2021/10/20

追悼Warren Storm 1937-2021  R&B/ソウル

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Warren Storm
New Orleans Jazz & Heritage Festival, 2006
(c)Photo by Masahiro Sumori.

2021年9月7日、スワンプ・ポップのゴッドファーザー、ウォーレン・ストームが亡くなりました。84歳でした。ごく最近まで元気で活躍を続けており、2019年にはアルバム「Taking The World, By Storm」をリリースしています。

しかし8月中旬に新型コロナに感染し、入院治療を続けていたそうです。直接の死因は心不全とのこと。

2015年の映画「I AM THE BLUES(アイ・アム・ザ・ブルース)」に出演していたのを覚えている人もいるでしょう。同じくこの映画に出演していたキャロル・フランもウォーレンの1週間前に亡くなってしまいましたが、彼女とは同じ南ルイジアナ出身で、50年代からの旧知の仲でした。

ウォーレンはドラマーでしたが、歌手としても50年代から多くのシングル盤をリリースしています。

1937年2月18日、ルイジアナ州アビヴィルに生まれ育ったウォーレン。ケイジャンの家系で、幼少期はフランス語しか話せなかったといいます。本名はウォーレン・シェクスナイダー。父親がミュージシャンだったため、その影響で12歳から音楽活動を開始。1950年代に入ると同郷のボビー・チャールズと知り合い、一緒にニューオーリンズに出かけファッツ・ドミノら当時シーンを賑わせていた音楽に触れることになりました。

彼は最も影響を受けたドラマーとして、ヒューイ・スミスらと活動をしたことで知られるチャールズ・“ハングリー”・ウィリアムズの名を挙げています。

やがて彼はエクセロ・レーベルのJ.D.ミラーと知り合い、彼のクロウリーのスタジオで初レコーディング。1958年、ナッシュヴィルのレーベル、ナスコよりシングル“Prisoner’s Song”がリリースとなっています。また、セッション・ドラマーとしてもケイティ・ウェブスター、ライトニン・スリムなど、エクセロ・アーティストのレコーディングに多く参加しました。



1963年頃にはスワンプ・ポップのシンガーとして著名なロッド・バーナード、スキップ・スチュワートとザ・ションデルズを結成して活動。またソロでも、ロッコ、ドット、ジン、シンシア、アトコなどのレーベルからシングルのリリースを続けました。



ションデルズは1970年には解散してしまいますが、その後もソロでの活動は続き、1970年代はショータイム、スターフライト、クレイジーケイジャンなどのレーベルからシングルをリリースしました。1980年代以降はアルバム単位のリリースもするようになっています。

2000年頃からはスティーヴ・ライリー、C.C.アドコック、デイヴィッド・イーガンらとともにスワンプ・ポップ・グループ、リル・バンド・オ・ゴールドを結成し活動。同グループの3枚目「Plays Fats」(2012年)はファッツ・ドミノへのトリビュート作で、ロバート・プラント、ルシンダ・ウィリアムズ、アニー・ディ・フランコなど豪華ゲストを迎え、注目を集めました。


ウォーレンの歌がフィーチャーされた
リル・バンド・オ・ゴールドの7 Letters(ファースト収録)


2003年には、ソロとしてブルース・アルバム「Dust My Broom」もリリース。2010年には、ルイジアナ音楽の殿堂入りを果たしています。

ウォーレンは、リル・バンド・オ・ゴールドについては、3枚目のアルバムのリリース後、ツアーを嫌い脱退してしまいましたが、その後もサックス奏者のウィリー・ティーと組み、ラファイエット界隈で元気に活動を続けていたようです。僕は彼を最後に見たのは、2016年のニューオーリンズのジャズフェスでした。あの時点で79歳でしたが、スタンドアップシンガーとしてマイクを握り、熱唱していたのを覚えています。朗々と歌う姿に歳は感じさせませんでした。

2019年には前述のソロ・アルバム「Taking The World, By Storm」のリリースに加え、同名の自伝も出版しています。これは、ケイジャン・ミュージシャンのイヴェット・ランドリーとの会話を起こす形のものでした。

ルイジアナの音楽を彩ったヴェテランの突然の死に言葉もありません。残念です。RIP。

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Warren Storm
New Orleans Jazz & Heritage Festival, 2016
(c)Photo by Masahiro Sumori.


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[WARREN STORM DISCOGRAPHY]

Albums
1978年 Family Rules (Crazy Cajun)
1980年 Sincerely (Master-Trak)
1984年 Heart N' Soul (South Star)
1989年 Cajun Born (La Louisianne) with Johnny Allen and Clint West
1994年 Night After Night (Jin)
2002年 The Godfather Of Swamp Pop (HLE)
2003年 Dust My Broom (St. George)
2008年 Warren Storm - Willie Tee and Cypress (Jin)
2012年 Swamp Pop Jukebox (Jin) with Willie Tee & Cypress
2018年 Country By Storm (Jin)
2019年 Taking The World, By Storm (APO)
2020年 Warren Storm with Herb Landry & The Serenaders, Live 1957 (Swamp Pop Records)
    ラジオ放送用にレコーディングされていたヴィンテージ録音のCD化

