹尾みえ
☆ ブルース&ソウルが流れる店/轟美津子
☆ Ain’t That Good News 国内ライヴ/イヴェント情報ほか
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2021/1/28

日倉士歳朗RIP  ブルース

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2014年横浜ジャグバンドフェスにて

ギタリスト/シンガーの日倉士歳朗さんが2021年1月9日、亡くなりました。68歳でした。

2019年の2月に悪性リンパ腫と診断されたことを発表し3月末までのギグをこなしたあと、4月から活動を休止して入院治療に入っていました。当初の治療は順調で、寛解というところまで行ったことをご本人が発表していたものの、その後何度か転移が見つかり、一進一退の状況が続きました。

最後は、自宅での療養中に息を引き取られたそうです。

日倉士さんは、1952年生まれのギタリスト、シンガーで、スライド・ギターを得意とするギター・スタイルはライ・クーダー、デイヴィッド・リンドリーと比較して語られることも多い人でした。

1976年にBob’s Fish Marketに参加したことで本格的な活動を開始。1994年からはMooneyらとともにMad-Wordsを結成。2002年にMooneyが立ち上げた横浜ジャグ・フェスティバルには2018年までMad-Wordsで出演していました。

僕が初めてそのプレイに触れたのは多分、2000年日比谷野外音楽堂で行われた「ブルースに乾杯」というフェスティバルだったように思います。その後、横浜ジャグバンド・フェスティバルもほぼ毎年行ってましたし、いろいろな機会でそのプレイに触れることができました。2019年に活動を休止した際はまさかこのような結果になろうとは思いませんでした。まだ若いのに残念でなりません。

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2018年、最後となった横浜ジャグバンドフェス出演時

亡くなる直前の2020年12月、日倉士さんは闘病中に作った2曲入りシングルCD「message」をリリースしました。こちらは横浜のライヴハウスThumbs Upが自主制作でリリースして大きな反響を集めています。

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=3574946159261964&id=746373948785880



コロナ禍の昨今ですが、ご本人は落ち着いた頃に、横浜Thumbs Upにて盛大に「お別れの会」を開いて欲しいと言われていたそうです。早くその日が来ることを願ってやみません。

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2001年頃、自由が丘マルディグラにて
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2021/1/25

今年の干支は牛  

ここ最近は新年に干支のアルバム・ジャケット集を挙げることがなかば恒例化していたのですが、今年2021年は「牛(丑年-うしどし)」。

随分遅くなってしまいました。サボっていたのもあるのですが、一番の理由は牛をあしらったジャケットが思いのほか少なかったからなのです。ありそうなものなのですが、いやいやこれがあまりない。牛を広めに解釈して乳業から水牛まで探したんですが。

鶏などはRooster Bluesとか、レーベルのロゴなどに使われていたりするんですが、牛のレーベルなんて聞いたことないです。結構困りました。で、いろいろ考えた結果です。どうぞ!

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Pink Floyd / Atom Heart Mother
牛のジャケットと言えば真っ先に思いつくのがこれでした。A面を丸ごと使った壮大な組曲”Atom Heart Mother”を含むピンクフロイドの1970年作。ジャケットを手掛けたのはあのヒプノシスです。これ以上は望めない堂々たる牛ジャケットですね。

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Aerosmith / Get A Grip
牛の顔がないですが、これもわかりやすい乳牛ジャケですね。

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Rob Gee And The Natas / Cow Tipping
この人たちは僕は初めて聞く名前です。ウェブ検索で見つけました。ロブ・ジーは、アメリカのハードコアテクノの人だそうです。このCow Tippingという言い回しは、寝ている牛をちょいちょいとつつくとパタンと倒れるという人間で言えば「膝カックン」のようなイタズラを指す言葉です。でも、実際には倒れることはないようです。試したことはないですが。

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Various Artists / Blues Party 'til the Cows Come Home
今回ブルースのレコード・ジャケットでは牛が描かれたものが殆どなく、まいりました。

このアルバムはどうやら、Spotifyなどオンライン配信用に編集されたブルースの編集盤のようです。パッケージはなさそうですが、なかなかセンスのいい牛ジャケットですね。楽曲は、新旧色々なブルースの名曲が入っているようです。

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Frank Zappa / Lather
フランク・ザッパの没後1996年に出たCDです。公式のリリースは1996年。ピンクフロイドとシリーズのようにも見えますが、関係はないです。

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ここから3枚はちょっと苦し紛れの内容です。牛ジャケと言えるのか?まあ、そこはご愛敬で。。。

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The Eagles / One of These Nights
ぱっと見はわかりませんが、このジャケットにあしらわれているのは牛の頭骸骨です。イーグルズ・メンバーの友人であったアーティスト、ボイド・エルダーの作で、彼の作品は彼らのグレーテスト・ヒッツのジャケットも飾っています。そちらは鷲の頭蓋骨をモチーフにしています。

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Best of the Bayou
ルイジアナ州ラファイエットのクラブ、ブルームーン・サルーンでのライヴを収録したCDです。ブルームーン・サルーンのロゴマークがドーンと使われていますが、これが水牛の頭蓋骨ですね。

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The Stills-Young Band / Long May You Run
これはぱっと見、本当にわからないかも知れないですが、よくよく見ると描かれているのは牛かな?と思います。



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でブルースは殆どなかったのですが、牛は結構歌詞の中には出てきますね。Milk Cow(乳牛)が登場する歌詞は結構あります。でも、まず本当の牛を歌っているのではなく、女性のことを比喩的に言っているものが多いと思います。

ブルースでよく知られているのはココモ・アーノルド、あとロバート・ジョンソンも”Milk Cow’s Calf Blues”という曲をやっていますね。
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あとは上にあげたコンピのタイトルにもなっていますが”till the cows come home”(牛が帰宅するまで)という表現もよく歌詞に出てきます。これは「夜明けまで」を指す慣用句ですね。

この曲はよく知られているのではないでしょうか。朝までパーティーでバカ騒ぎ、です。


あとは、もっとエッチなルシール・ボーガンの曲もありますが、興味のある方は調べてください。(笑)

芸名では戦前に活躍したブギウギ・ピアノのカウ・カウ・ダヴェンポートという人は有名ですね。彼の名前は”Cow Cow Blues”という代表曲に由来していますが、この曲でいうcow cowとは汽車のフロントについていた牛の追突を防止するためのカウキャッチャーのことだそうです。cow catcherが訛ってcow cowになっちゃったんでしょうかね。



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この前のバンパーのような部分がカウキャッチャーだそうです。
Pearson Scott Foresman - Archives of Pearson Scott Foresman, donated to the Wikimedia Foundation, パブリック・ドメイン

まあ、そんなところで、遅くなりましたが、今年もよろしくお願い申し上げます。もー!!

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【過去の干支ネタ】
2019年(亥年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1818.html

2018年(戌年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1769.html

2017年(酉年)
https://black.ap.teacup.com/sumori/1719.html

2016年(申年)サルがテーマの曲
https://black.ap.teacup.com/sumori/1665.html
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