Lil’ Band O’ Gold – Albums
2000年 Lil’ Band O’ Gold (Shanachie)
2010年 The Promised Land: A Swamp Pop Journey! (Room 609)
2012年 Plays Fats (Dust Devil)

Compilations
1964年 The Shondells At The Saturday Hop (La Louisianne) The Shondells recordings
1978年 Warren Storm & Johnny Allen (Crazy Cajun) compilation with Johnny Allen
2000年 King Of The Dance Halls (The Crazy Cajun Recordings) (Edsel)
2015年 The Bad Times Make The Good Times: Classic Texas Recordings 1964-1986 (Ace)
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2021/10/18

映画「リスペクト」いよいよ公開  R&B/ソウル

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アリサ・フランクリンの伝記映画「リスペクト」がいよいよ、11月5日より日本で公開になります。

僕は幸い試写会で見ることができましたが、期待以上の出来でした。アリサに少しでも興味のある人はぜひ見てほしい、そう思います。

色々見どころはありますが、主演ジェニファー・ハドソンが素晴らしい。まずはそこに尽きると思います。彼女のアリサ役は、本人が生前指名したのだそうです。容姿を見る限りアリサとは全く似ていない彼女をなぜ?と思ってしまいますが、実際映画を見ると不思議なほど違和感がないんです。それは、なんと言っても、ジェニファーの圧倒的な歌唱力によるところが大きいと思います。この映画は、他の映画であるような吹き替えではなく、アリサの歌は全てジェニファーが歌っています。それが圧巻なのですよね。うまいだけでなく、ここはアリサが乗り移ったのかと思ってしまうような歌声を披露しています。

アリサの服装や、時代、場所の再現も違和感がなく(実際どこまで正確かは一度見ただけなので検証はしておりませんが)、アリサの世界に引き込まれる思いがしました。

映画は、アリサが10歳の頃、1952年から始まり、コロンビアからのレコード・デビュー、アトランティックへの移籍を経て1970年代に入るまでの時代が描かれています。先に公開された「アメイジング・グレイス」(2019年)、そして「黄金のメロディ マッスル・ショールズ」(2013年)にもつながるシーンが登場するので、これらの映画を先に見ておくと、一層楽しめるでしょう。

少女時代のアリサを演じたスカイ・ダコタ・ターナーもよかったです。

アリサ役は本人に似ていないのですが、マッスルショールズでのセッションのシーンで登場するロジャー・ホーキンズやスプーナー・オールダムなど本人じゃないかと思うほど似てる人もいましたね。ジェリー・ウェクスラーやリック・ホールも雰囲気ありました。

始めの方で、ダイナ・ワシントン役で登場するのがメアリー・J・ブライジであることもポイントでしょう。

一度ざっくりと見て、もう一度細かく舐めるように見たい、そんな映画かもしれません。

これ以上詳しいことはネタばれになるのであえて言いません。
とりあえず11月5日になったら映画館へGOです。後悔はしないと思います。

しかし、今年は「アメイジング・グレイス」に続き、この映画が公開されるというアリサ・ファンには願ってもない展開。盛り上がってまいりましょう!

10月25日発売のブルース&ソウル・レコーズ誌がこの映画を大々的に取り上げています。そちらもあわせてどうぞ。

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映画『リスペクト』
撮影:リーズル・トミー
制作:ハービー・メイソン・Jr.
   スコット・バーンスタイン
   ジョナサン・グリックマン
   ステイシー・シェア
制作総指揮:ジェニファー・ハドソン
   リーズル・トミー
   スー・ベイドン=パウエル
   アーロン・L・ギルバート
   ジェイソン・クロス
原案:カーリー・クーリ
   トレイシー・スコット・ウィルソン
脚本:トレイシー・スコット・ウィルソン
出演:アレサ・フランクリン:ジェニファー・ハドソン
   C・L・フランクリン:フォレスト・ウィテカー
   テッド・ホワイト:マーロン・ウェイアンズ
   バーバラ・シガーズ・フランクリン:オードラ・マクドナルド
   ジェリー・ウェクスラー:マーク・マロン
   ジェームズ・クリーヴランド:タイタス・バージェス
   アーマ・フランクリン:セイコン・センブラ
   キャロリン・フランクリン:ヘイリー・キルゴア
   ジョン・ハモンド:テイト・ドノヴァン
   ダイナ・ワシントン:メアリー・J. ブライジ
   サム・クック:ケルヴィン・ヘアー
   クララ・ウォード:ヘザー・ヘッドリー
   スモーキー・ロビンソン:ロドリック・D・コリンズ、他
   アレサ・フランクリン(少女時代):スカイ・ダコタ・ターナー
原題:Respect/2021/アメリカ・カナダ/英語/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/146分
字幕翻訳:風間綾平
(C) 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.
配給:ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/respect/
11月5日(金) TOHOシネマズ日比谷、他で全国ロードショー

サウンドトラック日本盤:2021年11月3日(水)発売予定
価格:2,750円(税込)
解説・歌詞対訳つき / 高音質ブルースペックCD2(Blu-spec CD2)仕様

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